活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム

羽田空港研修レポートハノイ貿易大学 レー ティ フオン クイ

今まで何度も飛行機に乗ったことがあったが、一便の飛行機を運航するために、客室乗務員やパイロットなど機内で見かけやすい人々以外にも、舞台裏ではどのような人々と業務が必要なのか、全く考えたことはなかった。

幸運なことに、JAL財団でインターンシップすることにより、8月30日に羽田空港の旅客業務を見学することができ、航空業界に関する知識が増え、そして考え方が変わる機会になった。

研修当日、オペレーションセンターの受付からJALスカイのご担当の方にご案内いただいた。最初はオリエンテーションから始まった。「JALグループの空港業務」と「国内線と国際線のカウンター周り」のビデオを見せてくださり、空港業務の全体像を把握することができた。飛行機を運航させるために、カウンター業務、トラフィック業務、ラウンジ業務、デアイシング業務、手荷物サービス業務、デスク業務、ステーションオペレーション業務、間接業務など、様々な職種のスタッフが協力していることを理解した。一人では決して飛行機を飛ばせないので、横のつながりが非常に重要であることが明らかになった。

また、現場では日々さまざまな問題が発生することもある。そのため、空港のスタッフは頻繁にイレギュラーの状況に対応し、様々なスキルアップやキャリアアップに挑戦しなければならない。航空業界は多くのことを学び、成長する機会は豊富だが、同時に多くのプレッシャーもたくさんある環境だと感じた。

それから、国内線のオペレーションオフィスまで連れて行っていただいた。オフィスに入ると、さまざまな部署に割り当てられたデスクが整然と並び、多くのスタッフが熱心に業務に取り組んでいる光景が広がっていた。

最初に訪れたのは、運航乗務員のブリーフィングのカウンターであった。これは運航乗務員が情報を調べ、飛行機の出発準備を行うところである。隣では管制官とパイロットのやり取りを無線で聞き取り、到着時間を計算し、ホームページに情報を投稿するモニター業務、そして到着のゲートを決めるスポットコントロール業務も行われていた。

デスク業務は、出発便、到着便、および翌日の便に分かれている。それに関するあらゆる情報を管理し、その情報をもとに、現場の搭乗ゲート担当とカウンター担当に指示を送り、飛行機を出発させる。この業務は、司令塔のような役割を持つ業務なので、非常に重要である。一人で同時に複数の便を担当するため、忙しい仕事であり、集中力と正確性が求められる。

最後に、飛行機の運航にあまり関係がなく、他の業務とすこし異なっている間接部門がある。間接部門はビジネスサポート、社員サポート、採用活動などを担当する役割を果たす。

航空業界は多岐にわたる業務が連携して行われており、各部門の存在は不可欠で、緊密な関係があることを理解した。だからこそ、これはお客様対応以外にも同僚と良い関係を築くことが重視されている業界だと思う。

特に、オペレーションオフィスを見学した際、JALの安全性に対する厳しい基準を感じることができた。パイロットが何かの機械を銜えているのを見て、それは何かすごく疑問に思った。担当者に尋ねてみたところ、それは飛行機に搭乗する前に乗務員がアルコールを摂取していないかを検知するためのアルコール検知器だと教えていただいた。実際に、運航乗務員と客室乗務員だけでなく、ランプ内で運転したり、届け物をしたりするスタッフもこの検査を受ける。飛行機が出発する直前にも、たくさんの安全性の確認が見られた。

飛行機は多くの人の命をお預かりする乗り物なので、安全性に対する責任も非常に重いのである。そのため、このような安全性確保に取り組むJALの姿勢に感銘を受けた。

それから、国内カウンターを見に行った。スペシャルバゲージカウンター、自動チェックイン機やセルフバゲージドロップ、スペシャルアシスタンスカウンターについて詳しく紹介していただいた。

スペシャルバゲージカウンターは楽器、ペット、サーフボードなどの特別な手荷物を預けるカウンターである。通常の荷物とは異なり、スペシャルバゲージが直線的に取り扱えるため、壊れにくいという特長がある。

