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マナーセミナーの研修レポート
北京外国語大学3年生 韓 璐
3月8日と9日、私は、JALアカデミーコミュニケーション事業部が主催するマナーセミナーに参加させていただいた。今回のマナーセミナーは企業におけるマナーをテーマとしている。一日目のコースの主な内容は「オリエンテーション」「客観的に見る自分の姿・話し方」「社会人としての基本的なマナー」「T・P・Oに合わせた言葉遣い」「ビジネスマナーの基本」で、二日目のコースは「ウォーミングアップ(前日の復習)」「見えない相手とのコミュニケーション」「会社を印象づける来客応対・訪問マナー」「職場で生かすセミナーの成果」「フィードバック
目標設定・発表」から構成される。
マナーセミナーの最初、講師はマナーセミナーの目的を明らかにしつつ、マナーの重要性を説明してくださった。マナーは企業のES(従業員満足)とCS(顧客満足)と深くかかわっている。社員一人一人がマナーに従って行動すると、お互いにコミュニケーションが取れるようになり、それによって、ESの向上が可能となり、されにCSを高めることにつながっている。
ビジネスマナーの重要性の説明が終わって、早速VTR録画による自己診断のコーナーに入った。参加者は一分間でひとつのテーマをめぐって一人ずつ発表し、講師はそれを録画して、全員が終わった後で、VTRに基づいて指導してくださった。自分のVTRを見るのがかなり恥ずかしかったが、非常に役に立つと思った。客観的な角度から自分を見直すことができて、普段自分が注意していないところに初めて気づいただけではなく、全員のVTRを見ることによって、ほかの参加者の強みとよいところも学べて、共通の問題点もみんなで解決できたので、とても効果的だと感じた。
それから、基本的なマナーの説明と練習が始まった。マナーには「挨拶」「表情」「身だしなみ」「言葉遣い」「態度」と五つの基本ある。その五つの基本を知った上で、相手に尊敬することを自分の行動に反映させるのは本当のマナーといえる。一見すれば、簡単にマナーの基本をマスターできそうだが、実は細かいところに気を配らないとできるわけがないと身にしみて感じた。たとえば、ストッキングに関して、伝線とたるみのないストッキングをはくのは当然のことだと思っているが、ストッキングの予備を持つべきだということにびっくりした。講師の説明を聞いて、自分の甘さを改めて認識し、よい雰囲気になれるように、これからこうした小さなポイントをきちんとチェックしていこうと思った。
続いて、講師は以上の五つの基本の中で言葉遣いを取り上げて、いろいろと説明してくださった。まず、丁寧語を尊敬語または謙譲語に変える練習と職場で望ましくない用語を望ましい用語に変える練習だった。学校で敬語の使い方を勉強したことがあるので、きっと正しい表現に変えられると自信を持っていたが、実際に書くと、問題がかなり出てしまった。ただ丁寧語を尊敬語か謙譲語に正確に変えるだけは十分ではなく、適切な表現にするために、いろいろなクッション言葉を加える必要があるということを初めて聞いた。たとえば、「また来てくれますか」を望ましい用語に変える場合、ただ「またお越しいただけますか」に変えるのは間違いではないが、完璧とはいえない。「ご足労をおかけいたしますが」というクッション言葉を最初に入れたほうがより適切である。敬語を覚えて正しく使えることが終点ではなく、言葉を通じて、自分の尊敬の意をちゃんと相手に伝えるのが一番大切ではないか。次に、二人一組で指示の受け方と報告の仕方のロールプレーをした。指示を受けることと報告は職場において、不可欠な部分なので、この項目の練習は本当に勉強になったと思う。練習を繰り返して、基本をつかめるようになった気がした。
一日目の最後は立ち姿、お辞儀、歩き方、物の授受、指し示し、案内など、ビジネスに必要な基本行動の指導だった。言葉遣いはもとより、体全身もマナーにふさわしく動くべきだ。これはまさに相手への敬意を自分の行動に反映させるというマナーの定義にぴったり合う項目だと思った。
二日目は一日目の内容を踏まえて、より高いレベルを目指すコースであった。マナーセミナーで、一番印象深くて、しかも難しいところは二日目の電話応対だった。ビジネスの日常的な一部とする電話応対の重要性はいうまでもないが、「電話が声のみのコミュニケーション」「一方的」「集音性」「コスト性」「記録性」と五つの特性を帯びる故、電話応対がうまくできるまでには練習と実践の積み重ねが如何に大事なのかを実感した。電話に出る時、予想以外のことが常に発生するため、応対の迅速さと柔軟性への要求は高い。たとえば、名指しの人が不在する場合の応対について、まず、その人が社内にいるかいないかという情報を相手に伝える。次に、相手の返事によって、必要な場合は、後ほど電話をかけるか、伝言を受けるなどの提案を出す。最後に、相手の会社名、名前、電話番号、伝言の内容などを確認する。以前、「会話」の授業でビジネス電話の練習をしたことがあるが、実際にさまざまな場面を設定して、グループで電話のやり取りをすると、想像以上難しくて、なかなかうまくできなかった。だが、講師が私の問題点を細かく指摘してくださって、同じグループのメンバーもいろいろと助けてくれたので、だんだん前へ進んでいると感じた。今、財団で電話を取っているが、やはり緊張して、よく間違えてしまう。うまくできるようになる自信がないが、電話を取ることを自分の日本語を磨くチャンスとして、学んだことを一つ一つ実践しようと思っている。
二日目のもうひとつの内容は来客応対・訪問マナーであった。講師は事例を挙げながら、名刺交換の仕方、席次の判断方法、紹介の仕方、お茶の出し方など、実用的な知識を教えてくださった。最後は、二日間のセミナーの締めくくりとして、全員は四人一組でビジネスシーンを想定したロールプレイングに挑戦した。不安の空気が漂っている中、メンバーの真剣な顔を見て、自分も結構緊張したが、録画を見て、一日目より少しだけ成長したとほっとした。
二日間のマナーセミナーは短いが、内容も豊かで、講師の説明もわかりやすかったので、充実した二日だった。マナー知識をたくさん吸収したのみならず、研修生としてこれからどうやっていくべきかということも少しずつわかってきて、自信を持つようになった。卒業後すぐ会社に入りたいから、どの会社でも通用するマナーを学ぶ機会をいただいて、本当にありがたく思っている。すべてのことを使いこなせるまでにはまだ程遠いが、一歩一歩着実にマナーを身に付けて、これからの研修にも、将来の就職にも、生かしていこうと決心した。
以上
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