旅行会社業務研修・ファストテンポな日本企業
2010年4月23日
沈 美玲
研修生が日本に滞在するわずかな一年間に、JALだけでなく他の日本企業の雰囲気も味わえるように、財団は西武トラベルという旅行会社での一週間の研修を計画してくださった。その会社は常に外国人研修生を受け入れ、勉強させるチャンスを与えるようにしていて、今でも何人かの中国人研修生が働いているという。
研修初日、会社に入ったとたんはちょっと驚いた。部門ごとのオフィスがなくて、一つのフロアに全社員が集まっている。これで各部門間での連絡がもっと速やかになると一回テレビ番組で見たが、実際にみるとやはり相当な「迫力」があった。それだけでなく、社長さんに挨拶をすると所さん(研修生の担当)にすぐそばの隅にある机まで案内された時はもっと驚いた。一社の社長さえ自室を持っていないのは日本企業の効率最優先という理念そのものであろう。
私が研修する中国事業部はあわせて7人で、1人の韓国人を除いたら全員中国人である。ちょうどその週末に400人ほどの大きな中国人団体が来る予定なので、皆はとても忙しそうだった。準備作業はすでに最終段階に入っていて、私はお客様や運転手さんに配るスケジュールを作成したり、ファクスや電話でレストランとホテルの予約を確認したりした。そして、招待状や訪日目的など硬い文章の翻訳も頼まれて、頭を痛めながら完成したが、そのおかげでたいへん良い勉強になったと思う。
お客様の到着までわずかな日数しかないにも関わらず、意外に変更が相次いで発生し、更新したばかりのファイルはすぐ赤ペンの修正で真っ赤になってしまった。「お客様は神様だ」という信念に基づき、あらゆる要求にベストを尽くそうとしている会社側としてはもちろん丁寧に応答する上にすばやく対応を取らなければならないので、一日中ずっと神経を尖らしていた。ふと気付いたら、皆はいつも電話中で、私が何か報告したくてもしようがなかった。やっと電話が終わって「急いで報告しなきゃ」と思っても、立とうとした瞬間にまた次の電話が入ってしまう。電話機で話している最中に携帯が鳴ったりして、一旦携帯に出てまた受話器を取って話を続ける風景も珍しくなかった。例え合間をつかんで報告ができても、はっきり、そして簡潔に報告しなければかえって相手に迷惑をかけてしまうので、常に誰かに後ろから押されているような感じだった。身をもって、日本企業の厳しさとファストテンポを実感した。
この一週間に、中国事業部の梁さんをはじめ多くの方々に親切に接していただき、大変お世話になった。特に感謝したいのは例え私のようなまったく経験のない新人でも重要な仕事を任せて、信頼してくださったことである。重要な文章の翻訳はもちろん、電話でやりとりをしてホテルとレストランを予約できたときは本当に嬉しかった。重視されていると感じて自信がつき、そして実行しているうちに仕事になじんできて上達していく。新人を鍛えるのにとても素晴らしい方法だと思っている。
効率に独特なこだわりのある西武トラベルさん、そして新人に行き届いた世話をしてくださった西武トラベルさん、貴重な学習チャンスを提供してくださって、本当にありがとうございました!
以上
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