JAL財団 外国人学生に対する研修




マナーセミナーレポート

北京外国語大学 盧雨聡



 3月23、24日、私はJ-プレゼンスアカデミーが主催したマナーセミナー2日間コースに参加しました。このマナーセミナーは、4月から社会人になる人たち向けに、企業におけるマナーの重要性や、ビジネスコミュニケーションの5つの基本、ビジネスの必須スキル「言葉遣い」、そして、ビジネスの場でよくある電話応対、訪問マナーなどのビジネスマナーについて説明する講座です。この2日間で、理論的な内容だけでなく、自分がスピーチしているところを録画してビデオでチェックしたり、ペアで電話応対のロールプレイをしたり、さまざまな実践を重ねてビジネスマナーを学んできました。

 セミナーの初めに、講師は「CS・顧客満足」の観点から企業におけるマナーの重要性を説明してくれました。お客様の満足を得るために欠かせないことの一つは社員のお客様に対する心づかい。そして、その心づかいを伝えられるか否かはマナーによって決まります。
 短いオリエンテーションの後、一人ずつ1分ほどの短いスピーチを行いました。そして、録画したスピーチを、みんなで見ながら講師の方からいろいろな意見をいただきました。最初はビデオで自分の姿を見るなんて恥ずかしいと思いましたが、客観的に自分を見つめなおすのにとても良いチャンスとなりました。講師に指摘していただきながらビデオの中のありのままの自分を見ると、話のスピードや視線、立ち姿や手ぶりなど、今まで気づかなかった細かいところをチェックすることができました。
 自分自身の印象を把握してから、マナーの基本を勉強し始めました。「挨拶」、「表情」、「身だしなみ」、「言葉遣い」、「態度」はマナーの五つの基本となります。 「挨拶」は豊かな人間関係づくりの第一歩。「挨拶」とは「自分の心を開き、人の心に迫る」という意味です。ですので、大きな声で明るく挨拶すれば、相手に元気なイメージを与えることができます。
 次は「表情」。どんなに丁寧な言葉を使っても、表情が硬ければ真の心づかいは伝わりません。それを伝えるために、心からの笑顔と豊かな表情が必要です。
 さらに講師が特に強調したポイントは――「身だしなみ」です。初対面で作られた第一印象をあとから変えるのはとても難しいです。いい印象を与えるためには身だしなみはとても重要であるとされています。プライベートの場面で自分を喜ばせるおしゃれと違って、身だしなみはビジネスの場の相手を考えてのものです。「清潔感・上品・控えめ」は身だしなみの3原則となります。身だしなみを整えるためには、髪や服だけではなく、化粧も適切な色合わせをしないといけません。
 四つ目のポイントは「言葉遣い」。常に「明るく・やさしく・美しく」話すのを心がけることです。相手への心づかいとして明るく、優しく話すのが重要です。そして専門用語や若者言葉を避け、相手に分かるように易しく話します。また、美しく話すには敬語を活用することが大事であるといわれています。今まで学校の授業でも何度も敬語の勉強を重ねてきましたが、普段の生活の中でも自然に敬語が出るようにさらに頑張らなければならないと思いました。
 最後のポイントは「態度」です。態度は心の中の「誠意・熱意・創意」を外面的に表現するものです。
人にいい印象を与えるためには、この五つのポイントの一つも欠けてはなりません。一つでもうまくできていないとすべてが台無しになるとも言われています。この五つの基本を覚えるのは簡単ですが、日々の生活の中で活用することこそ大事で、難しいと思います。
 一日目の最後には、整った立ち姿と、案内や指し示しの仕方なども勉強しました。ビジネスの場では言葉だけでなく、行動も常に相手のことを考える心がけ必要であるとわかりました。

 二日目、朝いちばんに前日の復習として、場面別の敬語トレーニングと、身だしなみのチェックを行ってから、次の内容に入りました。
 初めに勉強したのはビジネスの場での電話応対でした。電話は声のみのコミュニケーションで、声の感じで人や会社へのイメージが決まります。ですので、電話に出るときはまず明るく、滑舌よく話すことが重要です。それに、電話をかける際、通話料がかかりますので、要件を簡潔に話すこともポイントとなります。また、電話は記録の残らない一時的なコミュニケーションですので、電話に出るときはきちんとメモを取り、復唱することで要件を確実に把握することも大事です。そして、電話応対で会社へのイメージが変わることもありますので、丁寧な敬語とクッション言葉の活用もとても重要であると実感しました。また、担当者が不在であったり、すぐ電話に出られない場合は「後程こちらから電話いたしましょうか」というような申し出も必要です。このような細かいところに気を配ることにより、「顧客満足」を生み、会社のイメージを高めることができます。
 最後は、ビデオで撮りながら、グループで訪問シーンのロールプレイを行いました。二日間の講義を受けて、最初のスピーチのときより参加者の皆さんは立ち姿や言葉遣いが整ってきたと実感しました。

 ビジネスマナーを身につけるためには二日間の講座参加だけでは足りないと思いますが、これからも学んだことを常に心がけて、少しずつできるように頑張りたいと思います。



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