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JAL客室乗務員訓練センター見学レポートハノイ貿易大学 レー ティ フオン クイ
8月9日に客室乗務員の訓練センターを見学させていただいた。
私にとって、客室乗務員は優雅で知識も豊富な存在であるため、ずっと憧れていた。
初めて日本を訪れた際、JALの飛行機に搭乗した。その当時の私の日本語は流暢ではなかったが、JALの客室乗務員は私の要望を親切に受け入れ、辛抱強く対応してくれた。その瞬間から、JALのサービスに対して非常にいい印象が残った。だからこそ、そのような素晴らしいサービスをお客さまに提供できるように、JALの客室乗務員がどのように訓練を受けているのか、非常に興味を持っていた。
当日朝早く起きて、羽田空港にある訓練センターに向かった。羽田空港はとても広いため、JAL財団の担当者が一緒に同行してくれるのは本当にありがたかった。
訓練センターのエントランスに着いた際、客室教育訓練部のご担当の方に迎えに来ていただいた。見学を始める前に、私の日本語の理解度を確認くださり、会話をする際にも優しい日本語を使っていただき、最初の対応から思いやりがしっかりと伝わってきて、さすがJALの客室乗務員だと感じた。
それから、客室乗務員の訓練に関する説明が始まった。訓練は2つの主要な部分に分かれている。それはお客さまの安全を守る保安要員と、お客さまが快適に過ごせるようにするサービス要員としての訓練である。
保安要員の訓練は2週間にわたって行われる。この期間中、たくさんの筆記テストや実技テストが実施される。これらのテストにすべて合格することがサービス訓練を受けるための条件となる。合格後、初めてサービス訓練に進むことができ、その段階で制服を着用することができるようになる。
保安要員の役割を大きく2つに分けると、緊急事態発生の対応と日常安全業務がある。緊急事態発生の対応に関する訓練は火災、ハイジャック、爆弾予告などの状況が発生した際に、どのように対処するのか、そして乗客を安全に機内から脱出させる方法を学ぶものである。実際の状況で冷静に対応するための基盤を築くことが目的である。その対応を頭で覚えるだけでなく、行動できるように練習することが必要である。
また、日常的な安全業務も大きな役割を果たしている。飛行機は交通手段の中で最も安全性が高いとされているが、問題が発生した場合の影響は大きい。そのため、事前に予防策を講じることが非常に重要である。日常業務の中で安全意識を高め、万一のトラブルに備える姿勢が求められる。
その後、客室乗務員の訓練の流れについてご説明いただいた。最初に、訓練センターで2カ月間国内線の訓練を受ける。この訓練を乗り越えた後、国内線で3カ月間乗務する。その後訓練センターに戻り、国際線の訓練に移行するとのことだった。
国際線の訓練では、エコノミークラス、ビジネスクラス、そしてファーストクラスの順番に、徐々に階段を上るシステムである。このシステムは具体的なスケジュールや目標が明確に定められているため、迷わずに進行できる点がいいと思った。
それに、どんな客室乗務員も目指す役職は総責任者もしくはチーフである。チーフは客室乗務員のキャプテンで、白いジャケットを着用し、機内のあらゆることを管理し、最も崇高な立場を担う。ただし、チーフになれるのは容易ではなく、最短でも10年かかると言われている。その間に、毎日絶えず学習と努力が必要であり、その道のりは厳しいものだとよく分かった。
客室乗務員の訓練には15の項目が含まれるが、その中で「標準作業姿勢動作」という項目は名前からどのような訓練なのか想像しにくいので、詳しく説明してくださった。実際には、それは飛行中の正しい動きと操作方法を学ぶ訓練である。例えば、飲み物や食べ物を載せたカートは重いので、フライト中何も考えずに運ぶと怪我をするおそれがある。実際に私もそのカートを運んでみたが、まだ中身が入っていないにもかかわらず、非常に重く感じた。この「標準作業姿勢動作」の訓練は、その重いカートを効率的かつ安全に運ぶためのポイントを伝えるための授業である。一見地味なように思えるかもしれないが、実際には非常に重要なスキルである。誰もが気づかない細かい動作や姿勢の違いが、乗務員自身の健康や安全を守るために大きな意味を持つのである。JALの訓練は非常に実践的で、乗務員の健康を大切にしていると感じた。
