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活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム
公益社団法人日本環境教育フォーラムでの研修:自然と人とのつながりインドネシア大学 アシラ・ムティア・リスキー
JAL財団のインターンとして働いている中で、約1か月間「公益社団法人日本環境教育フォーラム(以後JEEF)」で研修を行う機会をいただきました。
JEEF(Japan Environmental Education Forum)は、「体験」と「対話」を重視した環境教育を通じて、持続可能な社会づくりを担う人材を育成することを目指しているNGOです。
私の研修期間は9月と10月、それぞれ2週間ずつに分かれていました。その間、日本各地を訪れながら、自然について学び、自然と人とのつながりの美しさを体験し、さらにはSDGsに関連する取り組みについても深く学びました。特に、環境保全だけでなく、企業とのパートナーシップを通じて持続可能な未来を実現しようとする取り組みについて学べたことは、大変貴重な経験でした。本レポートでは、この研修期間中に参加した活動の内容と、そこから得た学びについて報告いたします。
9月前半は、私にとって最も印象に残ったJEEFのプログラムの一つである「次世代ネイチャースクールin南房総」から始まりました。次世代ネイチャースクール2025プログラムは、2泊3日の間、子どもたちが森・里・川・海で一緒に活動しながら、身の回りの自然に生息する生き物や植物を直接観察する機会となり、同じ地球で暮らしている生き物や自然と人間とのつながりについて学ぶ内容でした。
今年の次世代ネイチャースクールは、9月13日から15日まで開催されました。この3日間で、私はこれまで想像もしなかったような新しい体験をたくさん得ることができました。子どもたちと一緒にプログラムに参加するのは今回が初めてで、また、連続して3日間を自然の中で過ごすのも初めてでした。そのため、新しい環境でどのようにコミュニケーションを取るか、どのように適応していけるかについて、少し不安を感じていました。
私にとって最も印象的だった瞬間は、2日目に沖ノ島を訪れたときでした。沖ノ島は海に囲まれた小さな島ですが、島の中には森も広がっています。その日、私は森の中を歩くことと海辺を歩くこととでは、まったく異なる雰囲気を感じられることに気づきました。一つの場所で異なる二つの自然環境を体験できるというのは、他ではなかなか味わえない貴重なことだと感じ、この場所にとても感動しました。
海辺に立つと、波がさざめく音がとても鮮明に聞こえ、強い風が、まるで子供たちを歓迎するかのように吹いていました。
風が強かったため、砂が舞い上がり、目を開けるときには注意が必要なほどでした。ガイドの方はこの状況を見て、「海から陸へ向かって風が吹いているので、海に近い場所に立つ方が飛んでくる砂の影響がなくなって、過ごしやすくなりますよ」と説明してくださいました。その説明を聞いて初めて、そのような風の流れに気づきました。
また、海岸で見た植物にも強い印象を受けました。海辺の砂の上には新鮮な緑色の海藻がたくさん打ち上げられており、さらに、濃い茶色をした植物には、実を押すとまるで「プチプチ」と聞こえる気泡緩衝材をつぶすような音が鳴るものもありました。そのほかには、砂浜の上には、さまざまな形をした貝殻がたくさんあり、きらきらと輝いていました。加えて、黄緑色をした植物が並んでおり、その一帯からはとても良い香りが漂っていました。
一方、森の中では、海の波の音よりも、虫の鳴き声がはっきりと聞こえました。砂や貝殻が敷き詰められた海辺とは異なり、森の中の道は緑豊かな木々と湿った土で覆われており、歩くたびに土の柔らかさが感じられました。森の小道には葉の香りが漂い、海では見ることのできないさまざまな植物を直接観察することもできました。また、素敵な小さな神社もあります。海も森もどちらも夏を象徴する場所ですが、私にとっては、森の中で青々とした木々を眺め、蝉の声を聞くことこそが、日本の夏らしい雰囲気をより強く感じられる体験だったように思います。
また、沖ノ島での活動に加えて、印象に残っているのが、山近くの森で行われた「ナイトウォーキング」です。その日は、参加している子どもたちやスタッフ、そしてガイドの方と一緒に、森の中を照明を使わずに歩きました。虫が苦手な私にとって、真っ暗な森を進むことは最初は少し怖く、不安もありました。しかし、時間が経つにつれて自分の中に勇気が湧き、目も次第に暗闇に慣れていきました。
