第37回千歳JAL国際マラソンボランティア
台湾 国立政治大学 陳伊璘
今年の6月4日に、北海道の千歳市で行われたJAL国際マラソンのボランティアとして参加させていただいた。私は第8給水所でスポーツドリンクを選手に渡すボランティアを行った。
前日の6月3日、第8給水所のボランティアの担当者である佐藤さんが千歳市内を案内してくれた。まず、佐藤さんと一緒に第8給水所のところに下見に行って、一緒にボランティアをやる市民の方にも挨拶を行った。この時分かったのは、第8給水所はマラソンコースの最後の給水所で、つまり選手たちがもう少しだけゴールできる場所である。ドリンクを渡すこと以外に、ゴール直前にスピードを落とす選手への応援の声も大事だと佐藤さんがおっしゃった。
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その後、佐藤さんが支笏湖とそのビジターセンターを案内してくれた。きれいな支笏湖と周りの火山を見た上で、支笏湖の成り立ちと特殊な地形についても勉強した。お昼は、佐藤さんの知り合いがやっているフランス料理の店で、フレンチを堪能し、午後は、道の駅などいろいろなところに案内してくれた。夜は、第8給水所で一緒にボランティアをやるJALの社員の方々が集まって、懇親会が開かれた。その中に、今までずっとボランティアとして参加していた方が、今年はランナーとして参加すると聞いた。数年間ボランティアを続けていて、選手たちの走る姿を見て、自分でも走ってみたいという気持ちが湧いてきて、ランナーとして応募したそうだ。運動にあまり興味がない私にとっては、とても想像できないことで、いつか運動をやっている人の姿を見て、自分でもやってみたいという気持ちが来る日があるのだろうかと思った。
7時半になり、給水所のボランティア全員が集まって、一緒に第8給水所のところに行った。私たち第8給水所はスポーツドリンク、水、スポンジとフード、この四つのグループに分かれて活動することになった。そして、私は事前の予定通りにスポーツドリンクを渡すグループに入った。私たちの主な仕事はスポーツドリンクを一旦桶の中で冷やして、そして、紙コップに注いで、机に並べて置くか、コップを手のひらに置く形でランナーに渡すことだった。前日支笏湖に行った時にはまだ晴れていたが、午後からずっと雨となり、マラソン大会当日もずっと雨が続き、さらに気温も下がってきたので、雨カッパを着て、寒い中でボランティアの仕事が始まった。しかし、選手にとってマラソンを完走するには良い天気だったのかもしれない。
大会が始まってから一時間後くらい、トップランナーと二番手のランナーが走ってきた。二人共とても頑張って一番を争ったので、全くスピードを落とさずドリンクを取る余裕もなく、一瞬で私たちの目線から離れて行った。その後のランナーもドリンクを取らずに走っていくのではないかと思うと、正直、ちょっとがっかりした。間も無く、たくさんのランナーが来た。自分で机から取る人もいれば、ボランティアからもらう人もいた。多くの人がドリンクを取るために、少しスピードが落とした。渡すときに感謝された時があって、ランナーの頑張っている顔あるいは笑顔を見られた時には、応援したい気持ちが湧いてきて、思わず「もう少しだけです!頑張ってくださいね!」と声をかけ、寒いという感覚も忘れていた。
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ランナー達は走りながら飲んだので、溢した分を除いて、本当に飲んだドリンクが少ないため、一杯を取った人はそのあとすぐほかのボランティアの手からもう一杯を取る人も多かった。そのため、コップに注いだドリンクが急速になくなって、私たちは早く新しいドリンクを注がなければならなかった。ずっとドリンクを注ぐことを集中する時もあれば、短い時間連続でたくさんの人にドリンクを渡す時もあった。忙しい中、あっという間に全部のランナーがゴールした。
マラソン大会の生中継を見たことがあったが、給水所のところにあまり注目したことがなく、選手にとって給水所の存在がどれくらい大事なのか、今回のボランティアをやることによって感じることができた。たくさんのランナーが本当にドリンクを取るということも想定していなかったし、給水所の中で食べ物を提供することも知らなかった。そして、以前中学時代と高校時代の運動会でリレーをやった時に、クラスメートからの応援が全然聞こえなかったので、今回私たちボランティアが応援した時に、ランナーもちゃんと応えてくれてとてもびっくりして、逆に向こうから元気をいただいた。ランナーの中には、自分が住んでいるところのご当地キャラクターぬいぐるみを頭に被っていた人や台湾の国旗を服に飾った台湾人などを見かけることもでき、嬉しく思った。
マラソンランナーの姿を間近で見たり、給水所で行われていることを知ることができ、ボランティアをやることの楽しさを味わうこともでき、忘れられない大変良い経験だった。
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