- HOME
- 活動紹介:地球人育成プログラム
- 外国人学生に対する研修プログラム
- JALグローバル販売部研修レポート
活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム
JALグローバル販売部研修レポートハノイ貿易大学 グエン・ティ・タン・ホン
今回、JALのグローバル販売部の業務について学ぶ機会をいただいた。各担当の方々は忙しい中にもかかわらず時間を割いて、部署全体の業務について丁寧に説明していただき、大変感謝している。
まず、グローバル販売部の概要について紹介していきたい。名前のとおり、この部署の主な業務は、世界的な売り上げの促進に関連する業務を行っていることだ。JALは国内で非常に人気があり、信頼されている航空会社だが、国際的にはJALの認知度はまだ十分に高くない。
国際線はJALにとってより高い利益をもたらすため、国内のお客さまだけでなく、国際的なお客さまもターゲットとしており、この顧客層を取り込むことが重要である。
また、認知度を高めると共に、世界的な顧客がJALのチケットを購入し、満足して次回もJALを利用したいと思ってもらうことが必要だ。これが、この部署の追求する使命である。
この部署の組織構造についても紹介を受けた。ヨーロッパ、アメリカ、アジア・オセアニア、中国という主に4つの地域はJALが運航する海外エリアである。地域ごとに異なる文化があるため、販売戦略も各地域に合わせて調整すべきである。今回、本部で、企画チーム、中国販売チーム、ファイリングチーム、制度チーム、アジア・オセアニア販売チームについてそれぞれの業務内容をご説明いただいた。
まず、企画チームは、JALのグローバルセールスの方針を決定する役割を担っており、JALの売り上げをどのように増加させるかを使命としている。そのため、部署内においても、そしてJAL全体においても、企画チームの果たす役割は非常に重要であると言える。
各国には多くの航空会社が存在している中で、他の航空会社とどのように競争するかが課題である。お客さまがフライトを検索する際、JAL便情報が最初に表示され、顧客の目を引くことが重要だが、それは最初の一歩に過ぎない。顧客を引きつけるためには、具体的な戦略が求められる。旅行者や出張者など、企画チームは異なる顧客層に応じて異なる戦略を立案する。
また、現在では旅行代理店を通じてチケットを販売するだけでなく、直接顧客にチケットを販売することの重要性も増している。旅行代理店は一般的に「東京・大阪・京都」のような定番のツアーを企画するが、直接販売を強化することで、JALは日本各地へのフライトから利益を得ることができる。
さらに、企画チームが取り組んでいるJAL便をアピールするための努力として、例えば運賃の割引などが挙げられる。しかし、現実には、料金の割引が必ずしも顧客の増加につながるわけではない。確かに割引は一時的に顧客を引きつけるが、キャンペーンが終了し、顧客が有利なバウチャーを受け取れなくなれば、次回の旅行で再びJALを選ばない可能性がある。従って、より差別化された広告戦略が必要である。
企画チームで働いているスタッフから、今後の問題について話を聞いた。現在、チームが努力しなければならない問題は、日本各地へのJAL便のプロモーションとアピールであろう。日本への旅行といえば、「東京・大阪・京都」のルートがまず間違いなく観光客の頭に浮かぶかもしれない。これらは最もよく知られた3大観光地である。しかし、そこからさらに難しい問題も生じている。JALをはじめ、日本の航空会社は現在、日本各地に多くの便を運航している。旅行やリラックスに適した素晴らしい場所は多くあるが、外国人観光客にはまだ知られていない。供給はあるが、それに見合う需要がない、これは企画チームが解決策を模索しなければならない難しい問題である。
「東京・大阪・京都」のツアーを利用した旅行者が、別府(大分)、奈良、名古屋、広島、北海道といった他の観光スポットへ旅を続けるにはどうすればいいのか。
また、日本旅行について言及するとき、どうすればお客さまに日本全国の他の地方への旅行を思い浮かべてもらえるだろうか。
