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| 第7回 景観・まち並みを楽しむ 2006.1.20 ① まち並みを楽しむ まもなく「時間」を手中にする団塊世代には、観光バスにて主要な観光スポットを大急ぎで見て回るツアーではなく、歩きながらゆっくり景観・まち並みを堪能するスタイルが、より好まれるものと考えられる。「歩きながら…」は前回のテーマ「健康」と「景観」を同時に手に入れることができ、一石二鳥となる。また、ガイドブックには記載されていない美しい場所の発見、地元の人しか知らないまち並みを発見することになるかもしれない。 長崎市でも、単にグラバー園と平和公園だけ見て、まちを通過されてしまわないようにとの趣旨から「長崎さるく(注、ぶらぶら歩きの意)博'06」を予定している。歩いて長崎のまちを見て回るコースが42も用意されているが、この中「長崎通さるく」31コースは地元のガイド付きである。団塊世代にとってはガイド付きが、彼らの旺盛な好奇心を満たすのではないか。歴史背景などの解説を聞きながら、まち並みを楽しみたい。
② 景観づくりを学ぶ 中核都市は、さまざまな景観施策が可能な「景観行政団体」に自動的になるが、その他の市町村は申請しなければならない。2005年9月現在、124市町村が景観行政団体となっているが、75市町村は自ら手を上げている。その中、滋賀県の近江八幡市は全国にさきがけ、景観づくりの基本計画である「景観計画」を策定した。人口69,000人であるが、市内には35ものまちづくり市民団体が存在する。1972年八幡堀の埋め立てを回避、その後堀を浚渫し景観を整備したことでも知られるまちである。また、「水郷」は重要文化的景観第1号に選定されている。 団塊世代の多くは地方から首都圏をはじめとする都市部に出てきた。定年が近づいてきた現在、相当数が故郷に帰り、その景観づくりに寄与するとすれば素晴らしいのではないかと思われるが、各調査によれば帰郷予定者はほとんどいないのが実態である。
③ 世界遺産に触れる 景観を楽しむツアーの典型的なものは、ユネスコの世界遺産訪問である。2005年現在登録された世界遺産は、文化遺産628、自然遺産160、両者をミックスした複合遺産24の合計812物件である。最近は審査が厳格化しており、原則として各国年1物件の推薦しかできない。参考までに、日本では最新の知床を含め13物件が世界遺産に登録されており、今後推薦予定の暫定リストには、石見銀山等4物件が記載されている。 文化遺産の登録基準には、「人間の創造的才能を表す傑作であること」とか、「景観に関する優れた見本であること」などが定められていると同時に、登録以後の維持管理についても厳しく要求しており、どの物件の景観も見る人々に感動を与える。ちなみに、維持管理状態が望ましくない物件は、登録を抹消されることもある。団塊世代にとっては、事前に十分学習し、現地においてはできれば個別にガイドを付け、その場で疑問を解決しながら、時間をたっぷり取ってこれらの一級品に触れることは大変興味深いものとなる。ただし、何せ812物件と数が多いため自分なりのテーマに基づき訪問先を絞り込み、数年先までの世界遺産ツアー計画を立てるのも一考に値するのではないか。 さらに、世界の景観・まち並みをエンジョイするツアーとしては、ナショナル・トラストが管理しているイギリスの200以上の建物と248,000haの土地、146の「フランスで最も美しい村」、戦後計画的にまち並みが復興されたドイツの都市、過去約半世紀にわたり「タイディタウン(美しいまち)・コンテスト」が全国規模で実施されているアイルランドの歴代コンテスト優勝のまちや村等々、ヨーロッパ各地への訪問が考えられる。ヨーロッパの景観は歴史も長く、学ぶところ極めて大である。まだまだ元気な団塊世代、可能な限り歩いてまちの美しさを味わいたいものである。(太田正美)
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