日本政府はビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の下、”外国人旅行者訪日促進運動”を行っています。数値目標として2010年までに1,000万人の訪日外国人を得ることです。日航財団は日本政府が重点市場として指定した地域12カ国の内、7カ国から毎年夏に大学生をJALスカラシップとして受け入れる一方、3カ国から大学生の財団での企業研修を1年単位で受け入れております。又、政府の観光促進運動に呼応しつつ、ツーリズム研究の一環として、これら研修生の目を通して「日本の観光資源」を調査、紹介しています。


今回の訪問先は、東京の下町を代表する商店街、武蔵小山商店街と戸越銀座。きっかけは、韓国よりの研修生、朴さんの「韓国にはアーケードのある商店街はなく、日本のアーケード商店街はとてもおもしろいです。」の一言。

大型ショッピングセンターに慣らされた我が身にも、商店街はとても新鮮で、ほっとした気持ちになります。日本人のくらしがより身近に感じられる場所、商店街はインバウンドのデスティネーションとして、特にリピーター向けに、注目してよいかもしれません。

武蔵小山商店街は2つのアーケードが売り物。戸越銀座は全国に点在する「~銀座」の第一号とのことです。

3人の研修生たちは、火曜日の午後、隣接する2つの商店街のそぞろ歩きを楽しみました。 その眼に写ったものは?


■ 実施日 2009年5月26日
■ ルート 武蔵小山商店街、戸越銀座
■ 財団研修生    
Miss SunHee Park(朴 宣姫) 梨花女子大学 『武蔵小山と戸越銀座』
Miss.Shuo Zhang(張 碩) 北京外国語大学 『武蔵小山・戸越銀座』
Miss.Teresa T.Q.Trinh 西シドニー大学 『東京の小旅行  -武蔵小山商店街、戸越銀座』


武蔵小山と戸越銀座

朴 宣姫

 昔、家族と高円寺に住んでいた時、私が町の中で一番好きだったのは商店街だった。週末ひまな時は家族と一緒に散歩によく出かけたところである。高円寺駅から新高円寺までずっと続く商店街は途中まではアーケードがあるが、その次からは屋根がないままお店が並ぶ。焼鳥屋やたこ焼きのお店などもあって、いつもそこを通るたび美味しそうな臭いでたまらなくなった記憶が今でもある。また、高円寺の商店街は古着屋が多くて、若者たちにも人気があるスポットらしい。最近は東京の旅行ガイドブックにも出ているらしい。

 韓国には室内のショッピングモールはたくさんあるが、日本の商店街みたいに町の中に長く続くお店はあまりない。そして私は個人的にこんなにさまざまな色をもっている日本の商店街にお出かけするのが大好きだ。


 今回訪ねてみた武蔵小山の商店街と、その後に続く戸越銀座商店街は歩くだけで2時間以上かかる長い道。実は、武蔵小山商店街は東京で一番長いアーケード商店街であるし、戸越銀座商店街は約1.6km、日本で2番目に長い商店街*として知られている。2ヶ所とも住宅とマンションが多くて、すこし庶民的ではあるが、'きれいな所だ'という印象が強かった。特に武蔵小山商店街にはなぜかラーメン屋が多い。もちろんラーメン屋以外にも魚屋、果物屋、八百屋などがいっぱいある。時間もちょうど昼の後だったので、お買い物に出ている主婦も多かった。その中でもやっぱり私の目を引いたのは焼き鳥の臭いとコロッケの油の臭い。私はいつの間にか買って帰りたい物がいっぱいできてしまったが、自分に我慢、我慢と言い聞かせながら歩き続けた。


 戸越銀座は武蔵小山商店街と違って、屋根がついてない。ここはあまりにも長くて三つに分かれている。途中に信号が二つあって、最初から始めの信号までが第一商店街、次から二つ目の信号までが第二商店街、そこの次から最後までが第三商店街になっているのだ。お店は普通の商店街と違わない。一つ面白いお店はミルクを売っている所。明治牛乳配達所みたいな所だが、そこから直接牛乳を買う事もできる。私はちょうどのどが乾いたのでイチゴミルクを飲む事にした。ス-パ-で売っている物と全く同じなのに、もっと美味しく感じたのはなぜだろう。


 私は海外旅行に行くと必ずそこのス-パーと市場に行く。ス-パーと市場はその国の食文化やその国だけの雰囲気が感じられる最高の場所だと思う。もし外国人が日本に来て日本の一般生活を味わいたいのであれば、私は日本の商店街をぜひおすすめしたい。昼間に揚げ立てのコロッケ一つを食べながら楽しむ日本の商店街はきっと他のところでは得られない日本ならではの、のんびりした気分をくれるだろう。


以上

 *日本で一番長い商店街は、大阪の天神橋商店街。約2.6km

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武蔵小山・戸越銀座

張 碩

 5月26日火曜日、午後二時、三人の研修生でフィールドトリップに出た。今回の目的地は武蔵小山商店街と東京で一番長い商店街、戸越銀座だ。

 武蔵小山駅をでて小山台高校をみたあと、アーケードのついた武蔵小山商店街に入った。

 太陽の光が、ガラスでできているアーケードを通して、柔らかく照らしている。明るくて天井が高いアーケードの下を歩くのが心地いい。ここはファッションを求めるお客さん向けの洋服店やアクセサリー店のほかに、日用品を安く売る店や、花屋、パチンコ屋がある。この他に飲食店もたくさんある。まさに、どんな年齢層のお客さんにも向いている商店街だ。

