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活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム
2025JALスカラシッププログラムレポートインドネシア大学 アシラ・ムティア・リスキー
JALスカラシッププログラムは、アジア・オセアニア地域からの大学生を対象に、毎年行われているプログラムです。これまで本プログラムには、さまざまなアジアの国・地域から1700名を超える学生が参加してきました。
本プログラムは、1975年に日本航空(JAL)によって開始されましたが、1990年にJAL財団が設立されて以降は、財団が主催する主要なプログラムの一つとして現在も続いています。プログラムの内容は毎年異なっており、JAL財団は時代の変化に合わせ、活動内容を企画・実施しています。近年では、本プログラムは主に外国人大学生に対する日本文化の紹介と、国際的に重要なテーマであるSDGs(持続可能な開発目標)に重点を置いています。
プログラムの目的は、日本文化に対する理解を深めることに加え、国境を越えた国際社会の課題に対する理解を促進し、将来それぞれの国でリーダーとして活躍できる人財を育成すること、さらには、国際社会における日本と他国との懸け橋となる人財の育成を目指します。また、プログラムでは、参加者が同プログラム期間中に日本語を使用してコミュニケーションやディスカッション、アクションプランの作成を行うことによって、日本語の運用能力を実践的に向上させる機会も提供されています。
2025年のスカラシッププログラムは公益社団法人日本環境教育フォーラム(JEEF)の協力、日本航空株式会社(JAL)の協賛、国土交通省、外務省、文部科学省の後援をもとに、JAL財団が開催しました。〔「SDGs」~持続可能な未来へ~〕をテーマに、オンラインと対面の両方で行われました。
オンラインプログラムは2025年6月25日から7月1日までの7日間開催され、対面プログラムは7月2日から7月16日までの15日のうち、福岡で6日間、東京で7日間行われました。韓国、北京、大連、上海、広州、天津、香港、台湾、グアム、オーストラリア、インドのほか、東南アジア諸国のインドネシア、マレーシア、ベトナム、ラオス、フィリピン、タイ、カンボジア、ミャンマー、シンガポールなど、アジア・オセアニアの国・地域から25名のスカラー生が参加しました。また、日本人学生7名が、沖縄、新潟、鹿児島、大阪、東京、千葉から海外学生とのコーディネーターとして参加しました。
今年のJALスカラシッププログラムは去年と同じ、1週間にわたるオンラインプログラムから始まり、初日はJALスカラシッププログラムの紹介と、海外スカラー生、日本人学生コーディネーター、事務局メンバーの自己紹介から始まりました。
また、JAL財団とJEEFの事業紹介もあり、スカラー生たちは本プログラムを主催する団体について理解を深めました。その後、JEEFによるSDGsと現在の環境問題に関する簡単な説明がありました。さらに、ホームグループのメンバーとお互いをより深く知るためのディスカッションセッションとペチャクチャタイムが行われました。初日は、参加者同士が話すことに緊張している様子と硬い表情が見られましたが、皆さんはプログラムの開始にワクワクしていることも感じられました。
2日目からは、SDGsや環境問題に関するオンライン講義が開催されました。最初の授業は、東京大学未来ビジョン研究センター教授の江守正多先生による「気候変動の現状と課題」についての講義でした。説明された気候変動の防止方法と悪影響を減らすことのひとつに、エネルギー使用量を減らすこと(省エネ)、特に電力の削減がありました。例えば、使わないときは電気を消して、エアコンの設定温度を27度以上にして、冷蔵庫の扉を必要ない時は閉めるなどです。この講義を通じて、気候変動の現状やそれが人間に及ぼす影響について学ぶことができました。また、気候変動の防止は日常生活の中の小さいことから始められることを知ることができました。
