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団塊のツアーとは
 

 1. 団塊世代とは何か

2. ノスタルジー

3. スローライフ

4. 学習するツアー

5.夫婦単位

6. 健康力向上

7. 景観・まち並みを楽しむ

8. アクティブ

9. 社会貢献意識

10. ロングステイ

11.Quality of Life

12.本物志向

13.インターネット

14.環境問題

15.田舎を見直す

16.明確なツアーテーマ

17.新しいもの好き

18.蘊蓄(うんちく)の旅

19. 感動を味わう

20. アンチエイジング







第11回 Quality of Life
                                                         2006.5.20               

① QOL消費へ

団塊世代が今後重点を置きたい消費の1位、2位は、「自分の楽しみや趣味のための消費」、「精神的に豊かになるための消費」であり、それぞれ66%、50%を占めた。さらに「より健康になるため」「休息・癒しのため」「安心・安全を得るため」が上位に挙げられている(凸版印刷2005調査)。より実利的な消費の比重が高い一世代前のシニア層と比較すると、団塊世代は精神的な満足感、生活の質(Quality of Life=QOL)向上を目的とした消費マインドが強いと言える。

団塊世代による退職前後からの消費押し上げ規模は、約7.8兆円と推計されているが、不動産関連が最も多く約4.1兆円である。その中の相当額がリフォームに使われると予測されるが、目指すところはより快適な、くつろぎの住空間の実現であり、QOL消費とも言えるのではないか。旅行関連消費は約1.1兆円と推計され、不動産関連に次いで多い(電通消費者研究センター2006調査)。

一方、例えば自動車の買い替えについては、団塊世代は極めて慎重であり、むしろ今後抑制したい消費の2位となっている(日本自動車工業会2005調査)。
かつては車に代表される耐久財の消費を牽引してきた団塊世代ではあるが、今後は物質的なものから、より精神的なものへと、消費のトレンドの舵を大きく切るものと推察される。
「生活用品の満ち溢れた暮らしより、花で囲まれた生活を望む」、「高級車に乗ることをステータスと感じない」、「かつての夢を感動に変えたい」等々、自分たちの生活の質を高めることに、興味の中心が移っていくのではないか。


② 心の豊かさを追求する

Quality of Lifeとは、元来医療分野において使用された言葉であり、終末期患者の残された人生を充実させることを意味していた。最近では「人々の生活を物質的な面から量的にのみとらえるのではなく、精神的な豊かさや満足度も含めて、質的にとらえる考え方(三省堂・大辞林)」として広く使われている。
「心の豊かさ」、「ゆとり」、「癒し」、「生きがい」、「安らぎ」…などがキーワードであり、定年前後から団塊世代はこれらを求めて、自分は今後どのような生き方をするのか、どう自己再生するのかを模索していくことになる。
人生を楽しみながら、心の充足感(Personal enrichment)を感じ、感動を味わうことのできる尊厳ある生活を理想に掲げることにもなる。

具体的には、好きな音楽を良質な音響環境でゆったりと聞きながら、心豊かに毎日を過ごすことも「質」重視のライフスタイルである。昔の仲間や会社を離れての仲間たちと団塊バンドを結成し、演奏を楽しむことも然りである。元来、楽器にはうるさい連中である。
自宅の塀をブロックや人工物から低い生け垣に変えるとともに、オープンガーデンとして通りがかりの人々に四季変化する庭の花々を見せることも、その気になれば簡単に実現でき、ひいては自分への励みとなり生活の質向上につながる。広い庭を持つ団塊世代はターシャ・テューダー(Tasha Tudor=アメリカの人気絵本作家、園芸家としても有名)のガーデンを目指すのもよい。

 

③ QOL実感ツアー

生活の質レベルアップの参考とするためには、それが高いと言われる都市を訪問し、しばらく滞在することも一考に値する。
世界各地にオフィスを持つマーサー・コンサルティング社は、毎年「世界の生活の質調査」を実施しているが、全215都市の中で2006年度の第1位となったのはチューリッヒ。次いで、同じスイスのジュネーブ、以下バンクーバー(カナダ)、ウィーン(オーストリア)、オークランド(ニュージーランド)と続く。政治・社会・経済的要素、自然環境、安全性、医療と健康、教育、住宅状況等39の項目より、ニューヨークを100.0として評価している。個人個人の感じ方とは異なる点もあるが、一つの客観的なベンチマークとして見ることはできる。
一般的にヨーロッパ各都市の評価が高く、上位30都市の半数を占めている。参考までに米国のトップはホノルルで全体の27位、異論があるかもしれないが日本では東京の35位が最上位である。

カリフォルニア州立大学の地理学者ブランドは、著書「Retire in Style(2005)」の中で、米国とカナダにおける引退後住むのに適した60の都市を紹介している。こちらは景観、気候、生活の質、生活コスト、地域サービス、ボランティア活動など12項目につき評価している。ビクトリア(カナダ・ブリティッシュコロンビア州)、ポートランド(オレゴン州)、ボールダー(コロラド州)が上位3都市であるが、総合評価点より自分が重視したい項目の評価点を見る方が良いとしている。「これまでの退職者」が好む都市の象徴が、フロリダなどの温暖な所とすれば、ブランドが対象としているのは、「これからの新しい退職者」であると言われている。日本に置き換えれば「団塊世代」ということになる。


前回レポートにて取り上げたロングステイが可能であれば、良質な生活を実感できる、より良い方法であると思われるが、短期旅行でもその雰囲気を感じ取ることは可能である。
主として良質な住環境とこれをベースとしたライフスタイルを望む場合には、ヨーロッパの家庭を訪問するのが良いかもしれない。友人・知人を招いてのホームパーティ、ゆったりと時間が流れる近隣カフェでの交流、ストレスからの解放感の味わい方など、現地で学ぶことは少なくない。良質で安全な食生活をQuality of Lifeの中心に考える団塊世代は、食材を求めるツアーなどに興味を示すかもしれない。(太田正美)
                                                                      

<参考資料>
「凸版印刷㈱ 消費行動研究室」(web)
「㈱電通 消費者研究センター」(web)
「Mercer Human Resource Consulting」(web)
「California State University」(web)
「見えない若者市場より見えている団塊市場を狙え!」(井徳正吾 はまの出版)

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