ギョレメ・パノラマ
交通の便の余り良くない地域に史跡や見所が散在していて、公共交通手段はバスとドルムシュしかないし、その運行頻度たるや観光拠点の町の間を除けば、日に指折り数えるほどである。時間に制約された旅行者には、ツアーを選択するかレンタカーするかの選択しかない。九十九折れの道、判り難い道路標識をおして運転するか、君子危うきに近寄らずか。MさんのY旅行社のツアーを躊躇することなく選択した。ツアーは気侭に行動できないし、土地の人々との接触の機会も減るがやむをえない。カッパドキア南部の見所を廻るツアーは、ギョレメのY旅行社の前から出発する。トルコ人女性、韓国人学生(殆どが女性)に混じりミニバスに乗り込み、先ずギョレメ・パノラマに向かった。
火山の爆発で出来た台地が長年にわたり侵食され、峡谷を生み奇岩群を生んだ。火山灰から出来た岩(凝灰岩)は柔らかく水を吸収しやすいのだという。硬い岩石部分が残り、この奇怪といえば奇怪、メルヘンチックと言えばそうとも思える円錐状、きのこ状の奇岩の集積が形成され、軟質な部分はナイフで切り取ったような峡谷になった。ツアーは先ずはこの特異な地形を俯瞰してもらおうと、このギョレメ・パノラマ即ちギョレメ展望台から始まったのである。ここはギョレメ近郊の切立った高台で、ギョレメ一帯を眺望できる。
ギョレメ一帯①
ギョレメ一帯②
ギョレメ一帯③
ギョレメ一帯④
ギョレメ一帯⑤
ギョレメ一帯⑥
エンジェルス山①
彼方にエルジェス山(3916m)。西の高台から北東にかけて台地が様々に侵食され、谷を刻み、その谷に硬質の岩石が残って奇岩が林立し、一部の奇岩は住居や教会として利用された。中でも特異な形状の岩には、「妖精のチムニー」(日本に在れば松茸岩と名付けること必定)などといった名が付いている。太陽の光が谷に鮮明な陰陽をつけ、陽の奇岩群は浮き立ち、陰は沈む。そして北に向かって下るにつれて凹凸はなだらかに平地になり開ける。
エンジェルス山②
中国の雲南省、昆明の近郊に、ここに似た「石林」がある。石灰岩が侵食されて出来た奇岩が林立し文字通り石林を形成しているが、岩石が硬質で崩れると言った感じが薄いが、カッパドキアは、如何にも褐色の砂が固まったという感じで、一雨来る毎に形が変わるといった脆さがある。100年もすればだいぶ様相が変わってしまうのではなかろうか。韓国人学生達は、崖縁に危なげに立って、手はVサイン、嬌声を上げながら記念写真に夢中である。彼らを見ていて、何となく危なっかしい、「可愛い~」を連発する若い日本の女性達を思い起こした。親に依存して生活の苦労を知らず、それゆえに今を楽しむ刹那派で世間がどう変わろうと頓着しない。そんな女性達をこの学生さん達にも見たような気がする。勿論日本の若い女性たちの全てがそうだと言っているわけではない。(続)
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