活動紹介:地球人育成プログラム 外国人学生に対する研修プログラム

羽田国際高等学校での国際交流会インドネシア大学 アシラ・ムティア・リスキー

JAL財団でのインターンシップ期間の終わりが近づいた頃、私は2025年11月10日に羽田国際高等学校で行われた「国際交流会」に参加する貴重な機会をいただきました。

羽田国際高等学校は、1941年に設立された学校で、「心も姿も美しく、思いやりを大切にし、目標に向かって自ら行動する人材を育てる」人間の育成を提供するということを目的としています。創立当初は女子校でしたが、より国際的で公平な教育を実現するため、2年前から男女共学の学校として新たにスタートしました。

また、この学校では、海外からゲストを招いて国際交流会を開催する取り組みも積極的に行われています。

今回の国際交流会では、主に三つの活動に参加させていただきました。

一つ目は、学校施設を紹介していただき、1年生と3年生の教室で授業の模様を見学しました。二つ目は、体育館で行われた交流会のメインイベントにて、私の母国であるインドネシアについて発表をさせていただきました。最後に、放課後茶道部の活動に参加させていただきました。和室での茶道体験に参加し、お茶の点て方やお茶の出し方など日本の茶道における基本的な作法についての学びをいただきました。

今回の交流会は、日本の高校生と交流する初めての機会であったため、以前からとても楽しみにしていました。日本とインドネシアの高校生活の違いについても知りたいと思っており、大変有意義な経験となりました。

当日、ワクワクと緊張が入り混じった気持ちで羽田国際高等学校に到着しました。学校に入ると、羽田国際高等学校の先生方や生徒さんたちが温かく迎えてくださいました。通りかかった数名の生徒がインドネシア語であいさつしてくれたことに、とても驚き、同時に嬉しい気持ちでいっぱいになりました。自分の母語を聞くことで、緊張が少し和らいだように感じました。

私が到着した時間はちょうどお昼の休憩時間であり、生徒さんたちとたくさん笑顔で目があいました。そこでまず、学校の食堂を案内していただきました。

食堂には、学校のメニューを食べている生徒や、それぞれがお弁当を食べている生徒で、とても賑わっていました。さらに不思議なことに思ったのは、食堂で提供されていた昼食のメニューのひとつがインドネシア料理の「ナシゴレン」でした。先生がお話してくださったところによると、この学校では「国際」というコンセプトを大切にしており、食堂でも和食だけではなく、その日の来校者の出身国に合わせた料理を提供しているとのことでした。

ちょうどその日はインドネシア出身の私が訪問したため、インドネシア料理がメニューに選ばれたそうです。日本の高校生がインドネシア料理を楽しそうに食べている光景は、他の場所ではなかなか見る機会がないと思います。

お昼の休憩時間が終わった後、私はJAL財団の担当者の方と先生方と一緒に、その日の活動内容についてのブリーフィングを行いました。ブリーフィングを終えてから、最初の活動である学校内のツアーと見学を始めました。そこでは学校の施設や、授業が行われている教室の様子を見せていただきました。ちょうどその日は、2年生の生徒さんたちがカナダとアメリカへの修学旅行に出発する日と重なっており、いつもより校内が静かで、生徒の数も少なく感じられました。

次に、羽田国際高等学校で行われている授業を見学させていただきました。最初に、英会話の授業に入りました。先生と生徒の間で双方向のやり取りが積極的に行われており、そのため授業がとても効果的に進んでいると感じました。授業の進め方も楽しく工夫されていて、生徒さんたちは恥ずかしがることなく、自信を持って英語で友達と会話練習をしていました。

その後、数学、地理、そして情報システム科目の授業を見学しました。数学の授業では、ちょうどテストの結果が返却されたところで、生徒さんたちのさまざまな表情を見ることができ、青春らしい雰囲気を感じました。地理と情報システムの授業では、生徒さん全員が同じモデルのタブレットを使用しており、授業をより効果的に進めるために活用しているとのことを先生方からお聞きしました。

また、音楽の授業にも参加しました。その時、生徒さんたちはリコーダーの練習をしていました。インドネシアでは音楽の授業が単独で行われることは少なく、美術や工作とまとめて「芸術文化科目」の一つとして学ぶことが多いため、音楽の授業が単独で充実して設けられている点は、とても興味深いと感じました。授業の時、生徒さんたちにリコーダーの練習について少し質問すると、皆さんとても真剣で、音楽に対する強い情熱を持っていることが伝わってきました。その時、まるでオペラのように美しい歌声を披露してくれた生徒もいて、とても印象的でした。

各教室の見学が終わった後、いよいよ2つ目の活動が始まりました。2つ目の活動は、国際交流会の時間です。この国際交流会は、私にとって3つの活動の中で最も緊張の気持ちを感じられ、他の活動よりも多くの準備が必要でした。国際交流会では、羽田国際高等学校の200名以上の生徒さんたちの前で、私の母国であるインドネシアの紹介について発表させていただきました。

