活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム

JAL国際提携事業レポートハノイ貿易大学 グエン・ティ・タン・ホン

8月28日に行われたJALの国際提携事業研修は、提携ネットワークを拡大し、お客さまにフライトの最高の体験を提供するJALの取り組みをより深く理解する良い機会となった。当日、私はエアライン提携戦略部の担当者2人に温かく迎えられ、その部署が担当している業務について説明を受けた。

まず、エアライン提携戦略部に所属する北米・中南米、中国、豪州と南洋諸島の担当者から業務内容を紹介していただいた。現在、国際線ネットワークでJALの就航地点は66ある。コードシェアという提携形式を含めると、就航する都市の総数は384に達する。担当者のお話から、他の航空会社とのコードシェアや共同事業などの業務提携を通じてJALの販売網を補完し、さらに強化することを使命とする国際提携部は、コードシェアパートナーとの取引調整や交渉窓口の役割を担っているということが分かった。

その他の担当者からはエアライン提携戦略部の事業を紹介していただいた。

一つ目は、二社間提携、共同事業、oneworld アライアンスという3つの提携の枠組みの中で、世界中の航空会社との提携を推進する役割を担う。

二つ目は、航空当局間、政府間協議の交渉への参加や、コードシェア、独禁法適用除外(ATI)の認可申請という、協定に関する関係部署との調整を通じて、航空会社の利益を確保することである。

三つ目は、IATA(国際航空運送協会)、AAPA(アジア太平洋航空協会)、BOAR(在日航空会社代表者協議会)などの業界団体への対応である。また、台湾交流事業との渉外も担っている。担当者には、ATI、AAPA、BOARなど、初めて聞く用語を丁寧に説明していただき、とても感謝している。

担当者に共有していただいたお話によると、エアライン提携戦略部が主管しているエアライン提携形態は共同事業、アライアンスとコードシェアである。

まず、コードシェアについて紹介していきたい。コードシェアとは、他の航空会社が運航する便を自社便として販売することをいう。JALは世界66都市に就航しているが、直接運航することなく、より多くの地域にネットワークを拡大するためには、コードシェアが有効な方法となっている。

コードシェアはJALが直行便を運航していない地域へのフライトを提供することができ、お客さまは自分のスケジュールに合わせてフライトの選択肢を広げることができる。また、JALの運賃で購入できることや、フライトマイルもたまることなどはコードシェアのメリットである。

しかし、お客さまにとってはデメリットもある。例えば、JAL便だと思って予約したのに、搭乗したらJAL便と同じサービスが受けられなかったというクレームがJALに多く届いている。なぜなら、コードシェア便の場合、JALの便に付随するサービス提供は引き継がれないからである。

コードシェアが航空会社にもたらすメリットについてもいくつか挙げていただいた。

例えば、コードシェアのおかげで、JALはコードシェア提携便の機材や客室乗務員に関する運航により費用削減できることや、JALの運賃で販売が可能な点などである。一方で、JALにとってはメリットとともにデメリットもある。

例えば、コードシェア便ではJAL水準のサービスが受けられないため、顧客満足度が低下するリスクがある。また、コードシェア提携航空会社ごとに運航システムの仕組みが異なるため、スタッフの教育をしなければならない。

しかし、そのデメリットに比べれば、得られるメリットはデメリットを上回ると考えられている。さらに、私が顧客の立場であれば、さまざまな目的地へのフライトを楽しむことができ、その他多くのメリットもあるため、非常に嬉しく思うだろう。

ただし、他の航空会社とのコードシェア提携については、以下のような基準を設ける必要がある。

顧客の利便性が確保されているか、JALが望む路線ニーズを満たしているか、JALの安全基準に適しているか、JALのサービス基準(機内食の質など)を満たしているかなどということが提携先を選ぶ際のポイントになっている。上記のようなコードシェアのデメリットのリスクを最小化するためには、これらの基準に基づいて提携することが合理的である。

次に、oneworld、 Star Alliance、 Sky Team の世界3大アライアンスについて紹介していただいた。

oneworldアライアンス自体の定義によれば、それはトップクラスの航空会社アライアンスである。1999年にアメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カンタス航空の4航空会社が加盟して以来、現在ではJALを含むoneworldアライアンスには13の正式加盟航空会社と1つの準加盟航空会社(オマーン航空)が加盟している。oneworldアライアンスに加盟することで、JALおよび他の加盟航空会社は多くのメリットを得ることができる。

