マナー講座研修レポート
北京外国語大学 徐 浩天
日本人といえば、よく耳に入るのは礼儀をわきまえる人間だということである。確かに、去年11月末に日本に来たとき、世界的に見ても優れているサービスを実際に体験できて感心した末、中国にも何か学べることがあるかと考えて続けてきた。そのため、今回マナー講座に参加させていただいて本当にうれしく思っている。
講座は2日間に分けられる。第1日目はオリエンテーション、自分自身の振り返りとコミュニケーションの基本的な説明だった。講師の梅沢さんが企業におけるマナーの重要性を提起し、「CS」と「ES」の視点から論じた。梅沢さんによると、お客様の期待や企業選択の基準は、商品そのもののハード面から人的サービスを含む「プロセス」へ、より移行してきているそうである。したがって、CS(Customer Satisfaction)、つまり顧客満足を得るため、物的な面と人的な面が両方ともに備わっていないといけない。一方、「CS」に対して、ES(Employee Satisfaction)、つまり従業員満足も重要な企業文化だとされ、外部のみならず内部の人の気持ちも大切にするべきである。それらの視点から、企業におけるマナーの重要性がだんだん明らかになってきた。
しかし、期待や満足などは精神的なものに過ぎないので、見えない心を見える形にするのがマナーの基本である。原則として、「挨拶」、「表情」、「身だしなみ」、「言葉遣い」と「態度」という五つのものが重要だと述べていた。「挨拶」は豊かな人間関係づくりの第一歩だから、いつでも先に相手に合わせて、目をちゃんと見て、大きな声で明るく挨拶するのが基本だ。「表情」の要点は心からの笑顔で、「身だしなみ」は清潔感、上品さと控えめが手本とみなされる。「言葉遣い」は明るく・やさしく・美しくすると良いが、「態度」は誠意・熱意・創意を外面的に表すのが大事なところである。五原則の上、梅沢さんはさらにスピーチの進め方、表情訓練と身だしなみについて紹介してくださった。これまであまり留意していなかったことなので、勉強になった。
二日目は前日の内容を踏まえた上で敬語、報告の仕方、電話応対と名刺の渡し方について説明してくださった。敬語と報告の仕方は大体大学の授業で習ったこととほぼ同じだが、一つだけ気づいたのは、職場では「もう一度おっしゃっていただけませんか」という「二重敬語」を使う場合があるということであった。言葉は人によって使われるもので、教科書で正しいものは必ずしも実際に正しいものとは言えないから、一度勉強してきたものを活用してみることが大事だと分かった。
電話応対と名刺の渡し方は、今回一番勉強になったところだった。電話に出たとき、一連の流れに従って応対するのが簡単そうであるものの、決してやさしいこととは言えない。取次の時、名指し人の手が回らない時にどのように取り扱えばいいのか、相手の名前と連絡先が聞き取れなかった場合はどうすればいいのか、念のため何を聞いておく必要があるのか、さらに敬語は「させていただく」にするか「いたす」にするかそれぞれ考えて練習する必要がある。名刺の場合も同じく、「渡す」と「受け入れる」という二つの動作しかない作業だと思っていたが、実は細かいところまでも気を配っている繊細な仕事だ。先生のご指導の下で、私は簡単な電話応対と名刺の渡し方の仕方を身につけて、これから事務局の普段の仕事に活用していきたいと考えている。
大学で授業を受けるとき、ビジネスマナーを学んだことがあるが、まだ社会人にならない故、それが極めて抽象的なことであり、重要性さえ把握されておらぬ「遊び」であった。今回の経験を通じて、基本的なビジネスマナーを身につけ、礼儀正しさを大切にする気持ちをもって周りの人に接していきたいと思える。
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