JAL千歳国際マラソン大会研修レポート
北京外国語大学 李 昱琨
6月3日、私は第38回JAL千歳国際マラソン大会のボランティア活動に参加し、第8給水所のフード補給役を努めさせていただいた。ランナー通過前の事前準備から、終了後の撤収作業に至って、充実していた1日のボランティア活動だった。ランナーたちと共にマラソン大会の緊張感を味わうこともでき、チームワークを生かして達成感満載の研修活動だった。
6月2日の夜18時、第8給水所のメインメンバーが揃い、事前の打ち合わせを千歳市内で行われた。この度の第8給水所ボランティア活動担当者の佐藤かつおさんが、翌日の役割分担、注意事項などを、こと細く語っていた。参加したことのあるメンバーからも、経験をシェアしていただいた。補給を渡す際のタイミングの問題や、手渡し動作・応援言葉遣いなどについて、整然としている中にもユーモアに溢れた思い出話で前夜祭の会場は盛り上がり、大会直前の緊張が緩和され、リラックスできた。
第8給水所の集合写真
6月3日の朝7時過ぎ、早くも全員集合できた。涼しい晴れの朝、マラソン大会には絶好の天気だ。私たちボランティアの参加者は統一したジャンパーとハットをもらい、各担当の場所に向かった。
第8給水所はゴール前半最後の水分・エネルギー補給所であり、極めて重要な役割を果たしている。補給品の種類をランナーの通過順次から見ると、スポーツドリンク・フード(パン、バナナ、塩、氷砂糖とカロリーメイト)・氷と水・スポンジの順番となっている。テーブルの設置、ボランティアの役割確認以外、補給品をランナーに取られやすいように工夫して、準備を2時間にわたって行った。その後全員スタンバイモードに切り替えた。
午前10時過ぎ、先頭のバイクスタッフの後ろを追って、ハーフマラソンのトップランナーが姿を現してきた。汗でびしょ濡れとなって、立ち止まることなく一生懸命に走り続けていた。フードコーナーを通過した時も、他所を顧みなく、私たちの声援の中を走り去った。「すごい!」「格好いい!」「これぞ、5年連続一位のランナー」と感服の声が絶えなかった。しばらくすると、他のランナーたちもやってきた。その後、この日の初ピークも想定通りやってきた。補充したばかりのパンやバナナのトレーは気付かないうちに、なくなりそうになり、遅滞なく補充する必要があった。生憎雨模様となり、小雨が降っては止み、止んでは降り出しを何度も繰り返していた。天気に対する心配も抱きながら、前半の仕事は一段落した。
午後1時頃、フルマラソンのランナーの姿が現れ始めた。トップクラスの選手の間には著しい差があり、午前のハーフマラソンランナーたちよりフルのほうがランナー間が離れていることに気づいた。二倍の距離を走ったため、その差も当然のように二倍となっていたのだと思う。ランナーの邪魔にはならないように、私たちは手渡しを一切しないよう、拍手と声援だけを送っていた。40キロも走り続けたランナーたちの諦めようとしない姿に励まされ、前半での疲れも解消され、後半のピークと直面し始めた。声がガサガサになってしまっても構わず、一人でも多く自分の前を通ったランナーに励ましの言葉を差しあげたいと思った。たとえそれが数え切れない程多数の声援対象の中の一人に過ぎなくとも、そのランナーに対して私の言葉は大事なサポートになろうと信じて声援を送った。私たちのサポートはきっと無駄ではない、きっと届いたと思う。
道端に立ってパンを補給する
また、とんでもない疲労感との戦いの最中にも関わらず、軽く頷いてお礼を言ってくれたランナーも少なからずいた。そこで、自分が声と食べ物を使ってランナーたちをもっともっと頑張れるように応援している一方で、ランナーたちの頑張っている姿が見られるからこそ、自分が何時間も立ち続けることができたのだと思えた。まさに互いに支え合っていると言っても過言ではない。
マラソンは身体への挑戦状でもありつつ、精神面のチャレンジでもある。今まで参加経験のない、むしろ全然無関心だった私は、走り続けることの意義をしみじみ実感できた。ランナー同士の支え合い、ランナーとサポーターの支え合い、素敵なコミュニケーションともなった。
今回のマラソン大会を通して、共に頑張ったボランティア同士とも絆が深まり、コミュニケーション力と意志を鍛えた研修を実現できた。
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