ある時、私たちは立ち止まり、ガイドの方の説明を聞きながら、周りの森を観察しました。そのとき、空を見上げてみると、自分の目の前に広がる空と反対側の空とで明るさに大きな違いがあることに気づきました。目の前に見える空は、夜でありながら非常に明るく、森の中には光がないにもかかわらず、はっきりと輝いていたのです。
ガイドの方は、「その方向に見える空は東京の空です。東京の街は24時間ほぼ休むことなく大量の電力を使い、特に商業施設やレストランの照明に多くの電気が使われています。その強い明かりが夜空まで照らし、結果として夜でも空が明るく見えるのです」と説明してくださいました。
空だけでなく、人間の自然環境への適応力にも改めて驚かされました。最初、照明のない森に足を踏み入れたときは、本当に何も見えず、不安を感じました。しかし、しばらくすると、小さな虫の音までも聞こえるようになり、やがて森の木々のシルエットもはっきりと見えるようになっていきました。この体験から、人間の感覚の一つが弱まると、他の感覚がより鋭く働くようになるのだと実感しました。
その後、もう一つの夜の活動として、ウミホタル採集に参加しました。夜の海を訪れるのはこれが初めてでした。私は子どもたちと一緒にウミホタルを捕まえるお手伝いをし、子どもたちは自分たちが捕まえたウミホタルの結果を待ちながら、とてもワクワクしている様子でした。待っている間、子どもたちは懐中電灯で照らしながら反対側の海辺を観察していました。しばらくすると、いくつかの海の生き物が姿を見せ始めました。
最初に、懐中電灯の光に集まるように、小さな魚たちが泳ぎだし、その後、クラゲのような小さな生物がその周りでふわふわと漂い始めました。さらには、その夜、私たちの近くに大きな茶色いエイが姿を現しました。私はこれまで水族館でしかエイを見たことがありませんでしたが、今回初めて自然の中で生きる野生のエイを目にすることができ、とても感動しました。
この次世代ネイチャースクールのプログラムを通じて、私は多くの新しいことを学びました。まず、JEEFの他のインターンシップ生3名と一緒に活動したことで、日本の小学校4年生から6年生の子どもたちとどのように接し、プログラムや学びをより興味深いものにするかについて学ぶことができました。また、森・里・川・海に住む生き物や自然と人間の関わりについても多くを学ぶことができました。そして、ウミホタルや、野生のエイとクラゲ、さらには母国インドネシアでは見られないような昆虫を見るのもすべて初めての経験であり、非常に貴重な体験となりました。
次世代ネイチャースクールのほかに、私は「東京ネイチャーアカデミー」というプログラムにも参加する機会を得ました。このプログラムでは、SDGsに関する学習クラスに参加し、日本の20代から70代までの幅広い世代の方々と一緒に、環境に対するアクションプランを1日かけて考えました。
本講座は9月16日に開催されました。当日は、SDGsについてより深く学び、さまざまな分野における具体的な事例をもとにSDGsのコンセプトをどのように応用できるかを考えました。
例えば、ある物をテーマにSDGsの視点から分析する活動があり、選べる物として「自転車」「服」「ハンバーガー」が提示されました。私は「服」を選び、持続可能なファッションについて分析を行いました。その後、グループで意見交換をし、他のメンバーが選んだ物に対する分析や意見も聞くことで、多様な視点を学ぶことができました。
さらに、「東京ネイチャーアカデミー」の期間中に実践したいアクションプランも作成しました。私は、子どもたちを対象とした「自然とSDGsに関する絵本を制作するプロジェクト」と、その絵本に登場する場所を舞台に、日本の子どもたちと高齢の参加者が協力して自然体験を行う「コラボレーションキャンプ」の企画を提案しました。これにより、世代を超えた交流と、自然と人間の関わりを体験的に学ぶ機会を提供したいと考えました。
これら二つのプログラムを通して、私は自然の驚異について深く実感しました。最も重要な学びは、この地球上に存在するすべての生命が互いに結びついているということです。自然を通じて、私たちはほかの人間だけでなく、動物や植物ともつながることができます。そして、「持続可能な未来を創る」という共通の目標を掲げることで、世代を超えて人と人とがつながることができるのだと気づきました。