国際市場におけるJALの認知度を高めるだけでなく、JALの便を利用する顧客にとっては、マイレージ会員のステータスによって、専用チェックインカウンター、無料受託手荷物の重量増加、空港ラウンジの無料利用、同一ターミナル内乗り継ぎなどのメリットを享受することができる。このように、oneworldアライアンスへの加盟は、顧客と航空会社の双方にメリットをもたらし、航空業界全体の質の向上に貢献することがわかるようになった。

続いて、航空会社同士の業務提携で最もレベルの高い形態、共同事業について話していきたい。これは航空会社2社が独禁法適用除外(ATI)認可を受けて共同事業を行う形態である。この形態の特筆すべき点は、2社が一緒に航空事業を計画・実施し、同じ種類の航空券を販売し、利益を平等に分け合うことにある。より高い利益とともに、両航空会社のより高い信頼と共同努力が必要となる。

現在JALは、太平洋路線でアメリカン航空と、ヨーロッパ路線でブリティッシュ・エアウェイズ、フィンエアー、イベリア航空と、マレーシア路線でマレーシア航空と、3路線で共同事業を行っている。共同事業に基づき、両航空会社は、機内食の改善によるサービスの質の向上、日本文化や働き方に関するパートナー社員のインターンシップの実施など、共通方針を持つ。また、認知度を高め、さらなる発展を目指すために、互いにマーケティング施策を実施することもある。このような共同事業は、両航空会社の緊密な関係を示すと同時に、現時点で最高の体験を顧客にもたらすものである。

最後に、担当者から東南アジアにおけるJALの提携活動について説明を受けた。スリランカ航空、バンコクエアウェイズ、マレーシア航空などといった海外の航空会社との提携状況を紹介していただいた。

JALとベトナムの航空会社の提携状況についても学ぶ機会になった。2016年JALはベトナム航空(VN)との提携を解消し、2018年10月にベトジェットエア(VJ)とのコードシェアを開始した。VNとVJはともにベトナムの大手航空会社で、ベトナムの航空市場シェアの85%を占めている。国営航空会社ではないが、VJはその低価格によりベトナム市場で大きな地位を占めている。また、VJは格安のLCC航空会社であるが、Skybossというビジネスクラス航空券も販売しており、乗客は高級ラウンジの利用、機内食の無料提供、空港までの専用シャトルバスなど、多くのサービスを享受することができる。調査と交渉の過程を経て、VJのSkybossはコードシェアパートナーを探す際のJALのサービス品質、商業的ニーズなどの要件を満たしていた。

また、2024年5月以降、VJはハノイから広島への直行便を運航しており、顧客の旅行がより便利になり、VJが日本へのフライトを拡大する積極的な道筋を示している。従って、JALがVJをコードシェア提携パートナーとして選んだ理由も理解できる。ただし、担当者によるとVJのシステムは当初コードシェアに対応する仕様でなかったため、両者の提携は片務的なコードシェアから始まり、将来的には双務的なものに拡大する予定だという。

VJとJALの提携関係は、顧客にとって多くの利便性を生み出し、両国間の旅行需要の創出を強力に促進する、非常に良いものだと思う。これはまた、VJがサービスの質を向上させ、JALからいろいろ吸収し、国際的な顧客からの評価を高める良い機会でもある。今後のJALとVJの包括的な協力関係に期待している。

JALは、同じくベトナムで有名な民間航空会社であるバンブーエアウェイズ(QH)との包括的協力にも合意した。QHはサービス品質が良く、顧客第一主義で、ベトナムの航空会社の中で最も時間に正確な航空会社であるため、ベトナムで人気がある航空会社である。しかし、残念なことに経済状況のため、QHはNRT-HAN便を含む一部の国際便を一時的に運休している。

JALのベトナムとの提携関係については、これまで知らなかった知識で、嬉しく思っている。JALとベトナムの航空会社の提携状況の具体例を通して、基本的な提携プロセスを把握するとともに、提携プロセスに影響を及ぼす可能性のあるリスクについても理解することができた。また、適切なパートナーを見つけるためのJALの継続的な努力がわかるようになった。

エアライン提携戦略部での研修で、1日のスケジュールを共有していただけたため、JALと他航空会社との提携を推進する戦略的な部署の、顧客やパートナーとの打ち合わせや協議など、この仕事の忙しさがわかった。

忙しいにもかかわらず、時間を割いてJALの国際提携業務について詳しく説明していただいて、本当にありがたい気持ちがした。そのおかげで、私は自分の知識を広げ、JALの国際提携の現場をより深く理解することができ、また航空アライアンスについて学び、航空業界の用語についても理解することができた。このような貴重な機会を与えていただき、本当に感謝している。

To PageTop