実は、その日の前の数週間、プレゼンの資料を準備しているとき、どうすれば多くの人の前で魅力的に発表できるかをずっと考えていました。10分前の時でも「どうすればもっと興味を持って聞いてもらえるだろうか」「この発表で生徒さんたちにインドネシアをもっと好きになってもらえるだろうか」と何度も考えていました。

生徒さんたちがどんどん来場し、あいさつの後に交流会が始まり、初めに、自己紹介をしました。趣味や好きな食べ物など自分について少し話させていただきました。続いて、インドネシアの位置や人口など、インドネシアの基本的な情報についてお話ししました。その後、バリ島がどこにあるかを当ててもらう簡単なクイズを行いました。クイズを始めた時やその最中、生徒さんたちが集中して聞いてくれて、積極的に手を挙げて回答してくれたので、とても感謝しました。クイズの後、インドネシアの三つの有名な観光地を紹介しながら発表を進めました。紹介した観光地は、バリ島とジャワ島にあるジョグジャカルタとバンドンという町を紹介しました。それぞれの観光地の魅力や有名なスポットなど、特に生徒さんたちが興味を持ちそうなおすすめスポットを選びながら説明しました。

その後、インドネシア料理の紹介を始めました。まず、日本でもよく知られているインドネシアの「ナシゴレン」と「ミーゴレン」を紹介し、続いて甘辛いピーナッツソースを使った「サテ・アヤム」というインドネシアの焼き鳥と、「ガドガド」というインドネシアのピーナッツソースを使い、インドネシアの野菜や豆腐などと和えた食べ物を取り上げました。そして、他の国にはあまりないインドネシア独特の風味を持つ料理として、2017年に一番おいしい食べ物に選ばれた「ルンダン」という牛肉の料理と、「ソトアヤム」という鶏肉のスープも紹介しました。

現在、日本には本格的なインドネシア料理を提供するレストランも増えていますが、まだ若い世代の方々には馴染みが薄いと感じています。そのため、私はこの機会にインドネシア料理のおいしさを知ってもらいたいと思い、一生懸命説明しました。

インドネシアについての紹介が終わった後、私は2つ目の大きなテーマとして、自分の大学であるインドネシア大学(Universitas Indonesia)と、「日本学科」という私の専攻の学生生活について説明しました。インドネシア大学を紹介した理由はこのように大きい街の中でも広大なキャンパスが森に囲まれていて、東京ドーム70個分の広さのある大学は他の国ではあまり見られないからです。また、インドネシア大学はインドネシアの高校生が最も進学を希望する大学の一つであり、キャンパスが非常に広いため、2つの駅が大学構内にあるという特徴もあります。

また、羽田国際高等学校の生徒さんたちは卒業後に海外の大学へ進学する方も多いと聞きました。そのため、将来の進路の一つとしてインドネシア大学を知っていただくことは、良いきっかけになるのではないかと思い、この大学についても紹介させていただきました。

私が自分の大学に関する面白い事実を説明したとき、羽田国際高等学校の生徒さんたちはとても驚いた表情を見せていました。インドネシア大学の学生食堂では、100〜200円だけでお腹いっぱい食べることができること、各学部に3〜4つのカフェと1つの大きな食堂があること、さらには日本政府によって建てられた日本研究センター専用の建物があることも説明しました。生徒さんたちは「日本と全く違う!」という表情でリアクションをしました。

その後、私は自分や友人たちの経験をもとに、インドネシアの大学生の一般的な学生生活についても説明しました。具体的にはインドネシアには日本のようなアルバイト文化があまりないこと、イスラム教徒の学生は忙しくても一日に5回お祈りをしなければならないこと、また、将来の就職準備としてインターンシップに参加し、単位を取得する学生が多いことなどを紹介しました。

さらに、インドネシアの学生が日常的に「Grab」や「Gojek」といったバイクタクシーをよく利用する一方で、日本の学生は主に電車や自転車、徒歩で通学するという違いも大きな特徴として説明しました。

このようにインドネシアの学生生活を紹介した理由は、もし羽田国際高等学校の生徒さんたちの中に海外の社会について学びたいと考えている方がいれば、インドネシア社会のさまざまな視点を知るきっかけになれば良いと思ったからです。

私の発表の最後のセッションは、インドネシア語の学習と質疑応答の時間でした。インドネシア語の学習として、生徒さんたちに簡単なインドネシア語を使って自己紹介に挑戦してもらう機会を設けました。文法や使用する言葉を説明した後、皆さんは楽しそうに一緒に練習していました。