自動チェックイン機やセルフバゲージドロップは、2020年にコロナが発生した際導入された。最新の自動チェックイン機は感染拡大防止のため、接触を最小限に抑え、手を近づけるだけで手続きができるようになった。これは本当にパンデミックとAI時代に応じたタイムリーで、実用的な取り組みだと思う。

また、セキュリティの設備の機能も向上し、以前はラップトップコンピューターや液体物を取り出す必要があったのに対し、これらの機械では取り出さなくても検査が可能になった。これにより、お客様の通過がスムーズに行え、待ち時間が短縮された。JALは最新技術で業務を効率化し、お客様が快適に空港を利用できるように努力していることが見えた。

スペシャルアシスタンスカウンターは、お手伝いを必要とするお客様が手続きを行う場所で、その特別な点はスタッフの席は座席と立ち席が用意されていることである。この設計には理由がある。座り席は車いすを利用するお客様に対して、目線を合わせて接客できるし、お客様を上から見下ろさないようにするためである。

一方、立ち席は松葉杖を使用するお客様とコミュニケーションを取るために設けられている。このような小さな配慮は説明していただかないと、気づくことができなかった。JALのサービスはいつもお客様の立場に立ち、驚くほど繊細に気を配っていると実感した。

その後、国内搭乗口での業務を見学した。飛行機への搭乗順序は、お手伝いを希望するお客様、ファーストクラス、JALグローバルクラブ会員、およびその他のお客様といった順序になっている。お客様の利用クラスと年齢によって改札口を通る際のピンポンの音も違うことが面白くて、細かい工夫だなと思った。

搭乗口での業務では、搭乗口のスタッフが搭乗者リストを丁寧に確認し、機内で待機している客室乗務員に情報を伝えた。特に印象的だったのは、飛行機が離陸する瞬間に、グランドスタッフがお客様に手を振る光景だった。お客様に感謝の意を示すだけでなく、お客様が陰で働いている存在の一部に気づく機会を提供するのである。

搭乗口での業務を見終わって、国内線のラウンジを見学した。これまでJALのラウンジに入ったことはなかったので、一番気になる所だった。ファーストクラスラウンジは静かなラウンジを目指しているので、アナウンスは流れない。それで、時間や搭乗便を確認するためには自分でモニターを見る必要がある。ラウンジでリラックスし過ぎて、出発時間を忘れる場合がないのかと思った。なぜかというと、ラウンジ内ではさまざまな飲み物、おにぎり、パン、アイスなどが提供されており、食事や飲み物を楽しむことができるからである。それに、シャワーを浴びる場所も用意されているので、長時間の待ち時間を過ごす際に特に便利なのである。

機会があれば、ぜひJALのラウンジの快適さを自分で体験してみたいと思った。

それから、バスで国際線のターミナルに移動した。

国際線のJALオペレーションオフィスでの業務はだいたい国内線と同じである。国際線で国内線と一番異なると思うのはカウンターでの自動チェックイン機に顔認証機能が付いていることである。顔写真を登録することで、後続の手続き、例えば手荷物預け、保安検査、搭乗ゲートでの手続きなど、搭乗券やパスポートを提示せずに顔認証でスムーズに通過できるのは本当に素晴らしい。これにより、お客様も空港での手続きの時間を節約することができるし、警備スタッフの業務もより楽になる。

また、JALスカイは多くの外国航空会社の空港ハンドリングの委託を担っている。各航空会社の代わりにJALスカイのスタッフがスキルを習得し、搭乗手続きから出発までの一連の業務を担当していることは、航空業界におけるJALの高い信頼性とサービスの質を示している。外国航空会社の顧客にも快適な旅行体験を提供する一環として、JALスカイの役割は非常に重要である。

羽田空港での見学は航空業界の裏側を見る貴重な機会であった。特にコロナパンデミックのような困難な状況を乗り越えることにより、最新の技術を活用し、航空業界の持続的な発展に貢献した。

また、スペシャルアシスタンスカウンターやラウンジのサービスを通じて、JALのお客様第一の姿勢が明確に見えた。航空業界の裏側で多くのスタッフが毎日協力し、お客様の快適かつ安全な旅をサポートしており、彼らの仕事に対する尊敬が深まった。

今後もチャンスがあれば、空港での見学を継続して、より航空業界の話を詳しく知りたいと思っている。

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