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■ 第16回 日田市の景観まちづくり
2006.2.1 |
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日田豆田町
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カメルーン・サッカーチームが合宿した中津江村を含む 周辺2町3村と2005年3月22日に合併し、人口76,000人の新日田市が発足しました。大分県の北西部に位置し、かつては江戸幕府の天領(直轄領)として繁栄しました。当時豆田地区と隈(くま)地区は商業・経済の中心地域であり、豪商を始めとする商家が今も多く残されています。
当該2地区に日田バイパス周辺地区を加えた3地区が「都市景観形成地区」に指定されています。
「水郷ひた」と称しているように、三隈川(ここでは筑後川がこう呼ばれる)に代表される豊かな水と緑のまちでもあります。また、日田市の中心から北16kmの山中には、窯業のまち小鹿田(おんた)皿山地区があり静謐な景観を呈しています。
日田市は1998年、全国の市町村で3番目に環境国際規格の認証を取得しました。最近では「歩いて時間(とき)を感じるまちづくり」を目指し、まちの中心部への自動車の乗入れ規制を実験的に行うとか、バイオマスタウン構想を実践に移すなど、環境整備に関しても先進的な試みを行っています。
豆田地区のまちづくりリーダー石丸さんと日田市都市整備課の樋口さん、坂本さんにお話を伺いました。
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まち並み(イラスト)
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伝統的建造物群
保存地区
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小鹿田皿山
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- 石丸さんが30~40代の仲間10人と「日田の明日を考える会」を立ち上げたのは1976年、当時まちの中心は駅周辺にシフトしており、豆田地区は商店の大半が休眠状態という寂れた状況にあった。以降30年まちづくりに携わっている。
- 日田のまちを良くしたいとの思いから、歴史を調べ、現場を見ることから始めた。結果、天領の名残を示す古いまち並みが何となく残っていたこと、400年も前から鵜飼が行われていたこと等々、面白いことが分かってきた。「歴史と文化を活かすまちづくり」のイメージが醸成された。
- 飛騨高山に見学に行き、「物から心」に時代が移っていることを感じ取った。
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豆田地区(草野本家)
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- 自然、歴史、文化を楽しむ目的で、人々が古いまち並み景観を求めている…。一店一景観運動、「物を売るまちではなく、心をうるまち」づくりを始動させる。
- 豆田の地域個性を表現すべく、起爆剤的に「天領祭り」を提案。1979年第1回の開催にこぎ着け好評を博したが、一番喜んだのは地元住民であった。
- まちの良さに皆が気付き、まちづくりの大きなキッカケとなった。当初希薄だった「まちに対する誇り」が見えてきた。1984年からは「おひなまつり」も始まり、一気に歴史的まち並みを活用しようとする気運が盛り上がった。
- 現在では豆田地区に100店舗が進出するまでになり、なお出店希望者は増え続けている。「イベント」と「景観づくり」を車の両輪のように上手く使っている。
- 石丸さんは豆田、駅前、隈の3地区を「3つの歯車」と考え、これらが助け合うことにより経済的基盤が作られ、若い人の雇用が増えることを望んでいる。
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豆田地区(御幸通り)
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- 2005年からは「千年あかり」と称する夜の景観づくりも住民主体で始めた。あかりを灯し自分たちのまちをじっくり考えてみる。「未来千年、過去千年」。
- 周囲を山々に囲まれた盆地であること、天災も少なくこれまで大きな自然環境の変化がなかったこと、天領の中心地であったことから昔ながらの良さを守る気質が市民のDNAに刻み込まれていたことが日田の特徴である。
- 石丸さんたちの運動をサポートする形で、行政もまずは豆田地区の景観整備に着手した。メインストリート御幸通りの電線類地中化、石畳等道路整備は2000年に完了。
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豆田地区(岩尾家3Fより)
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- 来年度からは、並行する上町通りを整備予定、さらには両通りを結ぶ路地の整備もしたいとのこと。「線」から「面」への景観整備…。
- 「歴史景観に配慮したまちづくり」を推進した結果、2004年12月には念願の重要伝統的建造物群保存地区に指定された。住民の意識が一段と高まった。
- まち並みの連続性を保つことに心掛け、伝統的な町家景観の継承により城下町の雰囲気を残すことに腐心している。
- 修景が進むにつれ住民の満足度が向上し、20数年前にはゼロであった訪問客も増えた。住民の満足度があっての観光客と樋口さんは考えている。一部まちに戻ってきた者もいる。商店街の活性化にもつながった。
- 日田市民は自分たちのまちをきれいにしたいとの意識が高く、5月には市内全域で自発的に清掃活動が行われる。「盆地の中をきれいに」との思いか…。
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隈地区(まちづくりセンター)
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- 隈地区は旧宿場町、古いまち並みが残るもう一つの地域であるが、豆田地区にやや遅れ1997年に「隈地区まちづくり委員会」が発足、景観活動が始まった。
- 南側には三隈川が流れており、水辺を中心とする自然景観と海鼠(ナマコ)壁が特徴的な土蔵などの建造物が存在する地区である。また、神社仏閣を中心とした閑静な寺町通りは当地区に潤いを与えている。
- 目標の一つに「快適な生活が営まれるまち」を掲げており、生活者の視点でのまちづくりを重視している。素材には良いものがあり、豆田に刺激され住民の景観活動が加速されることが望まれる。今後が楽しみである。
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隈地区(海鼠壁)
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- 屋形船にて対岸から隈町を川越しに眺める景観には風情があり、まち中も歩きやすく、訪問者からは大好評であった。
- 2005年5月には「日田バイオマスタウン構想」を策定。農畜産業および日田杉で有名な林業より発生する、家畜の排泄物、残材等の木質系廃棄物というバイオマス資源を上手く利用しようとするものである。
- 環境都市日田は、当構想をすでに実施に移しており、今年4月にはメタン発酵施設、11月には木質バイオ施設が完成する。将来的には焼却場不要のまち、ゴミゼロのまちを目指す意気込みのようだ。ゴミは現在16分別。
(太田正美)
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バイパス周辺景観地区
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