JALスカラシップ 2017年 JALスカラシッププログラム 実施報告

テーマ:

考えよう!アジアの環境、世界の環境

~今、私たちが環境の為にできること

開催期間:
2017年6月26日~7月18日
参加者:
2017年度のJALスカラシッププログラムには、オーストラリア、北京、広州、大連、天津、香港、ソウル、釜山、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台北、高雄、ホーチミン、ハノイ、インド、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマーの国/地域から選出された26名が参加しました。

スケジュール

6月26日 各地より来日
6月27日 オリエンテーション(日程・注意事項説明、自己紹介等)
オープニングセミナー 初日
基調講演 国立環境研究所 大気海洋モニタリング推進室室長 町田 敏暢 様
6月28日 オープニングセミナー 2日目 スカラーによる「自国・地域紹介」「環境、環境問題について考えてみよう」
グループワーク(グループテーマ検討)
6月29日 コペルニク・ジャパン 講演 コペルニク・ジャパン代表理事 天花寺 宏美 様
「貧困地域に適したテクノロジーとはどのようなものか」
「コペルニクは、なぜ、どのように様々な企業と連携しているのか」
「貧富の格差」「農業」「失業」「教育」ワークショップ、及び スカラー研究発表
夜:グループテーマの決定・発表
6月30日 アイセック東京大学委員会企画「水を通して見る日本」
お台場科学未来館、企業館訪問
7月1日 (東京より白山市へ移動)
石川県白山市プログラム初日  白山比咩神社訪問
俳句創作体験 白山市俳句協会 会長 瀬東 千恵子 様
7月2日 石川県白山市プログラム 2日目 白山ユネスコエコパーク講演  大西 龍一 様
白山市ホームビジット
7月3日 石川県白山市プログラム 3日目  白山市伝統 浅野太鼓体験  いしかわ動物園 堆肥リサイクル見学
7月4日 (白山市より金沢市へ移動)
国際フォーラムin石川
午前:日本文化体験 (浴衣試着、茶道、能楽体験等)
午後:石川県日本人学生との対面式 金沢市内フィールドワーク
7月5日 午前:講演「世界が合意した2030年に指すべき社会SDGs」 金沢大学教授 鈴木 克徳 様
「リサイクル-市民発想の環境の取り組み」 金沢エコライフくらぶ 代表 青海万里子 様
「古都・金沢市の環境政策」 金沢市循環局環境政策課課長補佐 蚊戸 博樹 様
午後:会宝産業様  「自動車解体と部品リサイクルの取組み」
西部環境エネルギーセンター 「ゴミの減量・リサイクル」
7月6日 終日:研究フィールドワーク     石川地区学生の企画によるグループ別行動
7月7日 アジアフォーラムin 石川準備 グループディスカッション
7月8日 アジアフォーラム in 石川 公開シンポジウム
各グループの研究発表会、質疑応答、意見拝聴
石川地区ホームステイ対面式   国際交流まつり
7月9日 石川地区ホームステイ
7月10日 午前:石川地区ホームステイより戻り、東京へ移動
午後:日本航空 視察、日本航空の環境に対する取り組み    羽田空港 「JAL SKY MUSEUM」
天王洲JAL本社 「JAL空エコ教室」 天王洲 JAL本社 「JALオペレイションコントロールセンター」
7月11日 東日本鉄道文化財団 企画 JRにおける環境取組みの紹介
東京駅TESSEI社 新幹線車内清掃 海浜幕張駅におけるエコ駅化対応 千葉駅ペリエ緑化事業
7月12日 クロージングセミナー初日 グループワーク
7月13日 クロージングセミナー2日目  研究フィールドスタディ
7月14日 クロージングセミナー3日目  公開シンポジウム発表最終準備
7月15日 2017年JALスカラシッププログラム 公開シンポジウム
各グループの研究発表会、質疑応答、意見拝聴 参加メンバー全員による「私の夢」発表
ホストファミリー宅へ
7月16日 東京地区ホームステイ
7月17日 午前:東京地区ホームステイ
夕:修了式 修了証書 授与式  フェアウエルパーティ
7月18日 帰国
  • 7月1日~10日の日程は「アジアフォーラムin石川実行委員会」との共催になります。
  • 7月11日の日程は、「公益財団法人東日本鉄道文化財団」の企画になります。

