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マナーセミナー受講レポート

北京外国語大学 李 昱琨



 

 3月27日、28日、私はキャプラン株式会社主催のマナーセミナー2日間コースを受講した。企業におけるマナーの重要性やビジネスコミュニケーションの基本原則、ビジネス用語、ビジネス動作など、いろいろと勉強になった。理論知識の勉強もある一方で、ロールプレイを多用し個別指導を重ねた今回のセミナーは、まだビジネスの世界を十分に理解していない私にとって非常に貴重な講義だった。


 一日目の最初には、講師が「CS・顧客満足」の観点から企業におけるマナーの重要性を説明してくれた。社員がお客様の気持ちに気づき、その心に働きかけていく。良いビジネスマナーにより、仕事の相手との信頼関係が深まり、さらに職場の活性化にもつながっているという。
 短いオリエンテーションの後は、受講者の17人が順番で一人ずつ1分間のスピーチをし、ビデオに撮られた。自己紹介と自分の心がけているマナーや、一番身につけたいビジネスマナーについて、自由なスピーチだった。それから、スピーチのビデオをみんなで観て、自己評価をした上で、講師に個別評価をいただいた。声の大きさや、表情と姿勢など、映像に映った自分の様子をチェックすることにより、自分が話す際不足している箇所に気づくことができた。さらに、他者のスピーチからも、色々と学ぶことができた。
 自分自身への認識を深めたうえで、本番のビジネスコミュニケーション習得に入った。「挨拶」、「表情」、「身だしなみ」、「言葉遣い」、「態度」はビジネスコミュニケーションの基本の5原則である。挨拶とは、「自分の心を開き、相手の心に迫る」という意味で、豊かな人間関係づくりの第一歩だといわれている。また、心からの笑顔や心遣いのある言葉遣い、「誠意・熱意・創意」に満ちた態度は受容と共感を招く。さらに、整った身だしなみは無言の紹介状とも称され、相手に良いイメージを与えることができるという。この5原則の説明により、ビジネスマナーの基本を大体把握できるようになった。
 一日目の最後には、ビジネスの場によく出る「指示の受け・報告」「名刺の扱い」「物の授受」「案内」などのシーンの模擬練習を行った。一見ややこしいように見えるが、その中に相手に対する優しい心遣いを読み取ることができると思った。


 二日目は場面別敬語トレーニングと身だしなみのチェックから始まり、電話応対・ビジネスメール、来客対応・訪問マナーを内容にした講義が行われた。
 電話応対は記録ができず一時的なコミュニケーションであり、コストもかかる故、効率的で正確な対応が望ましい。また、電話応対は声だけが命だと言われている。明るくて柔らかい語調や礼儀正しい挨拶がポイントとなる。電話がかかってきた時はすぐに出て、「〇〇の〇〇を申します」と先に名乗る。先方の社名と名前をきちんと聞き取った上で、「〇〇の○○様でいらっしゃいますね」と丁寧に復唱すべきである。指名された人物が不在な場合は、電話に対応できない理由をきちんと説明して「後ほどこちらからお電話致しましょうか」と申し出るなり、伝言や用件を伺うなりして、提案する。最後には「〇〇が承りました」と再び名乗り、先方が切るのを待つ。これらの基本を学んだ。
 最後の総括発表では、カメラを回しながら、グループに分かれて訪問・来客応対シーンのロールプレイを行った。立ち姿やお辞儀の仕方、歩き方、座り姿などの基本事項から、道の案内や受付対応、名刺の交換などビジネスマナーの応用事項まで、ビデオをチェックすることにより、グループごとにコメントをいただいた。二日間の自分を振り返ることができ、達成感を覚えたと同時に、まだ改善すべき点や今後努力する方向もはっきりさせることができた。


 この度のマナーセミナーは終了したが、これを終点ではなく、自分にとってのスタートだと捉え、今後は修得できたマナーを生かして、会社の役に立てる一人前の社会人を目指していきたいと思う。



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