活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム

日本環境教育フォーラム(JEEF)での研修ハノイ貿易大学 グエン・ティ・タン・ホン

9月24日から10月25日まで公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF:Japan Environmental Education Forum)での研修の機会をいただいた。この1か月間、いろいろな所へ行って、いろいろ勉強になった。

JEEFは、体験と対話を重視した環境教育で、持続可能な社会づくりを担う人材を育成するNGOであるという。持続可能な社会の実現を目指すために、JEEFは環境教育の提供、指導者の養成と国際環境教育という3つのアクションを実践している。

幸いなことに、上述のアクションに関するプログラムに参加することができた。

まず、指導者養成のアクションとして、SDGs達成に向けた環境教育・ESD実践講座について紹介していきたい。本研修は、「カリキュラム・デザイン・コース」と「プログラム・デザイン・コース」に分かれている。本講座の活動の一部として、9月29日に栃木市のモビリティリゾートもてぎ・ハローウッズで行われた「教職員等環境教育・学習推薦リーダー養成研修プログラム・デザイン・コース」の研修会に参加した。

モビリティリゾートもてぎ・ハローウッズはHONDAによって開設され、環境教育等促進法により「体験の機会の場」として認定されている場所である。生態系を作ることを通し、ハローウッズは子どもたちに素晴らしい体験をさせて、自然と生き物のつながりへの認識を高めさせた。生き物の住処を作る取り組みで、森での生態系を観察しながら生き物のライフサイクルを理解することができるようになった。例えば、集められた落ち葉はカブトムシの雌の産卵場所になる。また、カブトムシの幼虫は落ち葉を食べて糞をし、糞は土に栄養をもたらす役割を担っている。生まれてくる生き物はそれぞれの役割を担うことが分かるようになった。また、ハローウッズの森ではヤンマとか、カブトムシとか、いろいろな種類の生き物が記録されていて、生物多様性を実感することができた。

JEEFが現在展開しているほかの国内事業にも参加することができた。例えば10月6日には山梨県上野原市で雑穀の脱穀体験に参加させていただいた。大部分が山地地形である山梨県では耕作放棄地の復元方法として、どのように農業を維持・拡大していくのかということは大きな課題であることが分かった。また、平野部とは違って、険しい山地である地形で、どのような作物が気候変動に強く、栄養価も高く、干ばつに強いかも勉強になった。

また、10月11日に、宮城県大崎市でメットライフ生命が主催した植樹体験にも参加させていただいた。乱伐された「エコラの森」では森林再生活動が行われており、今度の活動目標は200本の木を植えることである。やはり、山地で植樹作業をするのは大変なことだと分かった。枯れた葉っぱや枝などがいっぱい集まったり、陥没している場所もあったりと、道の途中で障害物がたくさんあるところで木を植えるのは難しかった。しかし、参加者の皆様のチームワークや熱心な姿勢を見て、尊敬の念を抱きながら、ありがたい気持ちにもなった。広大な緑の森という最終的な結果は見られないかもしれないが、次の世代の子どもたちに自然の恵を継承させるための植樹活動は本当に有意義な活動だと思った。

10月19日には長崎の雲仙天草国立公園でのミヤマキリシマの下草刈り活動にも参加した。当日は雨が降ったりやんだりする悪天候だったが、参加者全員が積極的に活躍していた。子どもたちも参加していたので、あっちこっちに笑い声が聞こえ、雰囲気が盛り上がった。

また、草刈り場所に向かっているバスに乗ったとき、担当者が雲仙温泉の歴史や観光地を紹介してくださった。雲仙温泉の見どころである雲仙地獄を訪ねた時も最高であった。長崎での地域の方々のやさしさや、長崎の美しい景色などを実感することができ、長崎に愛着が湧くようになった。

JEEFで参加した活動のうち、一番興味を持ったのは「東京ネイチャーアカデミー(TNA)」の野外での講座である。TNAは20代〜70代の方を対象に自然や環境のことを学ぶ入門講座である。TNA2024は2024月4月から2025年3月までに開講されており、オンライン講座も含めて様々な自然に接する体験である。

10月1日に認定NPO法人オーシャンファミリーの講師のサポートにより「海辺の生き物観察・里海の利用と保全」の活動に参加させていただいた。葉山公園と一色海岸付近の観察場所で、生物多様性を実感することができた。例えば、オウギガニ、ワタリガニ(ガザミ)、ヤドカリなどのカニの種類を観察することができた。同じ生き物の仲間だと思っても、先生の説明を聞きながらよく見ると、違いが分かる。

海辺でよく見かけたものを集めた後、先生からのお話を伺った。貝殻、海藻、オニグルミや木の枝以外にも、海流で海岸に漂着するゴミや、海岸を訪れた客が捨てたゴミなどの人間が出すゴミをたくさん収集した。また、参加者の発見として、プラスチックゴミの中にはレジ袋がなかった。日本ではレジ袋有料化につれ、レジ袋ゴミも無くなるようになっている。やはり、人間の生活習慣も地球環境に影響を与える。そのため、環境に配慮しながら生活をしなければならないという意識も高めさせる。

10月17日にはTNAの受講者と一緒に横沢入里山保全地域の見学機会をいただいた。社会の発展につれ、人間活動が環境に悪影響を及ぼすことを最近よく見かける。しかし、里山での取り組みを見れば、人間は自然を守りながら生活している努力がわかるようになった。里山ではいろいろな植物や昆虫を観察して、生き物の面白い特徴も発見した。例えば、ノブドウの見かけは美味しそうだが、木の実の中には昆虫が入っているので、食べることができない。また、身の色が変わっている理由も昆虫のためである。

昆虫と言えば、カマキリ、キタテハ、イトトンボ、フクラスズメの幼虫など、たくさんの生き物を観察することができた。葉っぱに生息しているフクラスズメの幼虫に触れたら、刺激を受けるため、幼虫が強く動いていた。このように、NACS-J自然観察指導員 東京連絡会(NACOT)代表の川上先生のお話を伺いながら、自然の面白さに気づいた。

里山では、農地、ため池、草原などの生き物のすみかを作るのに積極的に取り組んでいる。それで、里山は生物多様性の維持・発展過程に重要な役割を担っている。しかし、工業化、また少子高齢化社会において、里地里山モデル事業がだんだん減っていることが課題になっている。

TNAプログラムに参加して、実際に里山里海保全地域の観察を行ったことにより、自然の美しさや生物の豊かさをより認識させられた。地球がどのような問題に直面しているかということもより深く認識することができた。また、TNAプログラムに参加していた受講者の方々と一緒にいろいろな場所の見学・観察機会をいただき、本当にありがたいと思っている。いつも優しく接していただき、自分の研修や勉強も応援してくださった。それで、いろいろ勉強になったとともに、楽しく参加することができた。

野外活動参加以外に、通常はJEEFの事務所でイベントやプログラム準備の手伝いをした。JEEFでは環境教育に関するいろいろなプログラム設計・展開をしているので、皆が極めて忙しいことが分かる。しかし、皆はいつも積極的に指導してくださり、大変お世話になった。

また、毎昼、一緒にランチを食べに連れて行っていただいたことにも感謝している。JEEFでの1ヶ月間はあっという間に経ったと感じた。

JEEFの仕事はJAL財団の仕事とは全く違う。JEEFでは新しい仕事を体験することができるし、新しい人々とつながることもできた。これは自分の将来のキャリアパスにとって、本当に貴重な経験になった。JEEFでの研修機会をいただき、とても感謝している。

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