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JALグローバル販売部研修レポートハノイ貿易大学 レー ティ フオン クイ

JALの飛んでいる地区は国内と国際に分かれている。その中で国際線を運航することは、その地区の習慣と需要を把握し自国の特徴をよく知っている海外の航空会社と競争するので、非常に困難な分野だと思う。

9月5日のJALグローバル販売部での研修は、JALの海外地区における販売戦略とセールスについての理解を深め、私の考える国際線販売の困難な点に対して対処するための対策を学ぶきっかけとなった。

グローバル販売部に対する第一印象は、海外地区販売を担当するので、JALにおいてとても大切な役目を果たしていることである。第二に、グローバル販売部はさまざまな国からのスタッフが集まり、非常に興味深く、アクティブな部署だと感じた。異なる国々のスタッフがいるため、建設的な議論と色々な視点が豊かに共有され、クリエイティブなアイデアが生まれやすい環境だと思った。

当日はオリエンテーションから始め、それから企画チーム、中国販売チーム、ファイリングチーム、制度チーム、アジア・オセアニア販売チームから各チームの仕事について詳しく説明していただいた。

グローバル販売部は、その名前の通り海外のお客様に航空券を販売し、彼らがJALの便に乗ることを促進することを主要なミッションとしている。このために海外のお客様にアプローチし、JALのサービスや特典を効果的にプロモーションし、売上を増加させるための戦略を策定する役割を担っている。

この部署のスタッフのうち約1/3が海外から来て働いていると聞いた時、やはり国際的な性質の仕事なので、外国人がたくさんいるのだと思った。それだけでなく、海外の航空会社と競争するために、この人員配置は最も効果的な対策だと気付いた。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」のことわざのように、現地スタッフの地域のトレンドや需要への理解と、日本人スタッフの持つ日本地区の事情をお互いに共有し、一緒にJALの優位性を生かし、現地のニーズに合った戦略を立てることができる。この部署では外国人も日本人も同じ大切な役割を果たしていると思った。

JALが運航している海外地区を大きく分けると4つの地域がある。それは、ヨーロッパ、アメリカ、アジア・オセアニア、中国である。そのほかにも今後中東地域のドーハに就航する計画がある。

海外の市場は広く、これからも拡大しつつあるので、そこでの売上は非常に重要だと推測した。それを確認するために、JALの収益への寄与について尋ねたところ、今後海外地区の収益の割合を増やす方向に進んでいるという答えをいただいた。

また、もう一つの重要な要素は航空業界の特殊性である。航空業界は他の産業と異なり、例えば一般的な自動車販売などの業界では、在庫があれば商品は次の日にも販売可能である。しかし、航空業界では飛行機が一度飛び立ってしまうと、その便の空席は二度と販売することができない。この在庫を取っておけないという特殊性は、決められている飛行機の販売スケジュールの中で、どれほど多くの座席をより高く販売できるか、一番需要な課題である。

けれども、日本人のお客様だけでは全ての飛行機を満席にすることはできない。その理由としては、日本の出生率が低下しているために人口が減少する傾向にあることが挙げられる。そのため、将来的な成長を見込むには、日本の国内市場だけに依存せず、アジア・ヨーロッパ発日本行きなどの海外の販売市場に重点を置くべきだと考えられている。

その後、企画チームからマーケティングの状況について聞く機会があった。コロナの影響で航空業界は大きな打撃を受け困難な状況に陥った。しかし、コロナ後から現在に至るまで、国際的な人の往来は徐々に回復していった。コロナ以前と比べると、日本から海外に行くお客様はまだ半分ぐらいだが、海外から日本への訪問者数はコロナ前の水準に戻ってきたことが明らかになった。この回復の兆しは本当に喜ばしいことで、JALのこれからの売上成長に期待している。

特に、出入国が制約されたコロナ禍でのJALの取り組みに非常に感服した。たとえば、台湾では「オントリ」というオンライントリップの展開を試みた。

このプロジェクトでは、参加者にコロナの制約下でも日本への旅行や日本の食文化を楽しむ方法を提供し、JALの乗務員が機内食を再現し、参加者に体験いただいた。コロナ後にはこの体験をきっかけに、旅行できなかったお客様が日本を訪れたいと思うかもしれないという可能性が生まれる。

