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羽田空港JGST見学
研修レポート

張 洋



 5月23日、私は羽田空港に行って第66回CLM「まずやろう、HND JGST見学」に参加した。CLMは「communication leader meeting」の略称で、JALの各部門で働いている社員たちがコミュニケーションできる場を作り、企業風土改革の推進を図っている。私もJALの一員として、職場の雰囲気づくりに力を入れたいと思って参加させていただいた。様々な部門の方たちとの交流を通じて、「会社」という存在への理解を少し深めたような気がする。


 9:30に集合して、すぐオリエンテーションの時間。私たちはビデオを見ながら担当者の説明を聞き、JGST(JALグランドサービス東京)の仕事について勉強した。10時から本格的な見学が始まった。参加者は三つのグループに分けられて、ランプでのグランドハンドリングを見学した。難しそうな技術説明が時々あったのでよくわからなかった部分もあったが、乗客としてなかなか見られない現場に立って、見学中はずっとわくわくしていた。 


 まずは貨物基地の見学。飛行機への搭載作業などを見た。安全のため、従業員たちはどんな天気でもヘルメットをかぶって厚めのオーバーオールを着らなければならない。毎日毎日重い荷物を運んだり降ろしたりするのは大変だと思うけれど、一人一人汗を流しながら真剣な表情で頑張っている。日本人の仕事に対する情熱を垣間見たような気がする。それからは着陸したばかりの飛行機を近くで見学した。乗客が降りた後の機内に入ったのは初めてで、今までのイメージと全然違う雰囲気だった。従業員たちはそれぞれ決まった担当があり、速いスピードでお客様たちが使った毛布を回収したり、雑誌を決まった順番に片付けたり、新しいシートカバーを敷いたりして、絶妙な連携を見せてくれた。私たちも何かできることはないかなと思って、最初は手伝おうとしたけれど、素人があちこち触るのが逆に迷惑をかけると思ってあきらめた。やはりどんな仕事でも熟すには「職人技」が必要と実感した。


 機内の整理整頓を邪魔しないように私たちは再び地上に降りた。ちょうどいいタイミングで、飛行機の水を補給する作業が行われていた。乗るとき普通に飲んでいた水を少しずつ機内に入れるのをみて、「飛行機に水があるのは当たり前」と思っていた私はなぜか少し恥ずかしかった。どんな当たり前なことでも、実際に私たちが見えないところにはたくさんの人たちの努力があった。今日この作業を見て、今後飛行機の水を飲むときもっとおいしく感じるかもしれない。見学の最後、私たちは近距離で滑走路から離陸した飛行機を眺めて、まるで「行ってらっしゃい」を言っているかのように、ずっとずっと手を振り続けた。 


 午前中の見学はあっという間に終わって、昼はみんなで仲良くお弁当を食べた。いっぱいしゃべることができて、まさに「コミュニケーション」の時間だった。午後のスケジュールは「グループワーク」と書いてあったけれど、一体何をするのかがわからなくて緊張していた。クループの皆はバラバラのセクションから来ているため、まずは自己紹介から始まった。名前や部門はもちろん、趣味を紹介したり、あだ名を作ってもらったり、みんなで結構盛り上がった。実際に「グループワーク」の要求とは「JALの現状、現存問題について討論する」だったが、私たちのグループの場合は盛り上がりすぎて気づいたら完全な雑談になってしまった。とは言えもちろん飛行機についての雑談だ。飛行機の知識から仕事の逸話、感動の物語から面白いエピソード、飛行機大好きな皆さんの間で話題が絶えなかった。日本には「鉄道マニア」がたくさんいるのは昔から知っていたが、まさか「飛行機マニア」もこんなにいるなんて、私はちょっとびっくりした。やはり好きな仕事を選ぶのが一番大事だと感じた。仕事中にはもちろん愉快なことも嫌なこともたくさんあるが、「好き」という気持ちがあればどんな苦労をしても何を犠牲にしても頑張れるからだ。 


 今までの人生で何回か飛行機に乗ったことがある。しかしそれ以外は飛行機を近距離で見たこともないし、特に「見たい」という願望もなかった。ちょっとひどい言い方かもしれないけれど、今まで飛行機をただの「鉄の塊」と思っていた。この鉄塊の何が面白いのかさっぱりわからなかった。しかし今この考えはちょっと変わった。乗る側じゃなく、違う立場から見た飛行機は新鮮だったし、面白かった。今、飛行機は世界各地を結んで、人と人との距離を縮めた。こんなに素晴らしい世界になれたのは、科学技術の進歩はもちろん、一台一台の飛行機の後にたくさんの人たちが支えていたからだ。彼らは汗を流し、知恵を絞り、愛を注いできた。飛行機はただの「鉄の塊」じゃない。そこには温もりがある。そこには夢がある。



以上




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