また、これら二つのプログラムのほかに、那須塩原を訪れた際の活動も非常に印象に残っています。9月12日に那須塩原を訪れ、生まれて初めて山登りを体験しました。JEEFの事務局長とガイドさん1名、そして地元の方々5名と一緒に、那須塩原の美しい自然と歴史を活かした観光地づくりの可能性について、現地を巡りながら調査・検討を行いました。
最初に訪れたのは、かつて温泉や飲食店が立ち並び、観光客で賑わっていた地域でした。しかし、コロナ禍による観光客減少の影響で、多くの施設が閉業してしまったと聞きました。その後、私たちは山の中へと歩みを進めました。当日は雨が降り、地面が濡れて滑りやすかったため、注意しながら登山を続けました。
道中ではガイドの方から那須塩原の山々について多くのお話を伺い、かつては住民の往来を支えるために山中に多数の道が作られていたことを知りました。現在は土や落ち葉に覆われていますが、その痕跡は今も残っており、当時の生活の様子をうかがい知ることができます。また、山の中には何十年も前の飲み物の空き缶などが残されており、人々が日常的に山を利用していた証拠となっていました。
さらに、その山にはクマやシカなどの野生動物も生息しています。下山途中、私たちは2頭の大人のシカが森の中を駆け回る姿を見ることができました。また別の場所では、2頭の子ジカがこちらを見ながら静かに座っている姿も目にしました。野生のシカを間近で見るのは今回が初めてで、とても感動的な体験でした。
また、山中には、小さな飲食店が一軒あり、登山客が休憩する場所として親しまれていました。このお店は那須塩原の地元のご家族が営んでおり、川のそばにあるため、周囲の風景はとても美しく、穏やかな空気が流れていました。
訪れた人々は、草餅で有名な「くさ団子」、温かいおでん、ところてん、きのこうどん・そばといった名物料理に加え、日本ならではの抹茶やコーヒー、紅茶などの飲み物(温かいものも冷たいものもあります)を楽しむことができます。美味しい食事を味わいながら、清らかな川のせせらぎと美しい緑の森の景色に癒されることができました。ガイドの方のお話を伺い、実際にその場所を目にすることで、かつてこの山が観光客で賑わっていた頃の様子を想像せずにはいられませんでした。
山を越える長い道のりの後、私たちは足湯の温泉施設を訪れました。この場所も、今後開発が予定されている観光スポットの一つです。そこでは「ミルチー」と呼ばれる、チーズケーキを飲むようなチーズ風味のミルクドリンクをいただき、登山の疲れを癒しながら、今回巡った観光プランについて感想を共有し合いました。この活動を通して、私は観光計画の立て方について多くを学び、自分自身の視点からも、外国人観光客として感じる魅力や提案を伝えることができました。今回の体験を経て、私は那須塩原が再び活気ある観光地として多くの人を惹きつける場所になってほしいと強く願うようになり、観光プランを考えることがとても楽しいと感じました。
那須塩原への訪問に加えて、私は宮城県の川渡温泉近くにある「エコラの森」への視察にも参加しました。この訪問は、10月23日から24日にかけて、JEEFの事務局長とともに行いました。本来であれば、毎年恒例となっている「草刈り」の活動を行う予定でしたが、今年は植樹地帯や農園周辺に野生のクマが多く出没しているため、中止されました。そのため、私たちは現地の状況を視察し、動物によって荒らされてしまった農園の修復計画を立てるために現地を訪れました。
現地の管理者の方に案内されて、栗の木が多く植えられている農園を訪れました。農園の周囲には、野生動物の侵入を防ぐための電気柵が設置されています。農園に着くと、木々の状態を確認しましたが、最近子グマが木に登って栗を食べた影響で、多くの枝が折れていました。クマが山の中のエサが減ったことで農園に下りてくるようになり、被害が増えているとのことでした。この活動を通じて、自然の中で生きる動物たちと、森林や農園の管理の難しさについて多くを学ぶことができました。また、野生動物が農園に侵入するのを防ぐための工夫についても知る良い機会となりました。
木の植林活動に加えて、私は森林内で育つ木材の活用方法にも感銘を受けました。成長した木材の多くは、住宅や建物の建設用として販売され、その一例として、森の中に建設された環境に優しいアパートがあります。