3日目は、一般社団法人Change Our Next Decade 代表理事の芝崎瑞穂先生による「生物多様性の現状と課題」についての講義が続きました。将来の自然のバランスを保つために、地球に生息する生物多様性を今から守ることが重要と言われていました。この講義で最も印象に残ったのは、芝崎先生が「私たちが普段おいしいと感じている寿司や刺身も、生物多様性が守られなければ将来的には食べられなくなる可能性がある」とお話しされたことです。私はとても驚きました。他のスカラー生たちもこの事実に驚き、ホームグループやランダムグループでこの話題について話し合いながら、自分の好きな寿司や刺身について考えていました。
4日目には、翻訳家・文筆家の服部雄一郎先生による「サスティナブルな暮らし」についての講義がありました。服部先生のセッションは、特に家庭ごみの削減に焦点を当てた「エコ生活」のコンセプトに関するものでした。例えば、食品をガラスの瓶に保管することや、プラスチックラップの代わりに何度も使える食品カバーを使うなどの方法です。私は個人的にこのエコ生活のテーマがとても好きで、日常のライフスタイルの変化は小さくても環境保護に大きな影響を与えることを学べて嬉しく思いました。服部先生の講義を通じて気づいたことはサスティナブルな暮らし・エコ生活を一生懸命実践すると、地球環境に優しいだけでなく、自分も落ち着きます。その理由は、家にごみがなかったら家は綺麗になって、大掃除も必要がなくて、暮らしはより楽しくなるからです。
オンラインプログラムの最終日には、2004年と2024年のJALスカラシップの卒業生との座談会が行われました。卒業生の皆さんは、プログラム中や修了後の体験談を共有してくださいました。今年の海外スカラー生は悩んでいることをたくさん相談し、スカラシッププログラムの卒業生とたくさん話しました。
また、JALの講義もありました。JALが航空会社としてどのように環境を守り、新たな環境問題を引き起こさないよう取り組んでいるかについての紹介セッションも行われました。
当日は、日本への出発に向けたオリエンテーションで締めくくられ、参加者たちは準備のために多くの質問をしながら、ますます渡航への期待を高めている様子でした。
オンラインプログラムの終了後、いよいよ対面プログラムが始まりました。全てのスカラー生は自国から日本へ渡航し、成田空港または羽田空港に分かれて到着しました。私はJAL財団のスタッフ2名と日本人学生コーディネーター1名とともに成田空港でスカラー生の出迎えに参加しました。日本に到着したスカラー生たちは、ついに憧れの国・日本に来ることができて、とても嬉しそうで興奮した様子でした。成田空港からJALシティ羽田ホテルへの道中、スカラー生たちはいろいろなことを話して、笑顔が絶えませんでした。
翌朝、私たちは羽田空港から最新のJAL機材であるエアバスA350-900に搭乗し、福岡へ出発しました。出発までの時間、空港でグループメンバーと写真を撮ったり、お土産を買ったりして、参加者はとても楽しそうに過ごしていました。
約1時間半のフライトの後、無事に福岡空港へ到着しました。到着した後は、福岡空港でうどん、親子丼、パフェなど、それぞれがさまざまな種類の昼食を楽しみました。
昼食後は、宿泊先であるグローバルアリーナへ移動しました。グローバルアリーナに到着してから、まずチームビルディングの活動が行われました。最初にホームグループごとに自己紹介のセッションがあり、その後、参加者間の一体感を醸成するためのゲームが実施されました。このセッションを通じて、学生コーディネーターと海外スカラー生はより仲良くなって、自然にコミュニケーションが取れるようになりました。
福岡での初日を締めくくるのは、グローバルアリーナでの夕食でした。夕食のときに、全員の参加者は食べながらまたお話したり、事務局からのクイズに参加したりして、時間を楽しく過ごしていました。
次の日には、第2回目のチームビルディングが行われ、JALをテーマにした「かるた」ゲームをしました。初めて日本のかるたゲームをする海外スカラー生もいましたが、短い時間でも、皆さんはだんだん上手になりました。
チームビルディングの後は、JEEFによる「海洋の油汚染をどう清掃するか」というワークショップが行われました。まず初めに、JEEFのメンバーから海洋汚染の経緯やその影響(特に海洋生物や環境への影響)についての説明がありました。その後、参加者全員はホームグループで海水に浮遊する油を最も効率的に除去できる素材や方法を実験しました。実験後には、従来通りホームグループごとのディスカッションが行われました。