日本で1年間勉強し、生活してきた私は、さまざまな地方で多くの貴重な経験をしてきた。香川の父母ヶ浜の美しさはいまでも覚えている。それだけでなく、奈良、名古屋、滋賀、あるいは鎌倉、神奈川といった旅行ツアーも私にとって魅力的な旅行先だ。一度だけでなく、機会があれば何度も訪れたい。だから、これらの観光スポットがより多くの外国人に知られるようになることを願っている。 また、重要なのは、顧客が体験に来てくれた後の効果であり、再来してくれたり、友人や親戚に勧めてくれたりすることだ。顧客にアピールすることも難しいが、顧客を維持することはさらに難しい問題である。
航空会社が抱えている問題はJALだけの問題ではなく、世界の航空会社共通の問題であるのではなかろうか。例えば、ベトナムの観光地と聞くと、ハノイ、ホーチミン、ホイアン、ダナンといった有名どころしか思い浮かばないだろう。一方で、ベトナムには他にも注目すべき有名な風景や観光地が多くある。
実は、ベトナムではTikTokやInstagramのようなソーシャルネットワーク(SNS)が大人気である。旅行に行きたいと思ったとき、Googleで情報を探す代わりに、TikTokやInstagramでおすすめの観光スポットを検索することが多い。なぜなら、Googleで表示される情報は、非常に広範囲で、長く、宣伝記事がほとんどであることが多いからだ。
一方、SNS上のビデオは短く、時間をかけずに内容を要約しやすい。また、SNS上の動画は観光客の個人的な体験でもある。そのため、観光地をよりリアルに見ることができ、興味を起こさせる。従って、ベトナム市場にとって、SNSで観光フライトを宣伝するのも悪くないアイデアだと思う。やはり、それぞれの国や地域の文化を理解し、効果的なマーケティングを考えることの重要性がわかる。企画チームの仕事は本当に難しいが、面白いと思う。
次に、制度チームの仕事について聞いた。チームは日常プロジェクトとイレギュラープロジェクトの2つの大きなプロジェクトに分かれている。
日常プロジェクトの仕事は、旅行会社のチケット販売を管理することだ。新型コロナウイルス感染症の時期、旅行会社の経営が困難になり、倒産した会社もあった。このとき制度チームは、上記の旅行会社を通じて航空券を予約した顧客への対応で重要な役割を果たした。販売目線に基づき、チームは橋渡し役となり、顧客からの情報を受け取り、旅行会社とやり取りをした。その上で、JALの方針に沿った変更を行い、お客さまをサポートした。チームは、国際線のお客さまが最高のサービスとサポートを受けられるよう努力し、苦情や特別な要望を迅速かつ効果的に解決している。
一方、イレギュラープロジェクトチームは、イレギュラーな事態が発生した場合の航空券販売に関する問題への対応を担当する。同チームは、国際線の販売や顧客サービスに影響を及ぼす可能性のある便のキャンセル、遅延、または想定外の問題などのイレギュラーな事態に対処し、自然災害、政治的事件、疫病などの危機的状況に対処し、顧客とJALの利益を守るための緊急対応策を展開する。
続いて、同部署のファイリングチームについて紹介していきたい。ファイリングチームは主に、国際市場におけるJALの収益と競争力を最適化するための運賃戦略の策定と管理を担当する。運賃に関するデータは確実にシステムに登録する必要がある。
また、航空券販売による収益を最大化するため、市場の需要や競争状況に応じて価格を調整するなどの役割を果たす。効果的なプロモーションのための価格調整は、迅速で鋭い分析が求められる仕事だと思っている。
JALが運賃関連の管理に使用しているATPCO(Airline Tariff Publishing Company)システムと3大グローバル流通システムであるAmadeus、Sabre、Travelportも紹介していただいた。簡単に言えば、ATPCOシステムは運賃と条件情報を管理するためのプラットフォームを提供し、Amadeus、Sabre、TravelportなどのGDS(Global Distribution System)はこの情報を使って世界規模での流通と予約業務をサポートする。これらのシステム間の統合と相互作用は、航空券発券と航空サービス管理の正確性と効率性を確保するために極めて重要である。
公示運賃は普通運賃と特別運賃に分かれており、運賃が高いほど制約が緩和される。例えばフレックス・チケットの場合、料金が最も高いため、最も制約が緩和され、手数料なしで日付の変更などができる。