その次に、モックアップでの実際のサービス訓練を見学することができた。モックアップのある部屋に入った瞬間、訓練生らのプロフェッショナリズムと緊張感に満ちた雰囲気が漂っており、乗務員としての責任感やチームワークが伝わってきた。また、訓練担当者の方々も熱心に指導し、訓練生たちの成長を支えている様子が印象的だった。
このサービス訓練では、車椅子を使用するお客さまに対する対応を模擬的に設定して行っていた。飛行機内の通路は狭いので、他のお客さまとぶつからないように注意が必要である。そのため、前方と後方の2人の客室乗務員が協力して行動する。
この業務のポイントは2つある。一つ目は車椅子を移動させる前に、「動きます」といったお声掛けで知らせることである。二つ目はお客さまの体の状態を把握し、どのようにサポートすればいいのか、確認することも必要である。
このような訓練を通じて、客室乗務員がお客さまに対して適切なサポートを提供するためのスキルと注意が培われていることが分かった。
その後、JALのファーストクラスシートを見学する機会があった。初めて目にした瞬間、ファーストクラスシートの広さと高級感に驚いた。座ってみると、座り心地がとても良かった。特に、各シートに向かい合った座席があり、それに応じて2つのシートベルトが備えられている。これによって、お客さま同士で一緒にお食事を召しあがることや、到着後のスケジュールを確認することなどができる。JALのファーストクラスシートは、お客さまに対して極上の快適さと便利さを提供するために工夫されている。こうした細かい配慮が、ファーストクラスの贅沢な体験をさらに特別なものにしているのだと感じた。
それから、テーブルの上でのリネンの広げ方とお皿の置き方を体験させていただいた。リネンを広げる際のポイントを覚え、しっかりと正確に操作することが本当に難しかった。
また、お皿の置き方については、お皿の向きや、指をお皿の表面に触れないようにすること、そしてお皿を置いた際の1秒にも満たないほんのわずかな間、手を添えることにも気を付ける必要がある。これらの動作は難しいものとは言えないが、細かなポイントを覚えながら、行動することがチャレンジである。練習を重ねないと、すぐに忘れてしまうかもしれない。このような小さな動作こそが、お客さまに対してより高品質なサービスを提供するために不可欠な要素であることが理解できた。
最後に、JALビジネスクラスシートに連れて行っていただいた。ファーストクラスシートよりもやや狭かったことに気づいた。このビジネスクラスシートで、お客さまにお酒を注ぐ方法を学んだ。お酒のグラスにJALのマークがあるので、お客さまに対して正面の向きに置き、お酒を注ぐ前に瓶のラベルを見せるようにすることがポイントである。お酒は重く、片手だけで注ぐので、しっかり持ち上げないと落としてしまう可能性がある。担当の方の指導どおりに行動すると、姿勢が整ってきたように感じた。
この訓練センターの見学を通じて、客室乗務員の役割や責任の重要性、安全性への取り組みなどに理解が深まった。そして、どうしてJALのサービスが高く評価されているか、わかるようになった。
当日、訓練を受けていた訓練生の多くが私のように若い方々であったため、彼らの頑張る姿を見て、自分自身のモチベーションが高まった。また、普段この見学は複数の方を対象にするが、今回は自分一人のためだけに案内していただき、色々な業務を体験できたことは心に残る記憶となった。これらの素晴らしい経験に感謝し、それに値するために、客室乗務員のように毎日努力し、頑張らなければならないと思っている。