JEEFのワークショップが終了した後には、水引(みずひき)作りのワークショップが続きました。今回はJAL財団のスタッフに教わりました。水引は日本の和紙から作られたひもの一種で、日本のハンドクラフト文化です。普段はお正月や、ほかのお祝いのイベントで使います。参加者は、それぞれさまざまな形の水引を真剣に学びながら制作しました。
翌朝、宗像市で実施されているSDGsの取り組みに関する説明が行われました。スタッフの方々が宗像市特産のプライドポテトチップスというお菓子を紹介してくださり、スカラー生はそれを楽しく食べながら発表を聞きました。その後、私たちは宗像市内の川の源流を見るために山登りをしました。山の景色がすごく美しくて、きれいな川からのお水を飲んでみたスカラー生は不思議な経験ができました。そして、「宗像大社」と「神宝館」を訪れ、日本の文化や信仰について学びました。
特に印象に残ったのは、異なる島に祀られている三柱の女神に関する物語です。宗像大社では、多くの学生が「おみくじ」を引いて一緒に読んだり、お守りをお土産に購入したりしていました。宗像大社の見学後、「道の駅むなかた」で買い物をしました。そこでは宗像の特産品が多く販売されており、暑い日だったこともあり、多くのスカラー生が果物や野菜のスムージーを購入していました。また、店内に設置されていた七夕の木に、それぞれの願い事を書いて吊るしました。
次に訪れたのは「サンリブくりえいと宗像」で、そこでも買い物と夕食を楽しみました。広い施設内には多くの店舗があり、スカラー生たちは思い思いに買い物を楽しんでいました。中には化粧品、しゃぼん玉、靴などを購入する人もいました。
翌日は福岡教育大学を訪問し、学生の皆さんと一緒に授業に参加する日でした。最初に私たちが福岡教育大学のアカデミックホールに着いた時、福岡教育大学の学生の皆さんに温かく迎えていただきました。
その後、環境問題や地球温暖化による海水の変化についての授業に参加しました。授業の後には、スカラー生と福岡教育大学の学生が意見交換を行い、交流を深める時間がありました。昼食の後、福岡教育大学の学生に案内いただき、キャンパスツアーに参加しました。キャンパス内の建物や図書館を見学した時、特に印象的だったのは、図書館内に設けられていたSDGsに関する読書コーナーです。そこには面白い本がたくさん並んでおり、非常に興味深いものでした。
キャンパスツアーの後には、スカラー生と福岡教育大学の学生が共にワークショップを行い、それぞれの国における環境問題と、それに対する地球人としての取り組みについて議論しました。
一日の締めくくりとして、グローバルアリーナで福岡教育大学の学生と一緒にバーベキューの夕食を楽しみました。一日を通して学んだ後、学生たちの顔には喜びと活気が見られ、リラックスした雰囲気の中でお互いのことをより深く知ることができました。
翌日は、私たちにとって特別な体験となった、大島への見学とビーチクリーンの活動が行われました。朝早くスカラー生は海岸へ向かい、マイクロプラスチックなどの小さなごみを丁寧に拾い集めました。ただ拾うだけでなく、その後はホームグループごとに、どのようなごみを見つけたのかを発表し合う時間もあり、環境問題についての理解をさらに深めることができました。
その後、私たちはフェリーに乗って大島へと向かいました。フェリーから見える景色はとても美しく、広がる青い空と穏やかな海が、旅の始まりを彩ってくれました。大島に到着すると、地元の方々が用意してくださった、朝獲れの新鮮なお刺身やイカをいただきました。海の恵みを感じる贅沢な昼食で、心も体も満たされました。
昼食後は再びビーチクリーンが行われました。今度は、次のワークショップで使うために、ごみを素材として丁寧に選びながら回収しました。そのまま大島学園へ移動し、「海ごみ妖怪(ようかい)」をテーマにした創作ワークショップが始まりました。このワークショップでは、拾い集めたごみを使って、オリジナルの妖怪を作ります。どんな性格で、どんなストーリーを持つのかを考えながら、ごみを飾りつけ、命を吹き込みました。完成した妖怪とその物語を、大島学園の生徒たちと一緒に発表し合う時間は、とても楽しく、創造力に満ちたひとときとなりました。
翌日、私たちは「高宮環境ミュージアム」を訪れ、北九州におけるごみ処理の歴史や仕組みについて学びました。館内ではかつての北九州の様子を再現したジオラマが展示されており、楽しく歴史を学ぶことができました。
