◆講評 中村 忠男 審査委員長
芭蕉は、俳句は7歳の子にさせよと言ったそうですが、子供たちの俳句には飾り気のない純粋な気持ちや感動が表現されています。今回のテーマは祭でしたので楽しい句が多かったのですが、素直すぎて似たような作品も多くありました。そうした中で、こどもが自分で捕えた光景やそのときの気持ちを自分なりの表現で素直に詠んだ句が審査員の高い評価を得ました。大賞の中に、審査員4名のみならず予備審査に当たった事務局スタッフ2名の6名全員が推薦した句が二つあり、絵も合わせてとても楽しい作品でした。「地球歳時記」に掲載されるのが楽しみです。なお、優秀句の中で惜しくも大賞から外れた句や、最後まで優秀句の候補となっていた句が30句ほどありました。また、審査員全員の推薦で、点字で応募された作品に特別賞を贈ることとなりました。俳句の輪がますます広がっていくことを願っています。
◆講評 宮下 惠美子 審査委員
4歳から15歳までの小さな俳人たちから送られてきた作品からは、確かに子どもの視点というものを感じました。何を見て、何が聞えて、どんな匂いがして、何をやっていたのか、子どもたちにとっての「お祭り」はこれなのだという確かなものを作品群の中に見せていただきました。夜店の句や買い食いの句には、普段とは違うわくわくするお祭りの夜の感じがよく出ていましたし、太鼓や笛の句には思わず踊り出したくなりました。沢山ありました花火の句には様々に工夫をこらした絵が添えてありました。全体として絵にも力作が多く、中には点字の作品もあって、子ども達の豊かな表現力を嬉しく思いました。短い句の中に作者の気持ちが汲み取れる作品を選ばせて頂きました。
◆講評 大高 翔 審査委員
それぞれの作品から、たくさんのお祭りの情景が見え、たくさんの笑顔や楽しい声が聞こえてきました。
過ぎていくお祭りの一瞬を、絵と俳句で捉えることで、確かな瞬間となり、作者の心に残ります。
それだけでなく、誰かの心にも、その瞬間を伝えることができます。
皆さんの描いた楽しい瞬間に、元気をもらいながら選句をしました。 次回も素敵な作品を楽しみにしています。
◆講評 野地 陽子 審査委員
今回のテーマは祭でした。地域伝統の祭、学校行事の祭、町内の祭などなど、春夏秋冬にわたる祭の句と絵が沢山寄せられ、様々な日本の祭の様子を居ながらにして楽しむことができました。子供たちがそれぞれの祭の体験のなかで発見した楽しさ、高揚感、感動を素直な目線で詠んだ句が数多くあり、童心に返りながらの選句でした。低学年の句にはお父さん、お母さん、妹、弟と家族が登場する句も多く、子供たちにとって家族が大きくて大切な存在なのだと感じました。句に添えられた絵も、クレヨン、水彩、貼絵、折紙、と色々で、子供らしい伸び伸びした作品が数多くありました。この豊かな感性が未来に向かって大きく育って行ってほしいと願うものです。最後に大賞、入賞句に選ばれた50句以外にも数多くの素晴らしい作品がありましたことを申し添えておきます。
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