プログラム内容

基調講演

国立環境研究所地球環境研究センター大気・海洋モニタリング推進室 町田敏暢 室長
演題:地球温暖化と大気中の二酸化炭素

  • 大気観測と地球温暖化
  • 時間・空間による二酸化炭素の濃度の変化
  • Contrail Projectの紹介

国立環境研究所地球環境研究センターの大気・海洋モニタリング推進室の町田敏暢室長による基調講演では、「地球温暖化と大気中の二酸化炭素(CO2)」と題するご講演を頂き、二酸化炭素の特徴や、その濃度が季節変動を繰り返しながらも、経年度変動では産業革命後大幅に増加しており、地球温暖化の要因の一つである可能性があることや、日本航空機に搭載される大気観測装置により採集された上空の大気データを長期間に亘り観測し、地球規模の研究に結びつけている点について学びました。

学生セッション (オープニングセミナー)

オープニングセミナーでは、プログラム全体の日程、プログラムの趣旨、スカラー達が取り組む「考えよう!アジアの環境、世界の環境」というテーマの趣旨と進め方、発表方法について、李 孝成(イ・ヒョソン)コーディネーターにより説明が行われました。アジアの各国を理解する目的から、来日前までにスカラーが準備してきた各国の紹介プレゼンテーションを行いました。続くグループワークでは、個人テーマの選び方とまとめ方の注意点に関して説明が行われた後、日本人学生の司会進行のもと、公開シンポジウムでの発表に向けたとりまとめのためのディスカッションが行われました。

アイセック・ジャパン東京大学委員会企画

アイセック・ジャパン東京大学委員会による大学生企画は、天王洲アイル野村不動産天王洲ビルにて「水を通して見る日本」をテーマに各自調査してきた各国の水問題についてディスカッションを行い、その結果を発表しました。午後は、日本科未来学館ツアー、及びグループに分かれてお台場のフジテレビ本社、ソニーエクスプローラサイエンスで各々の見学先を廻るフィールドワークを実施しました。

白山市プログラム

7月1日、東京より石川県白山市へ移動し、白山市の後援による白山市プログラムが始まりました。白山比咩神社では、参拝及び夏越大祓の輪くぐりを通じて、プログラム滞在期間中の無事を祈願しました。その後、千代女の里俳句館を訪れ、白山市国際交流協会、白山市俳句協会のご協力を得て俳句創作体験を行いました。白山市俳句協会の瀬東会長に俳句の作り方をご教示頂き、スカラー達は俳句創作に取り組みました。最後に様々な題材の感受性豊かな俳句が完成して発表会が行われました。千代女の里俳句館では、玄関の七夕飾り用に、願いを込めた短冊作りも行いました。

日本文化体験

7月4日、石川国際交流ラウンジを訪問し、浴衣の着付けと茶室での裏千家の茶道などの日本の伝統文化を体験しました。その後、能の先生に能の手ほどきを受け、全員で舞って楽しんだ後、地元のボランティアの皆さんの手作りカレーライスを頂きつつ、交流を図りました。午後は、金沢歌劇座にて地元の学生たちとの対面式と、コーディネーターの川畑先生によるアジアフォーラムin石川のオリエンテーションが行われました。その後、対面した地元学生の皆さんの案内により、金沢市内のフィールドワークを実施しました。

アジアフォーラムin石川

2017アジアフォーラムin石川は、「考えよう!アジアの環境、世界の環境"~今、私たちにできること~石川県・金沢市を事例として」をテーマに、7月9日の午後、石川県青少年総合研修センターで開催されました。
オープニングセレモニーでは、アジアフォーラムin石川実行委員会委員長 紐野義昭氏、引き続き公益財団法人JAL財団 田中順二常務理事、日本航空代表取締役専務執行役員 大川順子氏、石川県観光戦略推進部次長 竹内政則氏、金沢市都市政策局担当部長兼交流課課長 中村弘志氏がそれぞれ挨拶を行いました。 続いて総合コーディネーター 石川県ユネスコ協会事務局長 川畑 松晴 氏進行のもと、スカラー達、及び日本人学生が7月1日からのフィールドワークとグループワークをグループ毎のテーマに沿った成果を発表しました。

国際交流まつり

7月8日夜、スカラー、地元学生、ホストファミリー、地元関係者の皆さんが交流する「国際交流まつり」をアジアフォーラムin石川の終了に続いて開催しました。地元の和太鼓チームによる演奏や、民族衣装を着用したスカラーたちによる民俗芸能の披露などで会場が大きく盛り上がりました。この国際交流まつりは地元金沢の学生とスカラー達が一緒に過ごす最後の機会となったため、別れを惜しみ、会場のあちこちで記念写真を撮る姿が見られました。