この建設に伴い、廃材となる木材が多く発生しましたが、その廃材を無駄にすることなく、有効活用するために大量の割り箸を制作する取り組みが行われていました。制作された割り箸は、チャリティの一環として、福祉施設や子どもたちに寄付される予定です。
今回訪れたエコラの森は、宮城県の「鳴子温泉」周辺に位置しています。鳴子温泉は、美しい自然と豊富な温泉資源に恵まれ、地域の人々によって温泉観光地として発展してきた場所です。
周辺には、カフェやさまざまな飲食店が立ち並び、美味しい食べ物や飲み物を楽しむことができます。文化的な面から見ると、鳴子温泉は「鳴子こけし」でよく知られています。今回の行程では、「こけし」をテーマにしたカフェ「カガモク」を訪問する機会もいただきました。
この店の店主は、さまざまな種類のこけしを製作しており、こけしの人形だけでなく、ほかのユニークなものも作っています。たとえば、こけし模様の食器や子ども用のおもちゃ、将棋など、幅広い作品が展示・販売されていました。また、来店した人々が自分の好きなデザインでこけしを自由に作る体験もできるようになっています。私がそのカフェに入ったときには、幅広い年齢の方々が将棋を指しながら楽しそうに会話をしている様子が見られました。
また、私はJEEFとともに重要なイベントの一つに参加する機会をいただきました。このイベントは「木を植える人を育てる:インドネシア×日本環境インターンシップの挑戦」と題されたプレゼンテーションです。こちらは、大阪・関西万博のインドネシアパビリオンで開催された、JEEFとSOMPO環境財団の協働イベントでした。当日は、SOMPO環境財団のインターンシップ経験者である4名(日本人2名、インドネシア人2名)が登壇し、それぞれのインターンとしての経験を共有しました。
進行はJEEF事務局長が務め、私はインドネシア人のインターンシップ生とJEEFの事務局長との間をつなぐ通訳者としての役割を担当いたしました。私自身、日本とインドネシアをつなぐ翻訳者として働くことを、一つの目標としています。そのため、今回の活動は、特に翻訳者として必要とされる日本語運用能力を磨く上で、非常に貴重な学びと経験となりました。
このイベントに参加している間、日本とインドネシアの関係がより強く結びついていく様子を見て、とても感動しました。両国の架け橋として貢献できたことを嬉しく思います。インドネシア国民として、少しずつでも日本と協力しながら、より緑豊かで健全、そして持続可能な地球環境を実現する取り組みに関わることができ、大変誇りに思います。
約1ヶ月間のJEEFでのインターンシップ期間は、本当にあっという間でした。これまでにご紹介した5つのプログラムや活動以外にも、SDGsや環境に関連するさまざまな取り組みに参加・協力させていただきました。また、事務業務としては、書類の翻訳やウェブサイト用の写真デザインの作成、JEEF主催イベントで使用する展示物の制作など、多岐にわたる業務をお手伝いさせていただきました。
JEEFでの1ヶ月間の研修期間は、新しい挑戦と素晴らしい出来事に満ちた時間でした。さまざまなことに挑戦する前は、宮城県訪問時に熊の出没が多いと聞いて不安になったり、虫が怖かったり、初めて一人で新幹線に乗ることに緊張したりと、たくさんの不安がありました。しかし、JEEFでは一度も「ひとり」だと感じたことはありませんでした。JEEFのインターンシップ生やスタッフの方々は、まるで家族のように温かく私を支えてくださり、プログラムを通して私の成長をいつも見守ってくださいました。
特に印象に残っているのは、宮城へ行く前にクマ鈴を渡してくださったことです。そのおかげで、少し安心して現地へ向かうことができました。
また、JEEFのブースでの活動では、とても親切で共通の趣味を持つスタッフの方とお話ができ、心が和みました。他にも、好きなアニメのグッズをくださったり、一緒に活動したインターンの仲間がたくさんのことを丁寧に教えてくれたりと、本当に多くの温かさに触れました。
一連の活動を通じて、私はこの地球で生きることについて多くのことを学びました。日本の自然の美しさだけでなく、人と人とのつながりの大切さ、そしてその調和について深く考える機会を持つことができました。
JEEFのオフィスで感じた温かさや、そこで得た貴重な経験とご厚意は、決して忘れることはありません。最後になりますが、このようなかけがえのない機会を与えてくださったJAL財団の皆さまに、心より感謝申し上げます。