その後、1人のボランティアの生徒が前に出て、インドネシア語で自己紹介をしてくれました。彼がインドネシア、日本、オランダのクォーターだと話してくれたとき、私はとても驚きました。また、質疑応答の時間には、多くの生徒が興味深い質問をしてくださり、会場の雰囲気がより明るくなって、とても嬉しく感じました。

国際交流会が終わった後、私は茶道部の放課後のクラブ活動に参加させていただく機会をいただきました。この機会は、単に見学するだけでなく、茶道の過程やその背景にある哲学を実際に体験することができ、とても貴重な経験となりました。茶道の「お作法」の体験には、お客さまにお茶をお出しする方法や、抹茶の点て方、袱紗(ふくさ)の折り方、そしてお点前の間に守るべき礼儀作法など、たくさんのことを学びました。教えていただいた一つ一つの動作には深い意味があり、日本文化ならではの礼儀正しさと落ち着きが込められていると強く感じました。

畳のお部屋に入ったとき、茶道部の部長とほかのメンバーが温かくあいさつしてくださり、私はまるで自分も茶道部の一員になったかのように感じました。茶道部の先生からは、畳の部屋についての説明があり、礼儀を守るために踏んでもよい場所と避けるべき場所など、伝統的な空間の作法についても教えていただきました。この説明を通して、畳の部屋の配置にも独自の哲学や決まりがあることを知り、とても勉強になりました。

お作法を学んだ後、まず抹茶をいただく前に出される和菓子を楽しませていただきました。その和菓子はとても柔らかく、甘さも控えめで、これからいただく抹茶に対する期待がさらに高まりました。その後、部長さんが抹茶の点て方を見せてくださいました。部長さんの動作はとても優雅で落ち着いており、まるで何百回も繰り返してきたかのような美しさがありました。特に、茶筅(ちゃせん)を使ってちょうどよいリズムで泡立て、表面にきれいな泡が立つ抹茶を仕上げる様子に深く感動しました。そして、最後に私のところへ運ばれてきた一杯の抹茶は、まさに一つの芸術作品を受け取ったような気持ちにさせてくれました。

抹茶が大好きな私にとって、その抹茶を味わうことができたのは本当に幸せな時間でした。やわらかな苦味や独特の香り、そしてなめらかな口当たりがとても心地よく、その瞬間を存分に楽しむことができました。その後、私の番になり、袱紗の畳み方や自分で抹茶を点てる方法を学びました。先生は、抹茶の粉とお湯の適切な分量、さらに理想的な泡を作るための混ぜる方向や速度などを、丁寧に教えてくださいました。動作自体は一見簡単に見えますが、実際には細かい注意力や落ち着きが必要だということを実感しました。

自分で点てた抹茶が完成したあと、私は部員の皆さんと一緒に抹茶をいただきながら、学校のことや趣味、日常生活について気軽にお話ししました。その会話の時間はとても楽しく、部員の皆さんとの距離が一気に近づいたように感じました。温かい雰囲気の中で過ごしたその時間は、私にとって忘れられない思い出となりました。

最後に、私たちは記念として一緒に写真を撮りました。その写真は、私が初めて日本の茶道を高校生の皆さんと体験した貴重な出来事を思い出させてくれる、大切な宝物となりました。この経験は、単に知識を深めるだけではなく、日本の文化や大切にされている礼儀作法への理解をより豊かにしてくれました。

以上で、国際交流会の全てのプログラムが無事に終了いたしました。以前から、私は日本の高校とインドネシアの高校の学校生活にはどれほどの違いがあるのか、とても気になっていました。その疑問は今回の参加を通してようやく解消され、日本の高校生として一日を過ごす貴重な体験を直接味わうことができました。

学校紹介から始まり、さまざまな教室への見学、国際交流会での発表、そして放課後の茶道部との活動に至るまで、どれも私にとって大変有意義で貴重な学びとなりました。これらの一連の活動を通して、日本の学校で大切にされている価値観、規律、そして学習に対する姿勢をより深く理解することができました。

また、羽田国際高等学校が実施している教育方法や国際教育に関する取り組みにも大変感銘を受けました。生徒一人一人がグローバルに活躍できるよう成長を促す環境づくり、対話の場を広げる姿勢、探求心を育てる工夫、そして視野を広げるための教育戦略は、私にとって非常に印象深いものでした。

さらに、熱心で学ぶ意欲の高い羽田国際高等学校の生徒さんたちに、私の母国インドネシアを紹介する機会をいただけたことを心から嬉しく思っております。生徒さんたちとの交流を通して、このような文化交流の場が相互理解を深め、国と国とのつながりをさらに強めるうえで非常に重要であると改めて感じました。

最後に、温かく迎えてくださった羽田国際高等学校の皆さま、そしてこの貴重な機会を与えてくださったJAL財団に心より感謝申し上げます。今回の経験は、私の知識を広げてくれただけでなく、これからも大切にしていきたい思い出の一つとなりました。

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