機体整備工場見学~JALスカイミュージアム

7月11日、石川県のプログラムを終え、帰京したスカラーは、羽田空港のJALスカイミュージアムを訪問した。航空教室では、飛行機の基本について、展示コーナーでは、日本航空の歴史、航空会社各職種の仕事について学びました。格納庫では、機体整備中のJAL機が、想像よりも大きく映り、目の前でなされている整備作業の光景を通じて、命をお預かりする仕事の大切さを見ることができました。続いてJAL本社で行った空エコ講義では、環境のために実施している航空会社のエコ活動が紹介された。最後にオペレーションコントロールセンターでは、日本航空の機数、便数を始めとする運航全般の紹介、及び運航に携わるセクションが一同に会して、一致協力してフライトを支えている点について学ぶことができました。

東日本鉄道文化財団企画

東日本鉄道文化財団のご協力のもと、JR東日本が幕張駅及び、千葉駅ペリエにおいて取り組んでいる緑化運動、太陽光利用促進、風力発電等のエコ活動について学ぶことができた。東京駅TESSEI社では、社員自らの取り組みにより会社が活性化していったことや、短時間でなされる新幹線清掃車内清掃業務の凄さ、そして清掃作業のみならず社員教育、自ら活性化させるための工夫等を垣間見ることができ、スカラーにとっては、日本の効率的な作業の実態、仕事に就く日本人の心構え等、多くを学ぶことができました。

クロージングセミナー

東京、白山市、金沢市、石川県での数々の講演、企業訪問、フィールドワーク、人々との触れ合い、多くの日本文化体験を経て再び東京に戻ったスカラーは、日本での新たな気づき、関心点を、グループ内で日本人学生と共に共有・議論し、今回の環境をテーマとする議題についての最終的な発表に向けた作業に取り組むクロージングセミナーが日本人学生共に行われました。

2017 JALスカラシッププログラム公開シンポジウム

JALスカラシッププログラムの集大成である公開シンポジウムが、野村不動産天王洲ビルの「ウィングホール」で開催されました。ホストファミリー、プログラムに参加した日本人学生、去年度プログラム参加者など多くの皆さんが来場しました。
フィールドワークでの取材、クロージングセミナーにおけるディスカッションを踏まえた上で、日本人学生の協力を得つつ、JALスカラシッププログラムを通じ、学び、考えたことを、テーマに沿って纏め、日本語で伝えることが目的です。
スカラー、及び日本人学生を含めグループ毎による今回のテーマである「考えよう!アジアの環境、世界の環境」について、グループ毎のテーマと各スカラーの視点から一生懸命考え、日本人学生と議論をし、さらに深く掘り下げることでアジアに対する理解を深めつつまとめた様々な国と地域から来られた、多様な背景を持つスカラーたちの色彩豊かな発表と、質疑応答が行われました。

ホームステイ・ホームビジット

ホームステイ、及びホームビジットは、白山市、金沢市、東京地区で多数のホストファミリーのご協力を賜りつつ、日本人の生活習慣や、行動様式などを体験し、日本に対する理解を深めることを目的としています。スカラー達は、ホームステイ、ホームビジットを通じてそれぞれに貴重な体験や、日本での第二の家族を得て、将来、今回のプログラムを振り返った際には、ホストファミリーの皆様がきっと忘れられない存在となっていることでしょう。

修了式、フェアウエルパーティ

7月17日(月)の夕刻、3週間の濃密な時間を共に過ごしたスカラーたちは、野村不動産天王洲ビル ウィングホールにて修了式・フェアウエルパーティに臨みました。会場にはJAL財団理事長の大西賢をはじめ、ホストファミリー、東京プログラムに参加した日本人学生、JAL財団の関係者なども参集した。スカラーたちは大西理事長から修了証書を手渡され、記念撮影を行った後、今回のスカラシッププログラムの振り返りビデオを見て、一人ひとりが最後のスピーチを行い、涙を流し、別れを惜しみつつ、再会を誓いました。

主催:
公益財団法人JAL財団
協力:
アジアフォーラムin石川実行委員会、公益財団法人東日本鉄道文化財団
特定非営利活動法人アイセック・ジャパン東京大学委員会、国際交流基金
後援:
国土交通省、外務省、文部科学省、石川県、金沢市、白山市
協賛:
日本航空株式会社
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