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IOC(インテグレーテッドオペレーションコントロール)研修レポートハノイ貿易大学 グエン・ティ・タン・ホン

12月4日にJALのIOC(Integrated Operations Control)のオフィスを見学する機会をいただいた。当日の見学のおかげで、JALにとってIOCが重要な役割を果たしていることをより深く理解することができた。

IOCとは、世界中を飛行するJALの飛行機の運航を集中管理し、安全安心な運航を24時間体制で支えているという部門である。IOCは、ミッション・ディレクター、 情報サポート、スケジュール統制、運航管理、乗務員リエゾン、メンテナスコントロール、ロードコントロールなど多くのチームに分かれ、それぞれの役割を担ってJAL便の安全安心な運航をサポートしている。

各チームの業務をより深く理解するために、担当の方のレクチャーを伺った後、IOCの事務所を見学させていただいた。IOCのオフィスには、大画面ディスプレイがたくさん設置されている。例えば、NHKとBBCの2つのテレビ番組が映し出されている画面がある。この2つの番組を放送する目的は、台風、地震など飛行機の航行に影響するようなイレギュラーが発生する場合、国内外の状況を早めにアップデートできるようにするためである。また、世界各国の気象予報を表示する画面もある。このチャンネルでは、3,4日前に各国の天気予報を見ることができ、フライトを安全に運航するための対応策を検討することができる。

また、世界中を飛んでいるJALの便の飛行ルートに沿って天気図を表示する画面もある。スタッフは気象条件とともに代替飛行ルートを検索することができ、運航管理の方々は飛行の安全を確保するための判断を下すことができる。運航管理者の方々は運航管理の重要なアドバイザーとなっており、天候、燃料、風速、高度などを入念に調査し、飛行機を運航する部署と飛行計画を作成・承認する。多くの知識と経験が必要なため、運航管理者になるには約3年かかり、国際認定試験とJALの認定試験に合格する必要がある。

運航管理の役割の一例を挙げると、例えば、運航中に乗客が突然体調を崩し、緊急処置を受けなければならなくなったとしよう。パイロットは、飛行機を元の出発地点に戻すべきか、目的地まで飛行を続けるべきかを迅速に判断しなければならない。

パイロットが飛行機をコントロールしながら、正確かつ迅速に決断を下さなければならないとしたら、パイロットにとっては非常に難しいことであろう。この時、運航管理者は燃料の残量や天候などのパラメーターを綿密に計算し、パイロットにアドバイスをする。そのため、顧客への影響を最小限に抑えるという運航管理者の重要な役割は不可欠である。

ミッション・ディレクター(MD)は、JAL運航便のオペレーション統括責任者である。悪天候などのイレギュラーな状況も含め、全てのフライトにおいてMDが迅速かつ的確な判断を下し、お客さまに最適なソリューションを提供する。最終的な運航判断に至る際、MDは関連部署のサポートを受ける。悪天候や飛行機部品の故障など、イレギュラーが発生する時、 スケジュール統制やダイヤの復旧管理などの関連部署の専門家と協議してフライトスケジュールを調整し、場合によってフライトをキャンセルすることもある。各フライトの予定時刻と実際の時刻を表示する画面を見ると、離陸が遅れるような事態が多く発生していることがわかる。そのため、各部署は常に連携し、飛行機が一刻も早く安全に着陸できるよう、着陸予定時刻より遅れないように努めている。

次に、ロードコントロールチームの業務について説明を伺った。飛行機が安全安心に飛行するためには、機体の重心と重量が規定値内に収まっていなければならない。許容値の範囲内でバランスが取れるように計算し、荷物の配置を指示するのがロードコントロールの責任となる。また、許容重量をオーバーした場合は、ロードコントロールが搭載する貨物量を調整する。これも離陸から着陸までの安全なフライトを確保するために非常に重要な業務である。

毎日、IOCから天候によるフライトの影響、欠航便数、お客さまへの影響などを報告するメールがたくさん届く。お客さまだけでなく、全部署に情報を伝えるのが情報サポートの仕事である。また、IOCでは、IOC機長、メンテナンス・コントロール、乗務員リエゾンなど、24時間体制で安全運航に貢献するさまざまな業務を行っている専門家がいる。

JALは毎日約800便の国内線と国際線を運航している。そのため、通常は国際線と国内線を管理するナビゲーションチームに分かれる。また、24時間体制でフライトを管理しているため、日勤と夜勤にも分かれている。

IOCの担当の方のレクチャーのおかげで、運航管理に関する知識をさらに増やすことができた。安全な移動手段と言われる飛行機であるが、ひとたび事故が起きれば、その結果は予測不可能である。そのため、離陸から着陸までの安全性を確保することは、IOCの大きな努力だと言っても過言ではない。このような貴重な見学の機会をいただき、大変感謝している。

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