それに加え、中国チームの担当からもお話しを聞いた。彼女は一日の仕事のスケジュールを簡単に紹介してくれた。人口の多い大きな市場である中国市場は潜在的に大きなものであることは間違いない。そのため、グローバル販売部には中国市場を担当するチームがあり、その一員である彼女は仕事の理想を語ってくれた。日本人と中国人の間のギャップを縮められるようになりたいという。日本への旅行を通じて、中国の人たちに「日本ってこんな国、日本人ってこんな人たちなんだ」と知ってもらいたいと言っていた。この理想を心から尊敬し、彼女の仕事がさらに成功することを願っている。
また、JALとサントリーとのコラボレーションで中国のSNSでライブ配信を実施し、中国市場での交流と販売促進を図っていることも教えてくれた。ライブ配信はWeiboやDouyin(中国版TikTok)など、中国で人気のあるプラットフォームで配信されることが多い。
このライブ配信の目的は、JALの旅行サービスや体験と連動してサントリーの商品をアピールし、中国市場の潜在顧客を惹きつけることである。日本の大手航空会社と大手飲料ブランドが組み合わさることで、JALは中国の消費者により簡単にアプローチすることができる。このようなライブ配信は、しばしば特別割引、商品体験、視聴者とのインタラクティブな活動を組み合わせ、魅力的なショッピングやプロモーション体験を作り出している。
最後に、アジア・オセアニアチームのメンバーから、現在取り組んでいるチームの活動について紹介を受けた。
JALは、他の多くの航空会社と大規模なコードシェア・ネットワークを持っており、接続性を拡大し、旅客が移動しやすくなるのに役立っている。現在JALが提携しているグローバルな航空会社には、アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、マレーシア航空などがある。コードシェアには多くの利点があり、非常に人気がある。
第一に、コードシェアは、JALが全ての便を直接運航することなく、多くの国際都市への接続性を拡大するのに役立つ。第二に、乗客は再度チェックインすることなく、提携航空会社の便を簡単に乗り継ぐことができる。さらに、調べたら、コードシェア便を利用するとJALのマイレージ・プログラムのポイントがたまり、ラウンジや優先搭乗、無料手荷物などの特典を利用できることもわかるようになった。
JALはアジア地域の全ての航空会社とコードシェアしているわけではない。しかし、JALは認知度を広げ、ブランドを促進するために、他の協力の機会を模索してきた。
そのひとつが他企業との提携である。例えば、ベトナム市場において、JALは他企業と提携し、JAL便を推奨している。他企業との提携は、JALの認知度向上に役立つだけでなく、サービス価値と顧客体験を向上させながら、新規顧客を獲得する機会を増やすことにもなる。
また、JALのSDGsについての取り組みも紹介していただいた。例えば、JALはCO2排出量削減と環境保護の一環として、持続可能な航空燃料(SAF)の使用を積極的に推進している。調べて見ると、2017年からJALはシカゴとサンフランシスコから日本への便でSAFを使用している。また、JALは、2030年までにSAFを全フライトの燃料の10%に使用することを目標としており、SAF使用のリーディングエアラインになることを目指している。JALは、2050年までにCO2排出量ゼロを目指し、SAFの利用を促進するための政府機関と企業の共同プロジェクトにも積極的に参加している。JALが実施している17のSDGsの実践に向けた取り組みも数多くあり、それらは全てJALのホームページで公開されている。
さらに、新型コロナウイルス感染症の時期には、JALは観光客の激減により航空運輸収入が大幅に減少し、経済的課題に直面した。運航を維持し、従業員の給与を支払う十分な資金を確保するため、JALは物販活動を実施した。例えば、JALは、ビジネスクラスやファーストクラスで提供される機内食やワイン、日本酒など、通常はフライトで提供しているプレミアムな飲食料品を販売していた。これらの商品はオンラインやポップアップストアで販売され、顧客は機内サービスの一部を自宅で体験することができた。
グローバル販売部のメンバーから業務内容について話を聞く機会をいただき、視野を広げることができたことにとても感謝している。この部署の皆さんはとてもフレンドリーで、わかりやすく説明していただいた。また、このオープンなオフィスには居心地の良い雰囲気も感じられる。このような親しみやすいメンバーとこの部署で働くことができれば、本当に良い経験になると感じた。