JALスタッフは困難な状況を乗り越え、適切な対策を講じることができた。オントリは非常に有望なプロジェクトだと考える。疫病の時期に限らず、気軽に海外に渡航できないお客様や健康上の理由で旅行が難しいお客様に対しても実行可能であると思う。

また、JALの販売戦略の基本についても分かるようになった 。各地区の需要を把握することを前提として、ビジネスとレジャー需要の中でどの要素に力を入れるか決めるという販売方法について学ぶことができた。例えば、欧米地区では主にビジネス出張の業務需要を獲得することに力をいれているが、アジアと中国地区では観光需要が多いので、お客様の数を増やす方向性を目指しているというようなことである。

名前からどのような作業をするか想像しにくく、最も気になる部署はファイリングチームであった。担当者が説明してくださったとおり、ファイリングチームは主に運賃に関する管理を担当しており、チケットの価格をシステムに登録する役割を果たしている。

制度チームと言うと、一般的には給料や待遇に関することを担当するイメージがあるが、JALグローバル販売部の制度チームは実際には別の役割を果たしている。

制度チームの主な業務には、日常プロジェクトとイレギュラー対応が含まれている。日常のプロジェクトでは、本社プロジェクトへの参加、本社と海外地区の連携、各販促サービスの管理、旅行会社が処理した航空券の審査など、様々な日常的な業務が行われている。一方、イレギュラー対応では、自然災害などの非常事態に対処することが挙げられる。

このチームは本社と海外地区の橋渡しの機能を果たし、異常な状況に対処することで、JALの運営を支えている。自分自身が異常事態に冷静かつ迅速に対処することが苦手なので、制度チームの仕事の大変さを感じ、毎日この仕事のために努力している社員に感服した。

グローバル販売部の特別な点の一つは、オフィスに中国とアジア・オセアニアの担当者がいることである。中国とアジア・オセアニアは日本と時差がほとんどないため、東京で一緒に仕事をすることは効率的である。そのため、当日、これらの地域の担当者と会う機会があった。これらの担当者は日本で働いている外国人で、馴染みがあり、コミュニケーションがとりやすい雰囲気だった。

中国は人口が多く、広大な地域をカバーしているため、非常に見込みがある市場だが、同時に色々な課題も存在している。まず、中国には多くの航空会社が存在し、価格競争が激しいという点が挙げられるが、JALはフルサービスキャリアとして、単なる安売りではなく、付加価値をつけて収益向上を目指している。また、中国の航空会社のフライトスケジュールの方が中国発の需要には合っているという面もある。

中国チームは、JALホームページ、パートナー旅行会社、地元の代理店、Eコマースチャネルなど、さまざまな販売チャネルを積極的に活用し、これらの課題に取り組んでいる。やはり地区の将来性が高ければ高いほど、その地区での競争は難しくなる。中国地区の課題に対して、まだ完全な解決策は出されていないが、皆が一緒に協力して経験を積むとともに、高品質で優れたサービスという元々のJALの強みを推進すれば、これらの課題も必ず克服できると思われた。

それから、アジア・オセアニア地区の担当者の方々から機材、SDGs、異業種提携、物販についての説明を伺った。その中では、SDGsの取り組みでのエコツーリズムという観光ツアーが特に印象に残っている。

エコフレンドリーツアーとして自然環境を楽しむだけでなく、その地域特有の料理や特産品に触れる機会を提供している。売り上げが多いわけではないが、JALはいつもSDGsに対して意識しているため、環境への配慮を優先している。環境を守ることができるし、地域の文化を広げることでそれを長く保存できるので、本当に素晴らしい取り組みだと感じた。

グローバル販売部での研修を通じて、航空業界の特殊性と航空会社の販売戦略と専門的な知識を習得することができた。再度、海外地区での販売は容易ではないことを強く認識し、航空会社が成功するためにはどれだけの努力が必要かを実感した。

特に、ここでの国際的な雰囲気が私には大変魅力的である。専門用語が多い中で、グローバル販売部スタッフが、私が理解できるかどうか心配してくれる姿勢に心温まった。グローバル販売部での、航空業界における専門的な知識や用語に触れた貴重な経験を、将来のキャリアにおいて発揮したいと思っている。

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