また、日本では地域ごとにごみの分別方法が異なることも知りました。特に北九州市では、ごみ処理が非常に細かく分別されていることに驚きました。ミュージアムでは、ごみ処理だけでなく、環境に優しい住宅の構造や、エコエンジンを搭載した車についても学ぶことができ、持続可能な暮らしの工夫を実際に見ることができました。
その後、私たちは「サニックスひびき工場」に見学に行きました。ここでは、日本における液体廃棄物の処理について詳しく学びました。たくさんの工程を経ることで、液体の廃棄物がさまざまな形で再利用されていることを知り、とても感心しました。さらに、ピンクや青などのペットボトルのキャップを使い、特別な自転車みたいな機械を使って自分だけのメダルを作る体験もさせていただきました。この体験はとても楽しく、リサイクルの大切さを身をもって実感できました。最後には「サニックス」やごみ処理に関する知識を深めながら、かるた遊びを楽しみました。一日を通して、楽しみながら環境について多くのことを学ぶことができた、非常に有意義な時間となりました。
翌日、7月9日から「東京プログラム」が始まりました。私たちはJALの飛行機に乗って東京へ戻り、そのまま「JALスカイミュージアム」を見学しました。ここでは日本航空(JAL)について深く学ぶ機会をいただきました。
最初にJALに関する説明会に参加し、会社の歴史や理念、安全への取り組みなどについて学びました。その後、ミュージアム内にある航空機整備工場の見学ツアーが行われ、私たちが福岡への移動に利用した最新のJAL機が間近に駐機されていました。多くのスカラー生にとって、飛行機をここまで近くで見るのは初めての経験であり、とても感動していました。見学の後には、JALのパイロットや客室乗務員の制服を実際に着てみる体験も行われ、参加者たちは仲間と一緒にたくさんの写真を撮って楽しんでいました。
特に心に残ったのは、将来パイロットになることを夢見ているスカラー生の一人が、パイロットの制服を着ていた場面です。彼はその姿にとても誇らしげで、自信に満ちあふれており、その様子はとても感動的でした。この日が彼の夢に一歩近づく大切な一日になったのだと感じました。
翌日は、多くのスカラー生が心待ちにしていた特別な一日でした。この日は、ジブリ美術館と株式会社JR東日本テクノハート(TESSEI)という二つの場所に行きました。
ジブリ美術館での時間は、まるで夢の中にいるような体験でした。スカラー生たちは、日本のポップカルチャーの一つであるアニメの世界を自由に探索し、とても楽しんでいました。特に私にとって印象的だったのは、ジブリ美術館でしか観られない短編映画を見たことです。その日上映されていた作品は『めいとこねこバス』で、とても温かくて可愛い内容でした。
ジブリ美術館の見学を終えた後、私たちはTESSEI社を訪問し、新幹線の清掃について学びました。TESSEIのスタッフは、短い時間で速くて丁寧に新幹線を掃除していて、その仕事の上手さに感動しました。また、新幹線に関するさまざまな知識や、TESSEIがSDGsや環境への影響を大切にしながら業務を行っていることについても学ぶことができました。特に印象に残ったのは、新幹線のホーム下に入る貴重な体験をさせていただいたことです。その場所は非常に暑かったのですが、普段見ることのできない設備や構造を間近で見ることができ、多くの学びがありました。
次の日、私たちは「日本フードエコロジーセンター」と「さがみこファーム」に行きました。
日本フードエコロジーセンターでは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどから出る食品廃棄物の処理について学びました。ここでは、食品廃棄物がいくつかの工程を通じて、豚の飼料として再利用されていることを知りました。この取り組みは、SDGsの目標の一つである「食品ロスの削減」に大きく貢献しており、より良い未来の実現に向けた素晴らしい取り組みであると感じました。このような食品廃棄物の再利用プロセスは、世界的にも課題とされている「フードロス」を減らす方法として、非常に有効であることを実感しました。
その後、私たちは「さがみこファーム」に行きました。まず、さがみこファームの方から、農園の概要や運営方法について説明を受けました。そして、ブルーベリー畑の見学ツアーが行われ、私たちは実際にさまざまな種類のブルーベリーを摘み取り、味見する貴重な体験をさせていただきました。ブルーベリーの種類によって甘さや酸味が異なり、それぞれの味の違いを楽しみながら自然とのふれあいを感じることができました。そして、さがみこファームの近くに住んでいる方々の暮らしや、太陽光パネルを活用した電力供給の仕組みについても学び、持続可能な地域づくりの一端を理解することができました。
