雛祭り研修レポート
台湾政治大学研修生 張雅筑
雛祭りの研修機会を頂いて誠にありがとうございました。三月三日の一日、飯塚さんが親切に案内してくださいました。大変お世話になりました。
台湾には女の子のお祝いの日は定められていませんが、日本の雛祭りについて聞いたことは初めてではありません。日本の雛祭りは台湾の人々にまったく知られていないわけではありません。色々な日本文化に関する知識を頂くことが出来て本当に良い勉強になりました。
● 百段雛まつり
朝、JR目黒駅から歩いて目黒雅叙園に行きました。雅叙園は昭和初期に建てられ、中に、東京都指定有形文化財の「百段階段」がありますが、この時期に「百段雛祭り」が行われていました。なお、展示されているお雛さまは、とても古く、江戸時代から地震や火災や戦争などの災害を潜り抜けて、残された珍品とのことですが、極端に乾燥に弱いため、保護を目的に会場内の暖房が控えられていました。会場内は寒くてもお雛さまの素晴らしい笑顔の暖かさが感じられました。
今回の「百段雛祭り」のイベントは、二〇一五年一月二十三日から三月八日まで行われています。目黒雅叙園については初めて知りましたが、雅叙園の「雅」は私の名前の初めの文字と同じなので親しみを感じました。雅叙園は特に「百段階段」が有名とのことですが、「百段階段」とは通称で、曾ての目黒雅叙園三号館に当たり、雅叙園に現存する唯一の木造建築とのことです。台湾には木造の建築はあまりないですが、日本時代に作られ残された木造の寮などが現存しています。私は木造の建物や部屋が好きですが、それは自然な木の匂いがするからです。
百段階段では昔から披露宴が行われていますが、その中に七つの部屋があり、十畝の間は江戸時代からずっと伝えられている大変貴重な京阪風の御殿飾り(雛段飾り)が飾られていました。大きなお雛様と内裏様も飾られていましたが、見物者で混んでいて、大変人気があったようです。漁樵の間は、全て彫刻と純金箔・純金泥・純金砂で仕上げられていましたが、部屋の名前の由来は漁樵問答からということで少し驚きました。本々は日本最古の書物の古事記に由来するお話かと思いましたが、勉強になりました。草丘の間には「雛あそび」の道具が展示されていました。「雛あそび」の由来は平安時代にあり、本々は川へ紙で作った人形を流す「流し雛」から始まりましたが、その後「上巳の節句(穢れ払い)」として雛人形は「災厄よけ」の「守り雛」として祀られる様になったとのことです。この他に静水の間や星光の間や清方の間、頂上の間がありましたが、各部屋にも様々なお雛様が飾られていました。これらの部屋は九十九段の長い階段と廊下でつながっていますが、ここへ来たお客様はこの階段の長さにショックを受けるようです。雅叙園には今も尚、日本人が持ち合わせる伝統的な美意識が残されているため、平成二十一年に東京都の有形文化財に指定されているとのことです。確かに立派な建築だと思いました。特に日本人の美意識を感じました。
● 散らし寿司試食
お昼に目黒駅近くの回転寿司屋で散らし寿司を食べました。雛祭りに散らし寿司を食べるという習慣があることは初めて知りました。そして、お寿司の食べ方についても色々と学びました。とても面白くて美味しかったです。ご馳走様でした。
● 街角雛巡り 午後には中野区の沼袋に行きました。初めに沼袋の商店街を巡って、家々に代々伝わるお雛様や街のみなさんのバラエティ豊かな雛祭りの作品が商店街の各所に飾られていました。とても華やかに彩られた街をめぐりながら、桜の花はまだ咲いていませんでしたが、春の訪れが感じられました。
● 中野区立歴史民俗資料館訪問
商店街巡りに続いて、中野区民俗資料館を訪問しましたが、ここでもお雛様展が開催されていて、たくさんの人々が見学に来ていました。民俗資料館の解説員はとても親切で、詳しく雛段飾りの名前と飾り方を教えて下さいました。本当に有難たかったです。
雛祭りの研修ではいろいろ体験したり、見学したり出来て本当に楽しかったです。日本人の美意識については大変感動しました。季節に合わせて行事を行う日本文化の独特な美しさが少しわかりました。いい思い出を作ることが出来た一日で、満喫しました。
中国語版はこちら|▲page
TOP|
|