 武蔵小山商店街を出て、戸越銀座に行く途中に、道端で変な格好をしているモデル人形があった。坊主頭で青いサングラスと白いマスクをつけて、背中に大きい麦わら帽子をぶら下げている。
そしてあまりにも派手な柄のコートと太くて長いズボンと大きい黒いレインブーツ。そんな格好のモデル人形はなんと手に可愛い女性用の扇子を持っている。どう見ても不似合いの格好だ。面白いなあと思って良く見たら、モデル人形の隣に作業服と書いてある看板があった。「なるほど!」と納得した。

 戸越銀座通りの看板を行き過ぎると、両側に軒を並べる店が目に入った。いろいろな店が集まっているので、大変便利だと思う。日用品や食料品の店はもちろん、電気製品店や靴修理店も見えた。不思議なことに、お好み焼きが中に入っているタイヤキがあった。そして、日本振興銀行の前でマスコットの人形が目に入った。さすが漫画大国の日本で、銀行にもマスコットがあるなあと感心した。

(写真)武蔵小山商店街と戸越銀座

 この商店街はかなり長いという覚悟はあったにもかかわらず、実際に歩いてみると、やはり驚いた。半分ぐらいきたところで、もう疲れを感じ始めた。どこまで続くだろうと思いながら、店をみながら歩きつづけた。商店街の終わりを見た途端、山の頂上に着いたような気持ちになった。

 戸越銀座は新宿のような大きいデパートや有名ブランドの店がないが、もっと日常生活に近いと思う。地元の人に愛され、支えられた、生き生きとした商店街である。


以上

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東京の小旅行 -武蔵小山商店街、戸越銀座

トリン・テレサ

 研修生のために、東京の二つの有名な商店街をおとずれる小旅行が計画された。

 武蔵小山駅をでて5分歩くと、東京都立小山台高等学校に着いた。

 その時は、あいにく工事中だったので、高校の建物と運動場をはっきり見ることができなかった。でも、学校の白い建物と広い運動場をちらりと見たら、私の高校を思い出し、「もう一度、学生になれれば、いいなあ」と思った。でも、たぶん一日だけで十分だと思う。

 小山台高校を訪れた後、皆で最初に武蔵小山と言う商店街を歩いた。 商店街の方に歩きながら、その辺はあまり人がいないことに気付き、とてもびっくりした。東京の人込みばかりを歩いていたので、ぶつからないでゆっくり歩けるのは本当に楽しかった。

 武蔵小山商店街へ近づくと、私たちの方へおいしい食べ物の香りがただよってきた。入り口に着くとたくさんの飲食店と飲食店に勤める人がいろいろな食べ物(例えば、やきとり、ぎょうざ等)を造っているのが見えた。


 入り口から、アーケードのトンネルが二つに分かれて、それぞれ高いガラス天井にカバーされていた。かなりの人がアーケードで買い物をしていたが、込みあっている感じではなかった。


 最初、右アーケードのトンネルを探検したが、100円ショップ、薬局、果物と野菜のお店、花屋、日本らしい小物のお店、ゲームセンター、レストラン、カフェ、特産品のお店のような、いろいろなお店を見ることができた。もっと奥の深い左アーケードのトンネルには、右アーケードのトンネルと同様のお店が並んでいた。お店の品の値段にちょっとびっくりした。私が以前いった東京のスーパーより、商店街の日用品は、食べ物、電気製品、花、果物と野菜、薬など、すべて安かった。これらの品を少し買いたい誘惑にかられた。武蔵小山商店街には値段の安いお店がたくさんあるし、買い物するには、とてもお得な場所だとおもう。特に地元の人には。

 武蔵小山商店街から出て、次に東京の有名な商店街戸越銀座に行った。武蔵小山商店街の雰囲気もよかったが、戸越銀座にはもっと本物の感じがあった。


 かざりのない戸越銀座の銀色のサインを見てから、商店街に足をふみいれた。そのめだたないサインからは近くに一キロ以上商店街があるとは想像できなかった。

 戸越銀座の最初の方はとても静かだった。あまり買い物をしている人を見かけなかった。しかし、戸越銀座の中心に行くと、雰囲気はもっと賑やかになった。戸越銀座ではゆっくり散歩ができ、いろいろな物を見ることができ、楽しかった。


 武蔵小山商店街と同様に、果物、野菜、日本のおかしとおせんべい、花、肉、魚などを売るたくさんお店があった。又、薬局、小さなブティック、床屋、ビューティーサロンもあった。

 戸越銀座の最後に古風な牛乳だけを売るお店があった。牛乳屋のおかみさんはお店の外に立って、氷で冷やされたあっさりした味わいのミルクを小さな瓶にいれ売っていた。ミルクだけを売るお店が見つかって、びっくりした。私の印象では、ミルクはいつも冷蔵庫で冷やされ、普通はスーパーあるいは様々の飲食店で売られる物と思っていた。


 又、戸越銀座の両側に緑の金属の街灯がある。その街灯は古くて、本物の感じを与えていた。買い物をする人のために、アウトドアオーディオスピーカーがいつもさまざまのクラシック音楽を流していた。


 さらに、商店街を横切る戸越銀座駅と鉄道はこの辺のクラッシックな雰囲気をいっそう強めていた。これらの要素が一緒になって、この商店街は東京にいることを忘れさせてくれる。


 二つの商店街を訪れ、東京にはいろいろ違う買い物体験ができる場所があることがわかった。スーパーやデパートのあわただしい買い物より、商店街での買い物体験は、よりゆっくりとしたペースで買い物ができて、もっと面白く、楽しい。


 普通のショッピングセンターより、混雑していなく、手ごろな値段の品物があり、武蔵小山商店街と戸越銀座は訪れる価値がある所だと思う。


以上

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