翌日は、ホームグループとアクションプラン作成前のSDGsに関する学びの最終日でした。私たちは「埋立処分場」に行って、燃やせないごみ(ふとん、ソファ、自転車など)の処理過程について学びました。
埋立処分場は、東京とその近くから出るごみの最後の捨て場所で、処理されたごみは「サンドイッチ方式」という方式で何回も重ねられて、最後には「ごみの山」になります。まずは建物内で、この施設の役割やごみの処理方法についての説明を受けました。その後、私たちはバスに乗って施設内の見学ツアーに出発しました。
バスの車窓からは、使用済みのふとんが集められ、整然と積み上げられていく様子を近くに見ることができました。それらは環境に配慮した方法で処理され、ごみの量を減らす努力がなされていることを実感しました。
また、私たちのバスは実際に「ごみの山」に行く体験もしました。自然に見えるその風景の下に、ごみが何層にも重ねられていることを思うと、私たち一人ひとりのごみとの向き合い方を改めて考えるきっかけになりました。
インドネシアでは、「ごみの山」と聞くと、多くの人が最初に想像することは、悪臭がひどく、見た目も不快なごみが積み上げられた場所です。私の国では、ごみの分別があまり行われておらず、燃やせるごみ、燃やせないごみ、生ごみなどが全て混ざったまま最終処分場に送られます。そのため、インドネシアの「ごみの山」では、さまざまなごみが混在しており、強い悪臭を放っています。しかし、日本での体験は全く違いました。今回の埋立処分場での見学で、私が最も興味深く感じたのは、「ごみの山」がまるで普通の林道や公園のように整備されているということです。バスで移動している間も、ごみの臭いは全く感じられず、とても驚きました。
特に感動したのは「ごみの山」が自然と調和し、美しく整備されていたことです。バスは、まだ植栽がされていない部分も通過しましたが、そこでは、土の層がめくれていて、その下にごみが積み重なっている様子がはっきりと見えました。ごみの上に土をかぶせ、さらにその上にまたごみを積み重ねるという「サンドイッチ方式」によって、安全にごみを埋め立てているのです。私は、このような技術が実際に存在し、効果的にごみを管理できることに驚きました。そして、このような先進的な方法が、日本だけでなく、私の母国インドネシアを始めとする他の国々にも広がっていってほしいと強く願いました。
工場見学の後、私たちは再び建物内に戻り、埋め立てられたごみの上につくられた「海の森公園」に生息する植物や動物についての説明を受けました。その後、公園内の生態系をどのように育て、守っていくかを学ぶことができる、教育的なボードゲームに挑戦しました。このセッションでは、スカラー生たちはとても楽しそうに、そして真剣な様子でゲームに取り組んでおり、チームごとに協力しながら勝利を目指していました。
その後、私たちは実際に「海の森公園」の中を歩きながら、スタッフやボランティアの方々から、公園に生息するさまざまな植物や動物について詳しい説明を受けました。
見学の最後には、スカラー生たちがボランティア活動として、公園内の環境保全のために雑草を抜く作業を行いました。活動中には、ヘビ、カエル、チョウなど、さまざまな生き物に出会い、参加者たちはとても興味津々でした。私が意外に感じたのは、多くのスカラー生がそうした生き物に怖がることなく、むしろ自ら手に取って触れたり、ヘビを手に乗せて記念写真を撮ったりしていたことです。その勇気と好奇心にはとても驚かされました。
雑草抜きの活動が終わった後、私たちは再び建物に戻り、その日の活動を振り返る時間を持ちました。そして、最後に「海の森公園」のスタッフの皆さまやボランティアの方々に、感謝の気持ちを込めてお礼を伝えました。
翌日は、アクションプラン作成の初日でした。最初に、福岡プログラムおよび東京プログラムで行ってきた活動の振り返りと評価が行われました。オンラインプログラム初日からこれまでの全ての活動の写真や動画が上映され、スカラー生たちは懐かしそうに笑顔を浮かべながら、JALスカラシッププログラムで出会った仲間との思い出を振り返っていました。その後、いよいよアクションプラン作りが始まりました。参加者全員がノートパソコンを開き、グループごとに意見を出し合いながら作業を進めます。
