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団塊のツアーとは
 

 1. 団塊世代とは何か

2. ノスタルジー

3. スローライフ

4. 学習するツアー

5.夫婦単位

6. 健康力向上

7. 景観・まち並みを楽しむ

8. アクティブ

9. 社会貢献意識

10. ロングステイ

11.Quality of Life

12.本物志向

13.インターネット

14.環境問題

15.田舎を見直す

16.明確なツアーテーマ

17.新しいもの好き

18.蘊蓄(うんちく)の旅

19. 感動を味わう

20. アンチエイジング







第6回  健康力向上
                                                         2005.12.20                 

① 団塊世代の健康

東京都の団塊世代調査(2004年)によれば、きわめて健康・まあ健康と回答した当世代の男性は88.7%、女性は86.8%であり、男女とも元気である。「健康と美」は彼らの一大関心事であり、元気であることと同時にカッコよさを求める意識が一段と強い。特に、団塊女性にとっては、健康と美容は密接不可分の関係にあり関心がより深い。

すでにフィットネス・クラブ等健康増進施設の需要はここ数年伸びているが、今後団塊世代、とりわけ女性を中心とした利用が増大するものと思われる。クラブ側も団塊世代のニーズを研究しており、特別プログラムを開発中とのことである。
食品への関心も高く「多少高価でも、おいしく、安全な食品を少量」との傾向が顕著になりつつあり、オーガニックと言われる有機栽培食品の人気が高まっている。また、食生活についてもカロリーに関するプロのアドバイスを求めるなど、団塊世代の健康に対する考え方は科学的でもある。

他方、現在は概ね健康であるものの、定年後の不安なことに「健康」が「経済」「介護」と並んであげられている。もっとも現実に深刻なものは少なく、将来的に一人になった場合の孤独に対する不安とか、寝たきりになったらどうなるのかといった不安のようである。
団塊世代はこのような不安とも積極的に取り組もうとしており、可能な限りの不安先送り努力をするものと思われる。ストレスの軽減が一つのキーとなるが、その手段として「旅行」は大きな役割を果たし、最近の研究によれば免疫力(自然治癒力)の向上にもつながるようである。より長く健康で過ごすことができれば、経済的負担も少なくて済み、趣味などやりたいことに費やすことができる。

② ロハスな生活

日経新聞の2005年上半期のヒット商品にて、LOHAS(Lifestyles of Health and Sustainability=ロハス)が西の大関(年間では東前頭)にランクされた。まだ一般的にはそれほど浸透していない概念ではあるが、健康や環境を志向するライフスタイルと言われている。無理をしないことがモットーでもあり、厳格な定義はあえてしておらず、EU諸国では人口の35%、アメリカで30%、日本でも30%弱がすでにロハス層としている。環境については別途取り上げることとして、今回は健康に焦点をあててみる。「健康に良いものであれば、多少高くても購入する」人々も、「フィットネス・クラブでヨガを楽しんでいる」人々も、「オーガニック食品を好む」人々も、「なるべく薬に頼らない」人々もすべてロハス層である。すでに、50~60才代により多くみられるが、今後団塊世代を中心にますますロハス的生活スタイルは、健康という側面からだけでも増大していくものと思われる。

もう少し具体的に体験したい場合には、まずLOHASアカデミーにてレクチャーを受けた後、本場と言われるコロラド州ボールダーでの研修ツアーに参加することもできる。何事も徹底的に追求する団塊世代は、このようなツアーにも興味を持つのではないか。ボールダー市周辺には、オーガニック食品専門の会社をはじめロハス企業が多数存在しており、研修ツアー後も一定期間当地に滞在し、生活そのものを体験するとともに、現地の人々との交流を通じロハス的考え方を直接学ぶことも興味深い。

③ 健康ツアーのいろいろ

健康ツアーを3つに分類してみたい。第一に、現在健康であると答えた大半の団塊世代が、さらなる健康増進を目指す"ウェルネス・ツアー"。ウェルネスとは「心身ともに健康な状態であること」と言われている。大相撲で活躍中の新大関琴欧州の出身地ブルガリアは、スパの数が約500とドイツの約300 を上回り、日本に次いで世界第2位であるが、当地のスパを巡るツアーなどが考えられる。
森林浴やウォーキングなども、道路が整備されているヨーロッパ等旅先で行えば気分転換にもなり、シューズ一足持参するだけでできる最も気軽な健康力向上運動である。美しさを求めるツアーもこのカテゴリーに入る。

第二に、"健康管理ツアー"であり、予防のためのボディーチェックが主たる目的となる。医療機器の整備された環境で検診を受ける人間ドック・ツアーとか、すでに九州各地や北海道、さらには韓国に向けて実施されているPET(陽電子放射断層撮影法)検診ツアーなどがこれにあたる。高料金ではあるがPETによるガンの早期発見率は、MRIやCTより高いと言われている。

第三は、生活習慣病などを治癒する目的の"セラピー・ツアー"である。このケースでは、こだわりの団塊世代ゆえ、プロのアドバイスに加え、効果が数値エビデンスとして提供されることが望まれる。
個人個人のメディカル・データに基づいた「体質改善プログラム」を作成してもらい、旅先にて実行するのも団塊世代には受入れられるのではないか。例えば健康回復のためのダイエット・ツアーにて、目標を設定し達成できるまで現地にて頑張る。スパは主に第一の分類に入るが、連載第3回にて触れたドイツなどでは、療養の歴史も長く当目的でもOKである。「薬膳料理」ツアーもアピールするかもしれない。
北海道のほぼ中央に位置する上士幌町では、地域再生も兼ねた「スギ花粉リトリート・ツアー」が試みられている。沖縄と同様スギの木が存在しない環境で、スギ花粉症の人々に一定期間療養してもらうのがネライである。科学的根拠に基づく実績を示したいとしている。将来的には、特に団塊世代には移住も勧めたいとのことであるが、ここまでくるとツアーではなくなる…。 (太田正美)                   
                              

<参考資料>
「団塊の世代の活用についての調査報告書」(東京都産業労働局)
「見えない若者市場より見えている団塊市場を狙え!」(井徳正吾 はまの出版)
「観光」(2005年8月号)
「HOPEレポート」博報堂エルダービジネス推進室(web)
「Bulgaria Travel Bureau」(web)
「LOHAS CLUB」(web)


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