日航財団ツーリズム 研修生の見た日本の観光地 > 羽田整備場見学


羽田整備場見学・安全飛行を支える整備士たち

2010年4月28日
沈 美玲


 財団の吉田さんに引率していただいて、26日の午後にJALビルから羽田整備場に向けて出発した。この前「ふれ愛の翼」に参加した時は高知と長崎の子供と一緒に見学したことがあるけれど、子供たちにいろいろ気を配っていたため、ゆっくりと説明を聞く余裕がなかった。ですから、二回目の見学にも関わらず、ずっと前から心待ちにしていた。


 JAL整備場見学ホールに到着した時は見学者の多さにとても驚いた。平日にもかかわらず50人あまりの方々が集まり、大きな部屋を埋めていた。隣の教室も見学に来た中学生で満席になり、ビルは子供から年配者まで様々な人たちでにぎわっていた。これを見て、飛行機は年齢に問わずいつでも大人気だなと強く感じた。


 最初に見学ホール内で飛行機の飛行原理に関するプレゼンテーションがあった。ウイングやエンジンの縦断面をスクリーンに映し出して、空気の動きを丁寧に説明してくださった。実際の現象をイメージ化しながらお話を進めてくださったので、とてもわかりやすかった。そして、アイスランドの火山噴火による空路の大混乱などの話題も交えて話してくださり、非常に勉強になった


 それからはM1ハンガーに移動し、機体の塗装や客室の分解整備などを見学した。塗装用のペイントは匂いがするので、担当の整備士たちは夜に出社して朝の5時まで仕事をする。そうすると、通常の出勤時間8時までにはペイントの匂いが大部弱まってきて、他の整備士は作業をすることができるようになるとのことだ。機体の塗装は全部手作業で行われているので、その細かさに大変感心した。それだけでなく、錆びをチェックする際は客室の座席からトイレまで一つ一つ分解して点検しなければならない。一見面倒そうだが、お客様の安全を確保するためにJALの整備士たちは毎日このような緻密な作業を繰り返している。


 説明が終わってから、私たちは連絡通路を渡ってM2ハンガーにやってきた。そこの格納庫は扉が開けてあったので、滑走路を見渡す壮大な景色を目にすることができた。プロの説明を聞きながら飛行機の離陸を観察し、とても気持ちよかった。そして、羽田空港を飛んでいるたった一機のエコジェットにも出会えて、ラッキーであった。このエコジェットはほかのJAL機と違って尾翼が緑になっていて、皆に環境の大切さを呼びかけている。


 これで整備場の見学が終わった。短い時間だったけれど、飛行機に関する知識をたくさん勉強できた。それでもやはりもうちょっと見てみたいので、吉田さんと一緒に羽田空港へ行って、頂上の展望デッキでしばらく飛行機を観察した。そこで活躍しているのがやはり整備士の服を着たJALの社員たちであった。黄色いラケットのようなものを振って機長に合図を送るマーシャラーがいたり、たくさんのコンテナを積んだ長い搬送車を器用に運転したり、ずっと忙しそうだった。眩しい日差しのせいであっという間に汗びっしょりになった私は、一所懸命に働いている整備士たちを見て、その仕事の大変さを感じ取った。このような苦労を惜しまずに努力してくれる人たちがいるからこそ、私たちは航空機によって距離を乗り越え、様々な交流ができるのである。そう思うと、いろいろがんばってくれた整備士たちに感謝の気持ちでいっぱいになった。


以上



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