翌日も引き続き、アクションプラン作りが行われました。各グループが使用していたホワイトボードは、メンバー全員のアイデアでびっしりと埋め尽くされており、議論の深さがうかがえました。
発表前日には、「私の2030年の目標」というワークショップも行われ、スカラー生たちは自分の将来の計画を紙に書き出しました。オンラインプログラムの時と同じように、この日もプログラム全体を通しての自分の気持ちを表す漢字一文字を選び、それを翌日の最終発表で紹介することになっていました。
そしてついに、JALスカラシッププログラムの最終日がやってきました。スカラー生たちはそれぞれ自国の民族衣装を身にまとい、真剣に準備してきたアクションプランを発表するために会場に集まりました。
アクションプランの発表は2つのセッションに分けられ、各セッションでは3つのグループが順番に発表を行いました。どのアクションプランも非常に創造的で、SDGsのテーマに沿った内容となっていました。
中には緊張の面持ちを見せる参加者もいましたが、全員が力強く、そして明確に自分たちのプランを伝えることができました。グループ発表の後は、各自がこのプログラムを通して選んだ「漢字一文字」の発表が行われました。その漢字には、一人ひとりの想いとストーリーが込められており、中には別れの寂しさから涙を流す参加者もいました。
続いて、修了証書授与式が行われ、一人ずつ名前が呼ばれました。その瞬間、会場は温かい拍手で包まれました。最後に、スカラー生は全員で記念撮影を行いました。写真に映る彼らの笑顔はとても輝いていましたが、その裏には、プログラムの終わりと共に訪れる別れの寂しさが隠されていました。
そしてプログラムの最後を飾るフェアウェルパーティーがいよいよ始まりました。長い一日を乗り越え、数多くの発表を終えたスカラー生たちは、この時間を仲間と語らいながらおいしい食事を楽しむひとときを心待ちにしていました。パーティーは、JAL財団常務理事による挨拶と「乾杯」の掛け声で幕を開けました。用意された料理はどれもとてもおいしく、飲み物も種類豊富で、会場は和やかな雰囲気に包まれました。
その途中、日本人学生である学生コーディネーターから、スカラー生へのサプライズがありました。プログラム期間中の思い出の写真や動画を集めた映像が上映され、その映像を見つめるスカラー生たちの表情には感動と名残惜しさがあふれていました。その時、涙を流す姿も多く見られました。さらに、スカラー生たちから学生コーディネーターへのサプライズもありました。それぞれの学生コーディネーターに向けた感謝の気持ちとメッセージが書かれたメッセージボードが手渡され、それまで明るく振る舞ってきたコーディネーターたちも思わず涙をこぼしました。
続いて、JALスカラシッププログラムに参加した全員が、事務局スタッフを含めて、一人ずつ最後の感想やメッセージを伝えました。この時間には、温かい言葉に感極まり、会場のあちこちからすすり泣く声が聞こえてきました。しかしその一方で、スカラー生たちのユーモアあふれる発言や行動により、場が笑いに包まれる瞬間もありました。こうして、全員が心を込めた言葉を伝え合い、名残惜しさと共に「JALスカラシッププログラム2025」は幕を閉じました。
2025年のJALスカラシッププログラムは、私にとって日本文化やSDGsの視点から見た世界的課題について学ぶ機会を与えてくれただけでなく、今や私の人生において大切な存在となった、世界各国から集まった仲間たちとの出会いももたらしてくれました。この活動を通して、私は「言語学習の力」の素晴らしさを実感しました。異なる国や文化があっても、スカラー生たちがひとつの共通の目標のもとに団結できたのは、まさにその力のおかげです。オンライン・対面を問わず、プログラムのあらゆる活動は私に深い学びと広い視野を与え、持続可能な未来のために貢献し続けたいという意欲を高めてくれました。
私は、大きな変化は日常生活の中の小さな一歩から始まること、そして国境を越えた協力こそが世界的課題に立ち向かう鍵であることを学びました。このプログラムは、私の世界や未来に対する見方を大きく変え、生涯忘れることのない貴重な思い出を残してくれました。JAL財団、JEEF、JAL、そしてこのプログラムに関わってくださった全ての方々に、心より感謝申し上げます。ここで得た学びと経験を糧に、より良い世界の実現に向けて、私自身の具体的な貢献を形にしていきたいと思います。