JAXA・空へ挑み、宇宙を拓く
2010年5月13日
沈 美玲
4月のテレビニュースでよく見かけた姿は政府官僚を除いたら山崎直子さんという方であろう。日本人女性2人目の宇宙飛行士として今年の4月5日にスペースシャトルに乗って宇宙に入り、そして同月の20日にミッションを終えて無事帰還した。今回の搭乗は全日本から高い関心が寄せられ、宇宙ブームにまでになった。
この熱いブームに乗って、今月の10日に財団の花岡さんと一緒に山崎さんが所属するJAXA宇宙航空研究開発機構の調布航空宇宙センターへ見学に行った。今回の研修をいろいろ手配し、そしてガイドしてくださったのが元日航財団のスタッフ中島さんであった。
最初に向かったのは展示室にあるスペース・ミッション・シミュレータである。宇宙往復機を操縦して、宇宙ステーションを経由して月に着陸し、そしてまた地球に戻ってくる設定となっている。子供や年配者でも簡単にできるように、いろいろ配慮し操作を省いたそうである。それからは中島さんに説明していただきながら展示品を見学し、高強度かつ低重量とされる最新の炭素繊維入りの複合材料を手で触ることができた。中に一番印象的だったのが風洞体験というコーナーであった。その機械は空気を圧縮して平行の金属網に流すことで空気の動きを整えて人工的に風を作っている。風の出口に飛行機ウイングのようなものがあって、角度を調整することによってウイングがどのような動きをするか実験してみることができる。翼が上向きならば上昇する、下向きならば下降する、そして風速の違いによって上下の移動スピードが違ってくるなど様々なことを直接目で見ることができて、より理解が深まった。
本部の見学が終わってから、中島さんに調布航空宇宙センターの飛行場分室へ連れて行っていただいた。そこで飛行シミュレータ設備の中で模擬飛行を体験させていただいた。電源を入れるとスクリーンに関東地方の三次元映像が現れ、ハンドルの操作によってあるべき画像を反映してくれる。これは実際の航空機のデータを用いて計算して再現したものである。操縦してみたら、そのあまりのインパクトに感動した。本物のパイロットになった気分で空を旅したためだろうか、より一層飛行機を好きになった。
いただいた資料から今中島さんが所属するJAXA航空プログラムグループでは静粛超音速機や極超音速機の技術研究開発を行っていることがわかった。さらに、太平洋を2時間で横断できるマッハ5の極超音速機のシステム実証や開発を進めているらしい。19,900キロメートルもある長い距離をたったの2時間で渡れるなんて、素晴らしい話だと思う。科学技術が急速に発展している中、それはもう夢ではなかろう。
「宇宙とともに生きる未来のために。無限な可能性にせまることがJAXAの使命です。」パンフレットの冒頭にこのように書いてある。先進エリアで活躍している優秀な科学者が大勢いるからこそ、JAXAは今まで数え切れない成果をあげてきた。今後の空や宇宙への冒険の中で、JAXAのエリートたちのより一層のご活躍を心待ちにしている。
以上
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