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団塊のツアーとは
 

 1. 団塊世代とは何か

2. ノスタルジー

3. スローライフ

4. 学習するツアー

5.夫婦単位

6. 健康力向上

7. 景観・まち並みを楽しむ

8. アクティブ

9. 社会貢献意識

10. ロングステイ

11.Quality of Life

12.本物志向

13.インターネット

14.環境問題

15.田舎を見直す

16.明確なツアーテーマ

17.新しいもの好き

18.蘊蓄(うんちく)の旅

19. 感動を味わう

20. アンチエイジング







第4回 学習するツアー
                                                         2005.10.20                 

①団塊世代の学習意欲

第1回のレポートにて団塊世代の特性の一つとして「知的好奇心が旺盛であり、加齢とは関係なく学習したい気持ちが強い」ことを指摘した。大学時代に学園紛争があり、十分勉強できない(しない)まま、社会人となり今日まで来てしまったことも一因となり、退職が近づいた今、または退職に向けて「学習したい」「趣味を極めたい」との気持ちが強くなっているのかもしれない。

昨年(2004年)武蔵野市は市内団塊世代の意見を市政に反映しようと、団塊世代市民アンケートを実施したが、将来の生きがいでは「趣味」が最も多く68.6%、次いで「勉強・習い事」が43.4%となった。特に現在働いている団塊世代は、自由な時間を持つことになると同時に、趣味を楽しみたい、勉強・習い事がしたいという強い意志を有していることになる。参考までに武蔵野団塊市民の勉強・習い事の内容は、「趣味・けいこごと」「健康・スポーツ」「一般教養」「パソコン・インターネット」「英会話等語学」である。「団塊世代は学生時代より学びたいことが明確」「これからはテーマを絞った本格的な学習がしたい」との意見もあった。ところで、武蔵野市では10年前より、市内および近隣5大学の協力の下、武蔵野市民大学を設定、講座を市民に開放しているが、時として市民の方が熱心であり、前列に座り学生と同じ講義を聞いているとのことである。団塊受講者も今後急増するものと思われる。

早稲田大学では1981年にオープンカレッジ「早稲田大学エクステンションセンター」を開設しており、現在では国際情勢から医療、江戸・東京の歴史まで、年間約1,400講座が設定され、約30,600人の会員を擁するまでになっている。この中50才代は約4,500人、目下女性が圧倒的に多いが2007年以降はこれに男性が加わり、ここでも団塊世代が主役になるものと推察される。本格的な学習意欲をより掻き立てるべく単位取得制度も導入している。
最近日経MJが実施した団塊世代調査によれば、この世代は現役引退後「趣味」への支出を現在の1.7倍に増やしたいと考えており、国内・海外旅行、スポーツ等に次いで、教養にも相当の興味を抱いている。面白い傾向ではあるが、団塊男性にとって、最近「料理」が実益を兼ねる趣味としてクローズアップされつつあるようだ。食べる楽しみに加え、作る楽しみを味わいたいということか…。

②趣味を極めるツアー

これまでの旅行においては、もっぱら各地の料理を食することを楽しんできた訳であるが、これからは団塊男性を意識した、または団塊夫婦で本場の料理の作り方を習うツアーを設定してはどうか。この場合、プロのレベルとは言わないまでも、かなり本格的な内容を伴ったものが志向されるかもしれない。フランスにて短期のフランス家庭料理教室に通う、イタリアで本場スパゲッティの作り方をじっくり学ぶ、タイでトムヤンクンの本格的な作り方を教わる、ドイツでビアテイスターの資格を取るなどのツアーは、団塊世代には受け入れられるのではないか。国内においても旬の食材を使った料理を、現地において現地の人に学ぶツアーや焼酎アドバイザーの資格を取る目的での鹿児島芋焼酎ツアー等々が考えられる。食関連だけでも最近は趣味の延長線上にあるような、さまざまな資格が用意されているようで、各自の趣味に合わせ挑戦することができる。

ガーデニングについては、すでに趣味にしている団塊女性は少なからずいると思われるが、本場イギリス・チェルシーのガーデニング・スクールに入る、または郊外の個人住宅の庭において実習ができるツアーは人気があるのではないか。 その他、何せ多趣味の団塊世代男女のこと、絵画、写真、陶芸、囲碁・将棋、俳句、楽器演奏、書道、リフォームやダンス、ゴルフ等のスポーツという趣味を、国内外のそれぞれの本場でこれまで以上に極めたいとの欲求は、時間を手にした瞬間より顕在化するものと思われる。
さらには趣味を極めた結果、資格などを取得すると今度は他人に教えたくなる。例えば、世界各地に生け花を教えに行くツアーなんかもできるかもしれない。団塊世代と各国市民との交流が始まり、彼らの生きがいにつながることにもなる。
 
③本格的な学習をするツアー

より知的な欲求を満たすためには、文学、歴史、語学、芸術、音楽、科学、健康、等を学ぶのに最も適切な場所を国内外において選定し、そこでの講座を受講するための短期、場合によっては中長期の留学ツアーも面白い。学生時代に愛読した文学、例えばヘミングウェイ文学の本場キーウェストを訪ね、当地において「老人と海」の書かれた背景を研究することにより、インテレクチュアルな雰囲気を味わうことができる。団塊世代にとって、これは感動的なことかもしれない。

また、予めオープンカレッジやカルチャーセンターで「古代ローマ帝国」や「南フランスの伝統文化」「シェークスピア文学」「ドイツオペラの変遷」などを学習し、深い知識を持った上で、それぞれの場所を専門ガイド付きで訪れ、学習したことを確認するとともに、心行くまで楽しむツアーも考えられる。これを繰返せば団塊世代の生涯学習ツアーになる。
語学についても駅前留学を卒業し、ロンドン、パリ、ベルリンの学校に短期留学し、インタープリター(通訳ガイド)の資格に挑戦してみるのはどうか。

いずれにせよこの世代は男女とも、かつてできなかったことも含め自己実現へのチャレンジ精神は極めて旺盛である。可能であれば人に教えられるくらいのレベルまで自分たちを押し上げたい、少なくとも自分の能力を大きく伸ばしたいと考えており、そのための自己投資は惜しまないであろう。これまでは子供のために教育費を使ってきたが、最早その必要はなく資金は自分たちの能力向上のために使う。余談ではあるが、団塊世代はレベルアップした能力を見せたがる、いわゆる自己顕示欲が強いと他の世代には映るのかもしれない。
ともかく「学習するツアー」では、旅行はその知的欲求を満たすための手段として使われることになる。(太田正美)

                                                                         
<参考資料>
「団塊力」(武蔵野市テーマ別市民会議報告書)
「見えない若者市場より見えている団塊市場を狙え!」(井徳正吾 はまの出版)
「nikkeibp.jpビジネススタイル」(web)
「団塊老人」(三田誠広 新潮新書)
                                    

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